3年「なおとからのしつもん」【公正、公平】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『3年「なおとからのしつもん」【公正、公平】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
公正と公平って、よく似た言葉ですよね。
ざっくりと同じ意味で捉えていて、違いなんて意識したことはない。
そんな人がほとんどでしょう。
公正、公平って平等ってこと。
つまりは差別をしてはいけないということ。
このあたりの理解で、日常生活は困りません。
しかし、これが道徳の授業をするという立場になったら、
もう少し深く理解しておかなければならないような気がします。
今日は、公正と公平の違いついて、考えてみましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「公正、公平、社会正義」
3・4年の目標・・・・誰に対しても分け隔てをせず、公正、公平な態度で接すること。
3年生「なおとからのしつもん」(光村図書)
あらすじ
「ぼく」はみんなに相談がある。
最近のなおとの態度のことだ。
①席がえのとき、仲のいいじゅんやが隣になったら「やった!」
あまり話したことのないひろしが隣になったら「ええっ、いやだな。」と言う。
②休み時間、いつも優しくしてくれるほなみが「仲間に入れて」と言ったら「いいよ。」
ドッジボールの時なおとにボールを当てたゆかこが「仲間に入れて」と言ったら「だめだよ。」と言う。
ぼくはなおとに「人によって態度を変えたらだめだよ。」と言ったら、なおとは言った。
「なんで人によって態度を変えたらだめなの?」
2 内容項目と教材
公正、公平、社会正義について、それぞれ意味を調べてみます。
公正・・・かたよりがなく正当なこと。はっきりいていて正しいこと。
公平・・・判断・行動に当たり、いずれにもかたよらず、えこひいきしないこと。
社会正義・・・人間が社会生活を営む上で、正しいとされる道理。
なんだか、どれもに似たような意味ですね。
簡単に言うと、公正+公平=社会正義 ということです。
では、なおとはどの心が足りないのでしょうか。
どれかと聞かれたら、「公平」の心が足りないように思います。
人によって態度を変えるということは、人によってよい言動をとって相手をいい気分にさせるということです。
つまり、「えこひいき」ということですね。
なおとの公平の心について考えていく必要があります。
教材の流れからすると、「ぼく」のせりふを考える活動が想定されますが、前回の「かるた遊び」と同じで、この言語活動を主活動にすべきではありません。
確かに、なおとへの回答を考えることは、道徳的な価値に迫ることに近づきます。
しかし、この活動は「なおとの考えは間違っている。みんなに同じ態度をしなければいけない。」という前提で話が進むからです。
それはあくまでも「ぼく」、そして一般的な1つの見方であって、一面的です。
この活動は、なおとの視点から考えることができにくいからです。
また、「ぼく」やなおと以外の立場からも考えてみたいですね。
それが、多面的・多角的な見方につながります。
では、なおとの立場で考えてみましょう。
なぜ、人によって態度を変えてはいけないのでしょうか。
人によって好き、嫌いがあるのだから、言葉や行動が変わるのは当たり前だし、
それを素直に表現しているなおとは、素直でいい子ではないか。
こう聞かれたら、どう答えますか?
「それでも、やっぱりだめなんです。」
「みんなそうしているからだめなんです。」
という答えは、子どもは納得しませんよね。
だって、どちらかと言えば実生活では「ぼく」派よりもなおと派の考えの子が多いからです。
休み時間に、クラス遊びでもないのにみんなで仲良く遊ぶ子はいますか?
ほとんどの子が、仲のいい子と一緒にいるのではないでしょうか。
それは、「ぼく」の考えよりは、なおとの考えに近いのではないでしょうか。
ポイントは、自分本意か他者意識かということです。
休み時間はある程度自由にしてもとがめられることはありません。
だから、仲のいい子と一緒にいることはなんの問題もありません。
それが、授業やみんなで過ごす時間だったら、話は別です。
例えば①席替えは、学校でみんなで過ごす時間です。
思ったことを素直に言うなおとは、子どもらしいですが、その発言によって傷つく子が発生します。
思ったことを言うこと自体は悪くないのですが、それによって傷つく子がいるのであれば、言うべきではありません。
人が多ければ多いほど、発言によって傷つける可能性が高くなるので、学校では「人によって言うことを変えない」というマナーができあがったのです。
また、②休み時間はどうでしょうか。
休み時間は上述したとおり、仲のいい子とだけ遊ぶことが許される時間です。
しかし、なおとはえこひいきをしています。
ここでもポイントは、「発言によって相手が傷つくかどうか」です。
ゆかこは、なおとの発言によって仲間に入れてもらえません。
遊びたいのに遊べなかったのです。
自分本意な発言によって相手が傷つくのであれば、それが素直な発言であろうと言うべきではありません。
また、同じ休み時間でも、仲のいい子と遊んでいるときに、次のような会話をしていたらどうでしょうか。
A はやりのゲームの話をしている。
B クラスの友達の悪口を言っている。
この場合も、やっぱりBは傷つく人がいる可能性があるので、言うべきではないですよね。
このBの場合もなおとと同じです。
周囲の人はどう思うか、という視点から考える。
「ぼく」の発言を考える。
なおとの気持ちになって考える。
いろいろな活動が考えられますが、ポイントは他者意識です。
これだけ忘れずに、授業に臨みましょう!
3 導入
T:教師 C:子ども
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