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4年「さか上がり」【よりよい学校生活】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『4年「さか上がり」【よりよい学校生活】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「いいクラス」とはよく言いますが、
「いいクラス」ってどんなクラスのことでしょうか?

ケンカのないクラス?
仲間外れのないクラス?
みんな一生懸命なクラス?

定義は曖昧ですが、
押さえるべきポイントはあります。

今日は教材解説を通して、
「いいクラス」について考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「よりよい学校生活、集団生活の充実」
3・4年の目標・・・・先生や学校の人々を敬愛し、みんなで協力し合って楽しい学級や学校をつくること。

4年生「さか上がり」(光文書院)

あらすじ

5月14日(月)
休み時間にさか上がりの練習をした。西川先生がアドバイスをしてくれて、さっきよりも体がさかさまになった気がした。

5月18日(金)
職員室に呼ばれて、西川先生がぼくの練習の様子をビデオに撮ったものを見せてくれた。
先生の机の上には鉄棒の本がたくさんあった。
「先生もこの土日でさか上がりのやり方を調べておくね。また来週がんばろうね。」と言ってくれた。なんだかますますやる気がでてきた。

5月23日(水)
今日の体育でさか上がりができた。
一緒に練習していた竹田くんもできた。
先生が大きな拍手をした。みんなが「やったね!」と言ってくれた。
鉄棒のまわりが、みんなの笑顔でいっぱいになった。
さあ、次は何に挑戦しようかな。

2 内容項目と教材

授業者が内容項目をしっかり押さえる

ぼく(鈴木くん)の視点で、日記形式で書かれているため、子どもは感情移入をしやすいでしょう。
ひょっとすると同じように、さか上がりが苦手で練習を続けている(続けたことのある)経験のある子がいるかもしれません。

内容項目は「よりよい学校生活」ですので、『集団』に目を向けて授業を進めていきましょう。

「ぼく」のあきらめない心に目がいってしまいますが、それはあくまでも2つ目の道徳的価値です。
ということは、
①よりよい学校生活、集団生活の充実
②希望と勇気、努力と強い意志
という2つの内容項目が入っている教材ということですね!

余談ですが、この教材の内容項目が「希望と勇気」だったら、それはそれで十分考えがいのある教材です。
教材は、教師の授業組み立て方によって、どんな料理にも仕上がるんです!


常に視点は「クラス全体」

最初は、「ぼく」と先生だけで進んでいますが、このときも「クラス全体」の視点を忘れないようにしましょう。

・「ぼく」はなぜ一人で練習していて、クラスの子に「教えて」と言わなかったのか。
・先生は、「ぼく」だけにこうやって教えているのだろうか。
・みんなはさか上がりが完璧にできるのだろうか。

こういった、教材に書かれていない視点を聞くことで、教材を見る視点が広がります。
4年生の道徳はまだ始まったばかりですので、こうして「発問で教科書を抜け出す」ことを意識していくと、毎時間子どもの道徳的思考が向上していきます。

このクラスは「いいクラス」?

このクラスは、いいクラスでしょうか? また、それはなぜですか?
まずは授業者が答えをもっておきましょう。


どうですか?
考えましたか?

本当に考えましたか?


1つじゃだめですよ。
3つは「いいクラス」の理由を言いましょう。

私は、このクラスは「いいクラス」だと思います。
なぜなら、
①友達が苦手なことをできるようになったら、素直に喜ぶ雰囲気ができあがっている。
②友達の頑張りを自分のエネルギーにして頑張ろうという切磋琢磨の関係になっている。
③担任の先生が、個人の苦手をよく把握し、適切な支援をしている。
④受容的な雰囲気がクラスにあるので、挑戦する意欲が湧く。

これらの理由からわたしは「いいクラス」だと思います。

でも、これだけじゃ面白くないですよね。
あえてナナメの視点から見て、屁理屈な発問をすることで、子どもの思考を活性化させたいです。

「いいクラス」な点だけを見つけても、
「それはわたしたちには無理だな〜」という思いをもってしまうだけだからです。

あえて教材にツッコミを入れることで、子どもの思考が止まらず常に動きます。

それは、先程も言った次の視点です。
・「ぼく」はなぜ一人で練習していて、クラスの子に「教えて」と言わなかったのか。
・先生は、「ぼく」だけにこうやって教えているのだろうか。
・みんなはさか上がりが完璧にできるのだろうか。

どうです?
へりくつでしょう。
これらは教材に書かれていないので、子どもたちは即答はできません。

仮に即答できても、その根拠は確実に「生活体験」になります。
その「生活体験」から出る意見が、道徳の議論の土台となります。

ここからなんですね!
道徳の議論が面白くなるのは!

そして、その「あーでもない、こーでもない」議論は
結局「いいクラスとは」という議論をしていることと同じなのです。

道徳は結論が出ることが大切なのではありません。
生活経験をもとに、本音で議論するその過程が大事なのです。


へりくつ発問をして、子どもの思考を活性化させましょう!

3 導入

T:教師 C:子ども

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