6年「ぼくのお茶体験」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『6年「ぼくのお茶体験」【伝統と文化の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
この内容項目は、なんとなくイメージがつきやすいですね。
以前の愛国心や郷土愛といった項目です。
国を愛する心、地域を愛する心、
先人がつくってきた伝統や文化を重んじる。
こう聞くと、簡単なようですが、
実際の授業では「自分事」として
どのように捉えさせるかが
大きな壁となります。
「遠くの地域の遠くの人は、
そんな思いをしているんだな。」と
浅い学びになってしまいがちなところが、
この「伝統と文化~」の内容項目の
大きな注意点です。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
C 主として集団や社会との関わりに関すること
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」
5・6年の目標・・・・我が国や郷土の伝統と文化を大切にし、先人の努力を知り、国や郷土を愛する心をもつこと。
6年生「ぼくのお茶体験」(日本文教出版)
あらすじ
お茶体験でたくさんの作法を習った「ぼく」
足はしびれるし、礼をたくさんするし、飲むだけなのに茶碗を回したりしている。
体験の後、作法について教えてもらった。
・正座は、自分が使う空間をできるだけ小さくしようという慎みの意志を表すこと。
・茶碗を回すのは、差し出した人が美しい正面を差し出すので、汚さないように回して飲む心遣いであること。
・知らない人でも、はっきりした形の作法があれば、お互いに気まずい思いをすることも少ないこと。
高木先生の言葉にぼくは大きくうなずいていた。
2 内容項目と教材
淑徳大学の新宮弘識先生は、次のように述べています。
伝統や文化の教育の要点
①国や郷土の伝統と文化の全てについて学習することには限界があるから、なんらかの伝統や文化を、子どもたちの生活意識に基づいて特定する必要があること。
②それが先人の努力によって今日まで継承されていたことを知ること。
③自分は国や郷土の伝統と文化の影響を受けて成長してきたことや、明日からもその影響を受けて生活していくであろうし、それを受け継いでいく必要があると理解すること。
つまり、
具体的であり(①)
永続的であり(②)
将来性がある(③)
ことを理解することが、大切なのです。
今回の内容項目である「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」は重点項目です。
次回の教材「天下の名城をよみがえらせるー姫路城ー」では、関わっている人たちについて考えます。詳しくはこちらの記事をどうぞ。
「天下の名城をよみがえらせるー姫路城ー」では①②に重点を置いて授業をしますので、
今回は③の将来のことについて、目を向けた授業展開にして、
より深い道徳の授業を目指しましょう!
例えば、
『「ぼく」は、お茶体験で作法を習って、喜ぶ人はいるのだろうか。』
と聞いてみます。
作法に込められた思いや意味は、「ぼく」は聞かなければ分かりませんでした。
「ぼく」は作法に込められた思いや意味を知らなければ、
お茶体験は「ただお茶を飲んだだけ」という薄い内容になっていたことでしょう。
しかし、思いや意味を知った「ぼく」のお茶体験の内容は、
きっと有意義なものになったはずです。
では、それはお茶(茶道)の将来にどんな意味をもつのでしょうか?
お茶が好きな人はお茶が好きで、
好きな人が黙々と練習したり、突き詰めたりすれば、
それでいいのではないでしょうか。
なぜ、「ぼく」はお茶の作法の意味を知って納得したのでしょう。
なぜ、次の真剣にお茶のことについて考えているのでしょう。
それは、上述の③が強く影響しています。
お茶を受け継いできた人たちの思いのこもった作法を、
その思いを知った自分達が体験することで、
身をもって礼儀を実感できます。
作法に込められた思いを知って、
1つ1つの動作を丁寧にしたり、考えたりすることは、
これまで茶道を受け継いできた人や歴史への
尊敬の念の表れだからです。
(どれぐらいかは不明ですが)
お茶・茶道の長い歴史で作られてきたもの。
それを今、現代で自分が体験することで、
「歴史をつないでいる」ことになるのです。
だから、お茶体験をしたり、考えたりするときには、
過去と未来をつなぐ「今」を強く意識できるから、
自然と熱がこもってくるのです。
伝統について考えるときに押えておきたいポイントは
あと2つあります。
①他の伝統や文化と比較して考えない。
お茶の作法を「めんどくさい」と一蹴し、
簡単に飲めるお茶と比較することは、
お茶の歴史をないがしろにすることに
つながるからです。
②教材の世界に終始しない。
お茶をとおして、伝統・文化について考えますが、
それがあくまで教材の話。
自分の地域では、
お茶のような受け継がれてきたもの、
もしくは行事、人、場所などについて
思いをめぐらせられるようにします。
なにもこれは、歴史的に価値のあるものや
日本らしい伝統文化でなくても構いません。
学校の近くには、そういったものが
一切ないという方がほとんどでしょう。
伝統と言っても、
数十年、数百年続いているものでなくても構いません。
数年続いているものでも、
作った人や関わる人の思いを感じることはできるのです。
地域清掃、子ども会、スポーツクラブ、○○クラブ、
部活動や塾でもいいですね。
先人の努力や苦労の上に今があり、
今、自分がそれに関わることは未来につながる。
このように、「未来に目を向ける」ような
流れになると、授業がレベルアップしそうですね!
3 導入
T:教師 C:子ども
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