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5年「クール・ボランティア」【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「クール・ボランティア」【勤労、公共の精神】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「働き方改革」が教育界でも叫ばれています。
教師の仕事はとても多く、
多忙です。

教師の本来の仕事はなんなのか、
忘れてしまうほどです。

しかし、そもそも「働く」ことは
どんな意味があるのでしょうか。

働く意義について、
考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「勤労、公共の精神」
5・6年の目標・・・・
働くことや社会に奉仕することの充実感を味わうとともに
その意義を理解し、公共のために役に立つことをすること。

5年生「クール・ボランティア」(光村図書)

「クール・ボランティア」あらすじ

「自分たちでできるボランティア活動の計画を考えよう」
先生は、いったが、みんな、あまり乗り気ではなかった。

学校帰りに、信二は、2年前「青年海外協力隊」に
参加した西田さんに出会った。

西田さんは、ブータンで2年間水道に関する技術を指導してきて、
先週帰国したところだった。

信二は、そういうかっこいいボランティアならやってみたいと言った。
西田さんは、
「かっこいいボランティアか。クールボランティアとでも名付けるか」
と笑いながらいった。

信二は学校で発表した。
「外国の子どもたちにサッカーを教えてはどうか。
その次に、争いがあった国の子どもたちのために、テレビ局とかに協力してもらって、大々的な募金活動をしたらいいと思います」

何人かから、厳しい意見がでて、
信二の案の実現がむずかしいということになった。

学校帰りに、西田さんが、歩道橋の掃除のボランティアをしていた。
信二も手伝うことを促され、手伝った。
「これが、クールボランティアだよ」と西田さんはいった。

2 内容項目と教材

勤労とは、辞書で調べてみると
賃金をもらって、一定の時間内、ある仕事をすること。
また、勤めに骨を折ること。
とあります。

しかし、賃金の発生しない勤労もありますね。
ボランティアや、子どもの活動などです。
この内容項目では、辞書の意味を越えた捉え方が必要になります。

「西田さん」は、青年海外協力隊に参加したり、
ブータンで水道に関する技術を指導してきた人です。
ボランティア精神に溢れるその姿に、
信二は憧れます。

当然ながらボランティアは無償で、対価としてのお金は発生しません。

では、西田さんは「ボランティアで無償だから」と
どこか割り切ってボランティアをしていたのでしょうか。

ここには、「勤労、公共の精神」だけでは収まらない、
そして一口では語れない多様な価値が含まれています。
☆海外の国をより良くしたいという『国際理解、国際親善』
☆自分ができることをしようという『希望と勇気、努力と強い意志』

これらの道徳的な価値を、子どもはきっと気付いて発表するでしょう。
教師は、多面的・多角的な見方をした子どもを
受け止めてあげましょう。

多様な価値が出ると、こう思います。
「きちんとまとめられるか不安・・・・。」
でも、大丈夫です。
この教材の柱の内容項目は「勤労」です。

『働くことの意義に気付く』という柱を持っておけば、
子どもの視点が広がっても、ぶれることはありません。
「なるほど。それって働くということとつながるね!」と
さりげなく本筋に話をもどせばいいのです。

西田さんは、何を目的に活動しているのでしょうか。
・ほめられたいから?
・お金がほしいから?
・海外の人たちが元気になってほしいから?
・ボランティアが好きだから?

様々な目的が考えられるでしょう。
これらは、
①自分のため
②他者のため
の2つに分けられます。

①自分のため、もっというと
自分の利益のために働くのであれば、
ここまで一生懸命にはならないでしょう。
ボランティアですから。

であれば、②他者のために働くことが
「わたし」たちの目的であることになります。

ここで大切になるものが
『想像力』です。
よい町
今までの生活に戻って笑顔で過ごす人々
それらを想像すると、人のために働くことが実感として出るので、
仕事にも熱が入ることは、当然だと言えます。

この「仕事に大切なことは想像力」ということは、
どの仕事にも言えます。
子どもの給食当番、一人一役、係活動、委員会活動など、
全てに共通して言えるのは、
「やったらおしまい」ではなく、
「自分の活動によって、助かったり楽になったり楽しくなったりする人がいる」
ということです。
この未来を想像する力が勤労には大切なのです。

授業では、未来のことを具体的に考えてみたいですね。
海外の国が発展したら、西田さんはどんな気持ちになるだろう、と。


3 導入

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