見出し画像

6年「ウイルスとの戦い-父にエールを-」【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『6年「ウイルスとの戦い-父にエールを-」【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「働き方改革」が教育界でも叫ばれています。
教師の仕事はとても多く、
多忙です。

教師の本来の仕事はなんなのか、
忘れてしまうほどです。

しかし、そもそも「働く」ことは
どんな意味があるのでしょうか。

働く意義について、
考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「勤労、公共の精神」
5・6年の目標・・・・
働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともにその意義を理解し、公共のために役に立つことをすること。

6年生「ウイルスとの戦い-父にエールを-」(日本文教出版)

あらすじ
2020年3月5日の夜、山梨県で始めて新型コロナウイルスの感染者が確認された。
開業医をしている父は、母と遅くまで話し合った。
次の日から、父は、防護服を着て、フェイスシールドと特殊なマスクをつけて、駐車場で診察をした。

それを見た人は
山梨初の感染者は、このクリニックの患者ではないか、と噂や電話が入った。

「他の病院と同じように、お父さんもかぜの患者を診察しなければいいのに。」
と私が言うと、お父さんは
「誰かが診察しないといけない。誠実に向き合っていれば、間違った噂もなくなっていくさ」と言った。

あの日の夜「なにかあったら、子どもたちを頼む」という父の言葉は、
未知のウイルスと戦う決心をした言葉だったのだと思う。

2 内容項目と教材

「父」の姿を見て、
「私」は仕事に対する理解が深まったように見えます。
では、仕事とはどんなものであると理解したのでしょうか。

・父の「姿」から学んだのでしょうか。
父「話」から学んだのでしょうか。
もしくはその両方でしょうか。

・仕事をする意義は、
①社会的意義(集団のために働く喜び)
②人間的意義(自分が仕事によって成長できる喜び)
③経済的意義(自分や家族の生活を給与によって支える喜び)
④文化生産的意義(人の役に立つものを生み出す喜び)
の4つがあります。

・この4つの中で、父は仕事について
どれに対する喜びが一番大きいと思いますか?

・お父さんは「責任」について話しているので、
①社会的意義を大きく感じているでしょう。

・ということは、③経済的意義は不要なのでしょうか?
②人間的意義は考えていないのでしょうか?
これは、仕事や人に対する考えによって
大きく変わります。

・世の中には、好きではないが稼げる仕事をして、
③経済的意義を大きく感じている人もいます。
反対に、お金はあまり気にせず、
④文化生産的意義に重きを置いて、
伝統や文化を継承することに
人生の全てをかけている人もいます。

・①~④は、人によって考えは違いますが、
共通して言えることは、
『人と人が協力して仕事が成り立っている』
ということです。

・どんな仕事も、必ずその先には、
「人」がいます。
お父さんの仕事も、患者さんへ意識が向いていますよね。

・『勤労、公共の精神』の根本は、
「親切、思いやり」なのです。
この部分に、議論の末にたどりつくと、
仕事に対する考えがさらに深まることでしょう!

多様な価値が出ると、こう思います。
「きちんとまとめられるか不安・・・・。」
でも、大丈夫です。
この教材の柱の内容項目は「勤労」です。

『働くことの意義に気付く』という柱を持っておけば、
子どもの視点が広がっても、ぶれることはありません。
「なるほど。それって働くということとつながるね!」と
さりげなく本筋に話をもどせばいいのです。

お父さんは、なぜ、他の病院が行わなかった
かぜの患者の診察をしたのでしょうか。

・ほめられたいから?
・お金がほしいから?
・患者さんを困らせたくないから?

様々な目的が考えられるでしょう。
これらは、
①自分のため
②他者のため
の2つに分けられます。

①自分のため、もっというと
自分の利益のために働くのであれば、
よからぬ噂が立った時に、
診察をやめる決断もできたはずです。

であれば、②他者のために働くことが
父の目的であることになります。

ここで大切になるものが『想像力』です。

・コロナの疑いがある患者さんんの気持ち
・患者の家族の人々
・今までの生活に戻って笑顔で過ごす人々

それらを想像すると、人のために働くことが実感として出るので、
仕事にも熱が入ることは、当然だと言えます。

この「仕事に大切なことは想像力」ということは、
どの仕事にも言えます。
子どもの給食当番、一人一役、係活動、委員会活動など、
全てに共通して言えるのは、
「やったらおしまい」ではなく、
「自分の活動によって、助かったり楽になったり楽しくなったりする人がいる」
ということです。
この未来を想像する力が勤労には大切なのです。

授業では、未来のことを具体的に考えてみたいですね。
コロナウィルスが収束したら、お父さんはどんな気持ちになるだろう、と。

3 導入

ここから先は

2,010字

¥ 1,000

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?