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公立病院改革3-47【次の病院 本命】〈2006年〉東北170床 公立F病院

次の団体の本部は、青森県、新幹線の八戸駅から在来線に乗り継いでいく場所にあった。

その本部に着くのは夕方近くの予定だったが、その後の旅程が明白でなかったため、実は宿泊先を決めていなかった。

そのために、その後、一人で勝手に大変な状況に陥ることになる。

それはともかく、ずいぶんと遠くまで来たものだ、と感慨深いものがあった。
元々遠くに行きたい気質で、在来線各駅停車の駅に行くというだけで、どこかウキウキしたものもあった。

その前後の数日間は、東北地方全体に結構な積雪があり、目的地も雪の中。
その本部エントランスが雪に覆われている情景は、20年近くを経た今も鮮やかに思い出される。

本部に到着すると、理事長のほか、院長、事務局長、ほかスタッフなど数人がお待ちになっていた。
さすがに、関東を含め数拠点を有する団体だけあり、そもそも登場するキャストの数が多い。

また、提出されていた応募書類の厚み自体が、まったく違ったのに驚いた。
同じものを作っても、その書類の暑さでもう勝負がついてしまう感じすらした。

こちらでも、決めてきたヒアリング項目について、淡々とご質問して、お話をお聞きする。

実は出発前から、本命はこちらの団体、という雰囲気になっていた。
広域展開する経営力があるし、財務規模、財務内容がともに優れているから、普通に審査すればこちらになるのだ。

しかし、先ほどの病院のような、熱い想いのようなものはあまり伝わってこない。
いや、熱く語っていたのかもしれないが、守勢の一番手より攻める二番手を好む僕の体質が、どうも小さいほうの病院を「推して」しまう。

それでも、淡々とヒアリングを終え、本部周辺の写真を撮影して、この団体を後にした。

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