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6年「命のアサガオ」【生命の尊さ】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『6年「命のアサガオ」【生命の尊さ】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

『生命の尊さ』は、今回の指導要領改定の目玉の1つで、
重点項目として扱われている教科書が多いです。
背景には道徳の教科化のもとになった
「いじめの問題」があります。

この『生命の尊さ』をとおして、
自分だけでなく、
身近な人や自然の命の尊さについて
深く考える経験をさせたいですね。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
5・6年の目標・・・・生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し、生命を尊重すること。

6年生「命のアサガオ」(日本文教出版)

あらすじ
丹後光祐くんは、元気な男の子です。ところが、6歳になるころ、白血病だとわかりました。
血液のがんといわれる白血病。光祐くんは薬の副作用で毛が抜けてツルツル頭になったり、薬を嫌がったりしました。
待ちに待った春。8ヶ月の入院生活後、晴れて小学校1年生になりました。
クラスのみんなでアサガオを植えました。
そして、アサガオが咲く頃の夏休み。光祐くんは再び入院することになりました。
担任の先生がお見舞いに来てアサガオを持ってきてくれました。

9月になると光祐くんは熱にうなされるようになります。
「お母さん。ぼく、もうすぐ死ぬのかなあ。」
その5日後、光祐くんは天国へと旅立ちました。
泣いてばかりいたお母さんが、アサガオが揺れているのに気付きました。
「光祐のアサガオだ。あの子は確かに、生きていたんだ。」
お母さんはアサガオを大切に育て、種を取りました。
そのアサガオは骨髄バンク運動でも配られ、今では百万粒を越え多くの人に育てられています。そのアサガオは、「命のアサガオ」と呼ばれています。

2 内容項目と教材

生命の尊さ

「生命の尊さ」はDの視点です。
Dの視点は、生命、感動、自然愛護など抽象的なものが多いです。
ですから、他の視点に比べて、言葉にしにくいことが多いです。

まとめの段階では無理に言葉にしようとせず、
子どもの考えた内容や余韻を大切にしてください。

「命は大事」という、すでに知っていることを
「だから大事なのか!」と理解を深めるイメージです。

教材の順番の意味

この教材の配列に注目しましょう。
「生命の尊さ」は、Dの視点で「難しい」と感じる先生が多い内容項目です。

しかし、6年生の教科書で2番目の教材として掲載されています。
この意味は、なんだと思いますか?

『命』について、6年生になった早い段階で真剣に考えることで、
「いじめ」を防止する学級の雰囲気を作ってほしいという願いが込められているのです。

命を扱った教材は、決して簡単な教材ではありません。

だからこそ、早い段階で扱うことで、
「命は尊いもの」「いじめは絶対にしてはいけない」
という意識を子どもたちに根付かせることが必要なのです。

アサガオ=命のつながり

「生命の尊さ」は、つながりを意識できるようにしましょう。

光祐くんの命は、たくさんの人とつながっています。
人とのつながりで考える教材が大半ですが、
この「命のアサガオ」では人物はほとんど登場しません。

しかし、アサガオが命をつないでいることに気付き、
「命はつながっている」ということを実感させましょう。

光祐くんの命はわずか7年で閉じましたが、
光祐くんが育てたアサガオは種をつくり、その種がまた次の命をつくっています。

そのアサガオが生き続ける限りは、光祐くんの生きた証・思いは受け継がれ、
広がっていくのです。

アサガオは光祐くんの命そのものなのです。

6年生になってまだ2回目の道徳ですから、
あまり複雑には展開せず、次のような流れでまとめましょう。

・アサガオは命のつながりを表している。
・どんな命もつながっている。
・だから、みんなの命は大切。

このぐらいのポイントに触れられれば充分です。

いいまとめをしようとするよりも、
子どもが発言して議論をする時間を大切にしましょう。

3 導入

T:教師 C:子ども

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