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1年「あとかたづけ」【節度、節制】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『1年「あとかたづけ」【節度、節制】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

以前、同じ教科書で「ゆうたのへんしん」について解説をしました。
記事はこちら

今回の教材も同じく、
「節度、節制」です。

節度と節制の違いってなんでしょうか?
どちらが大切なのでしょうか?
そもそも、節度って何・・・?

今日は、これらのことについて、
再び考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

1年生「あとかたづけ」(日本文教出版)

A 主として自分自身に関すること
「節度、節制」
1・2年の目標・・・・
健康や安全に気を付け、物や金銭を大切にし。
身の回りを整えわがままをしないで、規則正しい生活をすること。

「あとかたづけ」あらすじ

絵だけで構成されている教材。
男の子と女の子が部屋で、たくさんのおもちゃで遊んでいる。
友達が来て、男の子は片付けずに部屋を出ます。
足におもちゃがぶつかっているようです。
他の場面では、おもちゃを2人で笑顔で片付けている様子の絵もあります。
また、机や靴箱の様子がわかる絵もあります。

2 内容項目と教材

・以前もお伝えしましたが、この内容項目は、
低、中、高どの学年で扱ってもタイムリーで、
どの発達段階でも有効なものです。
前回の「ゆうたのへんしん」も早い段階で扱われ、
今回の「あとかたづけ」も、すぐに出てきています。

・この『節度、節制』のように、
同じ内容項目で複数教材があるものを、
重点項目といいます。
重点項目は、「学校の実態によって決めること」と
文科省は言っていますが、実際は教科書が指定したものを
重点項目として扱うことが多いです。

・話を戻します。節度と節制、この2つは、似て非なる言葉です。
簡単に言うと、節度はルール、節制はルールを守ろうとする心です。
「節度ある行動」という表現は、
「世間一般の常識から外れない行動」ということです。
教材ごとに、節度(ルール)について考えるのか、
節制(ルールを守ろうとする心)について考えるのか、
重きはどちらにあるのかを見極める必要があります。

・「あとかたづけ」では、どちらに重きが置かれているでしょうか。
どちらかと言えば、「節制」に重きが置かれていると言えます。
部屋が散らかった状態は、気持ちがいいとは言えません。
それはわざわざ確認しなくても子どもの心の中では
正しい姿(ルール)として、すでにあるからです。

・ということは、きれいな部屋の状態に近づける心、
節制の心がこの教材では重きが置かれているということです。

・さらに、比較して考えることができるよう、
「う」と「え」のように、
片付けたときと片付けないときの2つのパターンが例示してあります。

・こういった比較で大切なことは、
片方が絶対に正しいから、その答えばかりを集めよう
と思わないことです。
具体的には「う」の場面が片付けをせず、
あぶないし、きれいな状態ではありません。
しかし、「う」の場面はよくないことばかりでしょうか。
○片付けない方が、次にすぐ遊べて楽じゃないか。
○目の前の楽しいことを一生懸命やっている方が、いいのではないか。
○片付けはいつでもできるから後回しにしてもいいのではないか。
といった発問をぶつけ、
「う」の場面のよさを1つでも見つけることで、
当たり前のことを聞く授業からは脱却できます。

・人間って、楽をしたい生き物ですから、
「う」の場面のよさを感じる子がいても当然ですし、
それも受け止めてあげたいですよね。


3 導入

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