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5年「ペルーは泣いている」【国際理解】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『5年「ペルーは泣いている」
【国際理解】の授業はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

国際理解!
今年はこの項目がとても盛り上がると思っていました。
・・・・が、東京オリンピックは延期が決定。

今年はオリンピックの開催はありませんが、
オリンピックについて考える機会は変わらないでしょう。

国際理解のために、大切な心はなんでしょうか。
国が違っても同じことはあるのでしょうか。

今日は、国際理解について考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「国際理解、国際親善」
5・6年の目標・・・・
他国の人々や文化について理解し、日本人としての自覚をもって
国際親善に努めること。


5年生「ペルーは泣いている」(日本文教出版)

「ペルーは泣いている」あらすじ

加藤明さんは、ペルー女子バレーボールチームの監督になりました。
国が違えば、文化が違います。
厳しい練習をする監督に対して選手の家族が文句を言ってきたり、
やめていく選手がいたり、新聞にひどいことを書かれたりしました。

加藤さんは、「家族のように接する」と決め、
ペルーの料理を一緒に食べたり、日本やペルーの歌を歌ったりしました。

1967年、東京で世界選手権が開かれました。
ペルーは残念ながら4位でしたが、表彰式が終わると、
ペルーの選手達は「上を向いて歩こう」を
歌いました。

その姿に感動した日本チームの選手は、金メダルを外して
ペルーの選手の首にかけました。

1982年、加藤さんは亡くなりました。
ペルーの新聞は、「ペルーは泣いている」と報じ、
数千人のペルーの人たちに見送られました。

2 内容項目と教材

・国際理解、国際親善の結論は2つです。
①国同士の関係は、人同士の関係と同じ
②国が違っても、幸せになりたい気持ちは同じ
この2つを押さえておけば、
まず授業の芯がぶれることはありません。

・今回は特に、①にスポットが当たった教材です。
国が違っても、目標に向かって努力する姿は美しい。

・さらに、国を代表して戦うのだから、
勝っても負けても、堂々とした姿でいて、
最後まで国の代表として務めを果たす。
自分の国だけでなく、互いに国を誇りに思う心に気付ければ、
この授業はゴールです。


・加藤さんは、バレーを通してペルーの文化や、
ペルーの人たちの心を理解しようとしました。
うまくいかず試行錯誤する姿は、
Aの視点「希望と勇気、努力と強い意志」で
考えたくなるでしょう。

・それもOKです。多面的・多角的な見方をする
よい教材ということです。

・この教材の核となる部分は、後半です。
そこに焦点を絞って考えてみます。

・なぜ、日本選手は、ペルー選手の首にメダルをかけたのでしょうか。
☆負けてかわいそうだったから?
☆日本の歌が上手だったから?
☆せめてメダルをかけた気分を味わわせたかったから?
どれもなんだか違う気がします。

・ペルーの選手は、はるばる東京まで来て、
ベストを尽くした結果、4位でした。
悔しい気持ちを前面に出して、泣くこともできたのに、
舞台である日本で、監督の祖国である日本の歌を、
悔しい気持ちを押さえながら歌う姿は、
日本の選手は「日本を大切に思ってくれている」
と思うことでしょう。

・歌は国境を越える、と言います。
ましてや日本語で歌うと、
その思いは歌に乗せてより一層届いたことでしょう。

・ペルーの選手が歌った「上を向いて歩こう」は、
加藤さんが苦労して作ったペルーと日本の架け橋が
見事にかかった証だったのです。


・その後、ペルーチームは強くなります。
結果が出たことはもちろんプラスですが、
それだけでなく
加藤さんがペルーの文化を尊重し、
理解し続けようとしたその姿に、
ペルーの人たちは心を動かされたのです。

・「幸せに暮らしたい」
「自己実現をしたい」
「自分の国の素晴らしいところを世界の人に知ってほしい」
そんな思いは、世界共通なのです。
ペルーの人にとっては加藤さんは外国の人ですが、
そんな外国の人が祖国のために努力する姿に、
ペルーの人は心を打たれたのです。

・また、そんな思いが「上を向いて歩こう」の曲に乗ったから、
日本選手は、ペルーの人のことを思って、
今できることをとっさにやったのでしょう。


・多くの道徳的価値が出てきますが、
国際理解の本質である、
①国同士の関係は、人同士の関係と同じ
②国が違っても、幸せになりたい気持ちは同じ
この2点をぶらさなければ、大丈夫です!

3 導入

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