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中学3年「闇の中の炎」【遵法精神、公徳心】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『中学3年「闇の中の炎」【遵法精神、公徳心】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

今日の話題は「遵法精神」です。

今まで好きに行動していた子どもたち。
でも、中学生ともなると、大人の仲間入り。

自分の行動を「法律」の観点から考える必要もあります。
では、法律とどのように付き合っていけばいいのでしょうか?

法律やきまりで決められているから…
と何も考えずに従っておけばいいのでしょうか?

そう言われると、違う気がしますよね。

法律やきまりについて、いっしょに考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「遵法精神、公徳心」
目標・・・・法やきまりの意義を理解し、それらを進んで守るとともに、そのよりよい在り方について考え、自他の権利を大切にし、義務を果たして、規律ある安定した社会の実現に努めること。

中学3年「闇の中の炎」(光村図書)

===

あらすじ

明日のコンクールの下絵提出の締切だが、理沙は全然書けていない。
ふと手に取った画集で、炎を囲んで座る人々の版画が目に入った。

理沙は、その絵に惹きつけられ、一心不乱に描いた。
先生に褒められたが、複雑な心境の理沙。

美術部にも行かず、早く帰ってしまった。

理沙はその夜、お父さんに「友達が別の作品からヒントをもらったって言うんだけど…」と、自分のこととは言わず相談をした。

「なんだかその友達は言い訳を探しているように見えるな。
 作品はずっと残るんだよ。」

理沙はその言葉を聞いて、スケッチブックを取り出し、夢中で鉛筆を走らせていた。

2 内容項目と教材

解決策はいらない

こういった教材は、子どもにとって身近な話題なので、
考えやすい引っ掛かりがたくさんあります。
そのため、議論が盛り上がりやすいです。

ただし、1つだけ注意をしましょう。

「◯◯すればいい」と、方策を模索をしてはいけません。

道徳は、行為ではなく行為を生む心を考える教科です。
行為に注目して、方策を考えることは、
道徳的価値に迫る話し合いになりにくいからです。

例えば「法律を守らない人にはどうすればいいと思う?」と聞くと、

・罰金を払わせる
・逮捕する。
・厳しく取り締まる。
などの意見が出てくるでしょう。

これは、発問が悪いですね。
「どうしたらいいか。」と聞くと、
方策を答えるしかないからです。

でも、市長にでもなったつもりで罰則を考えることは、
道徳の授業ではほとんど意味がありません。

現実的ではないし、話が飛躍しやすいからです。
あくまでも子どもたちは、イチ市民です。
ほとんどの人が、法律を「守る」立場であり、
「取り締まる」立場になることはほとんどありません。

そうであるなら「法やきまりを守るために大切な心」
さらに発展して『公共のものを利用するために大切な心』をみんなで考えるほうが、
よりよい生活につながっていくことでしょう。

ポイントは想像力

「遵法精神」で大切なポイントはズバリ、想像力です。

・自分がこの行動をしたら、その後どうなるのか。
・みんなが同じ行動をしたら、どうなるのか。
と、まだ起こっていない未来を想像することが大切です。

理沙は、版画を見てインスピレーションを受け、下絵が完成しました。
でもどこか、気持ちの片隅にモヤモヤが残っています。

これは、短絡的に「(この絵は)いい」と思って
つい真似した絵を描いてしまったからです。

・人の作品を真似すると、完全なオリジナルではなくなること
・著作権を侵害する可能性があること
・自分の絵が評価されて多くの目に触れるかもしれないこと

これらのことを、理沙は想像していなかったのです。

理沙は、先生や友達、お父さんの声を聞いて、
モヤモヤを抱え続けます。

この時の理沙の頭の中を考えてみるのも面白いですね。
・「まあいいか」という考えはないのか。
・みんな同じようなことをしている、という気持ちはないのか。
・参考にしただけだから問題ないのではないか。

これらは全て、自分の世界の中で想像しています。
想像をして、よくない未来の方が大きくなってきたので、
自分の思いを「聞いてもらわないと気が済まない」状態になったのです。


この「想像力」は、全ての規則(ルール、きまり)に言えることです。

例えば、『ろうかは走らない』というきまりがあったとします。
このきまりを守るために、どんなことを想像すればいいのでしょうか。


・次の角から、人が飛び出してくるかもしれない。
・走ったら転ぶかもしれない。
・教室から勢いよく出てきた人と避けきれずにぶつかってしまうかもしれない。
こういったことを想像して、きまりを守ろうという意識になるのです。

「遵法精神」は想像力
このことにまとめが収束していくといいですね。

3 導入

T:教師 C:子ども

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