5年「和太鼓調べ」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『5年「和太鼓調べ」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
つい最近、同じ内容項目で解説をしました。
「美しい夢ーゆめぴりかー」です。
記事はこちらから。
前回の「まとめ」が
今回の「導入」になると、
積み重なった学習ができます。
道徳は決して単発の教科ではなく、
このように同じ内容項目で学習を重ねて
つなげるることで
深い学びができるのです!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
5年生「和太鼓調べ」(日本文教出版)
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
5・6年の目標・・・・
我が国の郷土の伝統と文化を大切にし、先人の努力を知り、国や郷土を愛する心をもつこと
「和太鼓調べ」あらすじ
佳代と由加は、地域のお祭りでよく太鼓を叩いています。
音楽の授業で、みんなの前で2人で叩いたことをきっかけに
総合的な学習の時間に、太鼓について調べることになりました。
他のグループはティンパニやドラムセットなどについて調べます。
2人はもちろん和太鼓について調べます。
しかし、他の楽器に比べて和太鼓は面白くないと感じている佳代。
後日、由加に連れられて、
和太鼓を作っている職人さんのところへ生きました。
和太鼓への思いを聞き、和太鼓のよさを改めて知った2人。
和太鼓調べや次のお祭りへの意欲が高まるのでした。
2 内容項目と教材
・淑徳大学の新宮弘識先生は、次のように述べています。
伝統や文化の教育の要点
①国や郷土の伝統と文化の全てについて学習することには限界があるから、
なんらかの伝統や文化を、子どもたちの生活意識に基づいて特定する必要があること。
②それが先人の努力によって今日まで継承されていたことを知ること。
③自分は国や郷土の伝統と文化の影響を受けて成長してきたことや、
明日からもその影響を受けて生活していくであろうし、
それを受け継いでいく必要があると理解すること。
・つまり、
具体的であり(①)
永続的であり(②)
将来性がある(③)
ことを理解するのが、
大切なのです。
・前回の「美しい夢ーゆめぴりかー」では、
①②について主に触れました。
「北海道のお米をつくろう」という
具体的で強い思いをもった先人の功績が、(①)
今も食卓に並び続けている(②)という流れでした。
・今回も、①②に重点を置いて授業を構成することもいいのですが
そこはせっかくの重点項目。
③の将来のことについて、目を向けた授業展開にすると、
より深い道徳の授業になりそうですね!
・例えば、
『佳代と由加は、調べ学習で和太鼓について調べて
みんなに伝えると和太鼓を作った人は、
喜ぶのだろうか?』
と聞いてみます。
和太鼓職人さんの思いは、
佳代と由加は聞かなければ分かりませんでした。
・その思いを知らなければ、
和太鼓調べもそれなりの内容になっていたことでしょう。
しかし、苦労や工夫を知った2人の調べ学習の内容は、
きっと熱のこもったものになるはずです。
・では、それは和太鼓の将来にどんな意味をもつのでしょうか?
自分達は和太鼓が好きで、
だれにも認められなくても
黙々と練習したり、調べ学習を進めたりすれば、
それでいいのではないでしょうか。
・なぜ、「みんなに伝えることがわくわく」するのでしょう。
なぜ、次のお祭りへの意欲が高まったのでしょう。
・それは、上述の③が強く影響しています。
職人さんの思いのこもった和太鼓を、
その思いを知った自分達がたたくことで、
和太鼓の魅力が聞いている人に伝わります。
・職人さんの思いを知って、
みんなに伝えたり、思いを込めて演奏することは、
これまで和太鼓を作ってきた人や歴史への
尊敬の念の表れだからです。
・(どれぐらいかは不明ですが)
和太鼓の長い歴史で作られてきたもの。
それを今、現代で自分が叩くことで、
「歴史をつないでいる」ことになるのです。
・だから、和太鼓のことについて伝えたり、
演奏するときには、
過去と未来をつなぐ「今」を強く意識できるから、
自然と熱がこもってくるのです。
・伝統について考えるときに押えておきたいポイントは
あと2つあります。
・①他の伝統や文化と比較して考えない。
ここではティンパニやドラムセットが出てきています。
それらと比較して、和太鼓のよさを考えることは、
ティンパニやドラムセットの歴史をないがしろにすることに
つながるからです。
・また、②教材の世界に終始しないことです。
和太鼓をとおして、伝統・文化について考えますが、
それがあくまで教材の話。
自分の地域では、
和太鼓のような受け継がれてきたもの、
もしくは行事、人、場所などについて
思いをめぐらせられるようにします。
・なにもこれは、歴史的に価値のあるものや
日本らしい伝統文化でなくても構いません。
学校の近くには、そういったものが
一切ないという方がほとんどでしょう。
・伝統と言っても、
数十年、数百年続いているものでなくても構いません。
数年続いているものでも、
作った人や関わる人の思いを感じることはできるのです。
・地域清掃、子ども会、スポーツクラブ、○○クラブ、
部活動や塾でもいいですね。
先人の努力や苦労の上に今があり、
今、自分がそれに関わることは未来につながる。
・このように、「未来に目を向ける」ような
流れになると、授業がレベルアップしそうですね!
3 導入
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