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中学2年「夢の力」【希望と勇気、克己と強い意志】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学2年「夢の力」【希望と勇気、克己と強い意志】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

希望をもつ。
勇気がわいてくる。
努力は裏切らない。
などなど、
今日の内容項目を扱った
名言は世の中にたくさんあります。
ということは、
そこに道徳的要素がたくさん詰まっている!
ということですね。
でも、
希望と勇気の関係って?
努力と強い意志はどうちがう?
と聞かれると、
改めて考えたことはないので、
「うーん・・・」となると思います。
今日は、「希望と勇気、努力と強い意志」について
じっくり考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「希望と勇気,克己と強い意志」
目標・・・・・より高い目標を設定し,その達成を目指し,希望と勇気をもち,困難や失敗を乗り越えて着実にやり遂げること。

「夢の力」(光村図書)
私は、パラリンピックの車いすテニス日本代表として出場した。

私は、自分に特別な才能があるとは思っていない。

これまで経験したこと一部をお話しします。

①中学生のとき
ソフトテニス部に入って、面白さを知った。
この頃にはまだ、将来どんな職業を選択するのかを決めていません。

②高校生・専門学校生のとき
高校入学後も部活動でソフトテニスを続けた。
専門学校では、ものづくりに興味があったため、建築についてまなんだ。

③ついに大工に!
専門学校卒業後、建築会社に就職し念願だった大工に。
仕事に励みながらテニスも続けた。

④けれど
夢だった大工になり、高所から転落してしまい、車椅子生活に。
車椅子ではテニスができないと思っていたが、車いすテニスの存在を知った。

⑤パラリンピックを目指して
車いすテニスを始めた私は、「世界一」になるという夢を持った。

⑥パラリンピック出場
これまで支えてくださった方々へ、恩返ししたいという強い思いを持ってプレーした。

私のそばには、常に夢があった。私は「夢の力」を信じている。

2 内容項目と教材

これはそれぞれ前半と後半でペアを作って理解しましょう。

「希望と勇気」で1セット
「克己と強い意志」で1セット
です。

まずは「希望と勇気」について解説します。
人が希望をもつ時というのは、どんな時でしょうか。

☆プロ野球選手になりたい
☆いつまでも元気に生きたい
などが、希望の例としてあげられます。

では、勇気をもつ時というのはどんな時でしょうか。
☆勇気を出して好きな人に声をかける。
☆勇気を出して試験に挑戦する。

よく考えてみると勇気とは、
何かしらの目標に向かう強い気持ちと言えます。
勇気はゴールがあるから発揮できるのです。

そのゴール地点や付近のことを、希望と呼ぶのです。
希望があるから勇気がでる。
希望のない勇気は、ただなりふりかまわず勢いで行動しているだけです。

それは、道徳的価値が高い行動とは言えません。


次に「克己と強い意志」です。
これは「希望と勇気」によく似ています。

努力をしている時はたいてい、
目標に向かって頑張っていることのことを指すはずです。
時々、このような言葉を聞きます。

「あの人は努力家だ。」

仮にその人が努力家だったとしましょう。
それはいつの時点でそう言えるのでしょうか。

1回の頑張り? 1週間続けたら努力家?
「いやいや、1年は最低続けないと,努力したとは言えないでしょ。」
と言う人もいるでしょう。

努力の内容によりますので一概には言えませんが、
共通しているのは、
『短い期間だけ頑張っても、それは「努力」をしているとは言えない。』
ということです。
努力とは長い期間頑張ることを指します。

その長い期間、気持ちが折れることなく、
頑張り続けることができたのはなぜでしょうか。
自分自身が「目標を絶対に達成するぞ。」と思っていたからでしょう。

つまり、努力とは強い意志によって支えられるものなのです。
このように、「希望と勇気」「克己と強い意志」は
それぞれ1セットなのです。

教材研究では、
①「希望と勇気」か「努力と強い意志」か、どちらが重点の教材か見極める。
②仮に「希望と勇気」だとしたら、
『希望』はどの人のどの心か、『勇気』はどの人のどの心なのかを考える。
(※「努力と強い意志」でも同じ)
③『希望』『勇気』それぞれについて発問を考える。
という流れに沿って行うと、本質を捉えた授業ができます。

では、今回の教材「夢の力」はどうでしょうか。
これは「努力と強い意志」が重点で間違いなさそうですね。

二條さんは長い間努力をしました。
誰が見ても、「一時期の努力」ではなく、「長い時間の努力」でしょう。
そしてその努力を支えるのは、「オリンピックに出場する」という強い意志なのです。

二條さんは、何度もくじけそうになっています。
・大工の現場で女性として棟梁になったこと
・ケガをして車いす生活になってしまったこと
・車いすテニスで思い通りのプレーができないこと

こういった苦労を聞くと、一人の人間として本当に頭が下がりますよね。

この教材は二條さんにだけ焦点を当てて書かれていますが、
視点を変えて見ると、また新しい気付きが生まれます。

・車イステニスの他の選手
・二條さんにテニスをやめていいと言った社長
・二條さんを応援している人

視点を変えて、これらの人が「今の二條さんになんと言うだろう。」という発問は、思考の幅が広がりそうですね。

「視点を限定しない」は
授業展開と発問を考える上で基本中の基本です!

『発問の視点は1つに絞りなさい』と指導する人がいたら、
それは古い道徳ですので、無視して構いません。

このような有名人や偉人の作品は、
とにかく自分事として考えることが難しいです。

遠いところの遠い世界の、すごい人の出来事だ
という思いから抜け出せないことが、いつも課題としてあがります。
それを防ぐために、教科書に書かれていないことを考えたり、
批判的な思考を促したりする、という方法があります。

いずれも、発問によって促せます。
視点を変えたり、当たり前をひっくり返す発問で、
子どもの思考を活性化させていきましょう!

3 導入

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