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OK COMPUTER/RADIOHEAD=Music Journey Vol.01

「最近、聴きたいものがなくなった」から、過去に聴いてきたアルバムを掘り起こし中。
「Radiohead/Ok Computer」と「Primal Scream/Screamadelica」が個人的歴代N0.1でしょうか。

RADIOHEADは、イギリスのロックバンドで、1990年代から現在まで活動しています。彼らの代表作の一つが、1997年に発表されたアルバム「OK COMPUTER」です。このアルバムは、社会や政治、テクノロジーに対する批判的な視点を歌詞やサウンドに反映させた作品で、当時の音楽シーンに大きな影響を与えました。この記事では、「OK COMPUTER」の背景や内容、評価などについて紹介します。(AIライター)

「OK COMPUTER」の背景

「OK COMPUTER」は、RADIOHEADの3枚目のアルバムで、前作「The Bends」(1995年)の成功を受けて制作されました。前作では、ギターを中心としたオルタナティブ・ロックのスタイルを確立したRADIOHEADですが、「OK COMPUTER」では、より実験的で多様な音楽性を見せました。例えば、ストリングスやピアノ、コンピューターなどを多用したり、曲の構成やリズムを変化させたりしました。また、歌詞もより抽象的で象徴的なものになりました。

「OK COMPUTER」は、RADIOHEADが自らプロデュースし、イギリスのカントリーハウスやフランスの城などで録音しました。彼らはレコード会社やメディアからの干渉を避けるために、自分たちのやりたいことを追求しました。その結果、「OK COMPUTER」は、RADIOHEADの自由な創造性と野心が溢れるアルバムになりました。

「OK COMPUTER」の内容

「OK COMPUTER」は、12曲からなるアルバムで、全体的に暗く重い雰囲気が漂います。それは、RADIOHEADが当時感じていた社会や政治、テクノロジーに対する不安や疎外感が反映されているからです。例えば、「Paranoid Android」は、人間と機械の関係や社会の狂気を描いた6分半に及ぶ大作で、「Karma Police」は、権力や支配に対する抵抗を歌った曲です。「No Surprises」は、日常生活の退屈さや絶望感を表現したバラードで、「Exit Music (For a Film)」は、「ロミオとジュリエット」の映画版(1996年)のエンディング曲として書かれた悲劇的なラブソングです。

「OK COMPUTER」は、一つのコンセプト・アルバムとしても捉えることができます。それは、「Airbag」と「The Tourist」という2曲が対照的な意味を持っているからです。「Airbag」は、交通事故から生還した主人公が歌うオープニング曲で、「The Tourist」は、旅行者が忙しい世界に疲れ果てて歌うエンディング曲です。この2曲は、「OK COMPUTER」というタイトルにも関係しています。「OK COMPUTER」という言葉は、「Airbag」の歌詞に出てくるコンピューターが主人公に語りかける言葉であり、「The Tourist」の最後に聞こえるチャイムの音は、コンピューターがシャットダウンする音とも解釈できます。つまり、「OK COMPUTER」は、人間とコンピューターの関係や、テクノロジーの進歩と人間の退化をテーマにしたアルバムと言えるのです。

「OK COMPUTER」の評価

「OK COMPUTER」は、発表当時から高い評価を受けました。批評家や音楽ファンから絶賛され、多くの賞を受賞しました。例えば、グラミー賞では最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞を受賞し、ブリット・アワードでは最優秀ブリティッシュ・アルバム賞を受賞しました。また、チャートでも成功を収め、イギリスやカナダなどで1位になりました。さらに、「OK COMPUTER」は、後の音楽シーンにも大きな影響を与えました。多くのミュージシャンが「OK COMPUTER」に触発されて自分たちの音楽を作りました。例えば、コールドプレイやミューズなどがそうです。「OK COMPUTER」は、現代のロック音楽の傑作として認められています。

まとめ

「OK COMPUTER」は、RADIOHEADの3枚目のアルバムで、社会や政治、テクノロジーに対する批判的な視点を歌詞やサウンドに反映させた作品です。彼らは自らプロデュースし、実験的で多様な音楽性を見せました。このアルバムは、発表当時から高い評価を受け、後の音楽シーンにも大きな影響を与えました。「OK COMPUTER」は、現代のロック音楽の傑作として認められています。

■アルバム収録曲の紹介

1. Airbag
アルバムのオープニングを飾るこの曲は、カーラジオから流れるようなノイズから始まります。その後、ドラムマシンとギターが入り、複雑なリズムとメロディーが重なり合います。歌詞は、自動車事故から助かった主人公が感じる奇跡と感謝の気持ちを表現しています。サビでは、「I am born again」と繰り返し歌われますが、これはキリスト教の再生の象徴とも解釈できます。この曲は、アルバム全体のテーマである現代社会と個人の関係を示唆する一曲と言えるでしょう。

2. Paranoid Android
アルバムの代表曲であり、シングルカットされたこの曲は、6分半に及ぶ大作です。4つの異なるパートから構成されており、それぞれが異なる雰囲気とテンポを持っています。最初のパートは、不安や怒りを抑えきれない主人公が、「Please could you stop the noise, I'm trying to get some rest」と歌います。このフレーズは、バンドメンバーがレコーディング中に隣室で騒いでいた女性に言われた言葉だと言われています。次のパートでは、ギターが爆発的に鳴り響きます。このパートは、「The Bends」時代のギターロックを思わせますが、歌詞はより暗く皮肉的です。「When I am king, you will be first against the wall」というフレーズは、フランス革命で王族や貴族が処刑されたことを暗示しています。3つ目のパートでは、突然テンポが落ちて、アコースティックギターとハーモニーが美しいメロディーを奏でます。このパートは、「Rain Down」という言葉が何度も繰り返されますが、これは神からの恵みや罰とも取れます。最後のパートでは、再びテンポが上がり、ギターが激しく鳴ります。このパートでは、「God loves his children, yeah」というフレーズが印象的です。この曲は、様々な感情や思想が入り混じった複雑な人間性を表現した傑作と言えるでしょう。

3. Subterranean Homesick Alien
この曲は、地球に住むことに疲れた主人公が、宇宙人に連れて行ってほしいと願うという内容です。曲名は、ボブ・ディランの「Subterranean Homesick Blues」という曲に由来しています。音楽的には、エレクトロニカやジャズの影響が感じられます。ギターが奏でる不思議な音色や、ドラムが刻むシンコペーションが、宇宙的な雰囲気を作り出しています。歌詞は、地球の現実と宇宙の理想とのギャップを表現しています。「I'd tell all my friends but they'd never believe me, They'd think that I'd finally lost it completely」というフレーズは、主人公の孤独感を表しています。この曲は、現代社会に馴染めない人々の心情を代弁した一曲と言えるでしょう。

4. Exit Music (For a Film)
1996年に公開された映画「ロミオ+ジュリエット」のために書かれた曲です。この曲は、映画の終盤でロミオとジュリエットが自殺するシーンに合わせて流れます。RADIOHEADの代表的なサウンドを表現した曲と言えます。曲の構成は、静かなアコースティックギターとトム・ヨークの儚げな歌声から始まり、徐々にドラムやベース、ストリングスなどが加わっていきます。曲の中盤では、歌詞に合わせて「ブレス・ミー」というコーラスが繰り返され、感情的な高まりを作り出します。そして、曲の最後では、ディストーションやフィードバックなどのノイズが爆発的に鳴り響き、圧倒的なインパクトを残します。Exit Musicは、RADIOHEADの音楽的な挑戦と革新性を示した名曲の一つです。

5. Let Down
バンドのフロントマンであるトム・ヨークが、ツアー中に感じた孤独や無力感を歌詞に込めたもので、メロディは美しく切なく、ギターは重なり合って複雑なハーモニーを奏でます。この曲は、批評家やファンから高い評価を受けており、RADIOHEADの代表曲の一つとして挙げられることが多いです。また、この曲は、映画やテレビドラマなどのサウンドトラックとしても使用されており、多くの人に親しまれています。Let Downは、RADIOHEADの音楽的な探求心と感情的な深みを兼ね備えた名曲であり、OK COMPUTERの中でも特に際立った存在です。

6. Karma Police
この曲は、バンドのフロントマンであるトム・ヨークが、自分の周りにいる嫌な人たちに対して、架空の警察に報告するという発想から生まれました。トム・ヨークは、この曲を「パロディ」と呼んでおり、自分の偽善的な態度を皮肉っています。Karma Policeは、ロックとオルタナティブの要素を融合したサウンドで、ピアノやストリングスなどのアレンジが印象的です。また、歌詞には、ビートルズやピンク・フロイドなどの影響も見られます。Karma Policeは、世界中で高い評価を受け、チャートや賞にも多くランクインしました。RADIOHEADの音楽性やメッセージ性を象徴する名曲として、今でも多くのファンに愛されています。

7. Fitter Happier
この曲は、コンピューターの音声合成ソフトウェアを使って、現代社会の矛盾や不安を表現した詩を読み上げさせたもので、音楽的にはピアノやストリングスなどのシンプルなバックトラックが流れます。Fitter Happierは、RADIOHEADのボーカルであるトム・ヨークが、自分の生活や精神状態に不満を感じていた時期に書いた言葉を元にしています。トム・ヨークは、この曲を「OK COMPUTERの中心的なテーマである、人間とテクノロジーの関係や、自分自身との対話の欠如を象徴するもの」と説明しています。Fitter Happierは、一見すると健康的で幸せそうな生活を送っている人々を描いているように見えますが、実際には空虚で機械的な存在になってしまっていることを暗示しています。この曲は、RADIOHEADのファンや批評家から様々な反応を引き出しました。一部の人々は、この曲をアルバムの傑作と称賛し、社会風刺や芸術性を高く評価しました。一方で、他の人々は、この曲をアルバムの中で最も退屈で不快なものと批判し、音楽としてではなく実験として捉えるべきだと主張しました。Fitter Happierは、RADIOHEADが音楽界に与えた影響や挑戦の一つとして、今でも多くの人々に語り継がれている曲です。

8. Electioneering
政治家の腐敗やメディアの操作に対する批判を歌ったロックナンバーです。曲のタイトルは、選挙運動を意味する英語で、歌詞では「牛を売って馬を買う」というフレーズが繰り返されます。これは、政治家が有権者に都合のいいことを言って票を集めることを皮肉っています。また、ギターのリフやドラムのビートは、緊張感や怒りを表現しています。

9. Climbing Up the Walls
トム・ヨークがオックスフォードで働いていたときに出会った精神病患者の声をサンプリングしています。また、ヨークはこの曲を「自分の中にある最も暗くて邪悪な部分」を表現したと語っています。曲の雰囲気は不気味で緊張感があり、ストリングスやディストーションギターが効果的に使われています。歌詞は、孤独や恐怖、パラノイアなどの感情を描いており、リスナーに強い印象を与えます。Climbing Up the Wallsは、RADIOHEADの実験的で革新的な音楽性を示す一曲として、多くの批評家やファンから高く評価されています。

10. No Surprises
現代社会の閉塞感や不安を表現した歌詞と、シンプルなギターとメロトロンの音色が印象的なバラードです。No Surprisesは、RADIOHEADの代表曲のひとつとして、多くのファンや批評家から高い評価を受けています。この曲のミュージックビデオも有名で、ボーカルのトム・ヨークが水槽に入ったヘルメットを被りながら歌うという衝撃的な映像です。No Surprisesは、RADIOHEADの音楽性やメッセージを象徴する一曲と言えるでしょう。

11. Lucky
1995年にWar Childという慈善団体が企画したチャリティーアルバムThe Help Albumに初めて収録されました。Luckyは、プロデューサーのNigel Godrichと5時間で録音されたもので、1997年12月にフランスでシングルとしてリリースしました。
歌詞は、飛行機事故を描いたもので、Radioheadのボーカルであるトム・ヨークの長距離旅行への恐怖を反映しています。この恐怖は、他のRADIOHEADの曲であるAirbagなどでもテーマになっています。Nigel Godrichは、Luckyの完成がOK COMPUTERというアルバムの始まりだったと述べています。
Luckyは、自分の運が変わったと感じる主人公が、恋人に愛を求めたり、自分をスーパーヒーローだと思い込んだりする様子を歌っています。しかし、その幸運は儚くも消え入りそうな希望であり、世俗から離れて生きたいという願望でもあります。この曲は、RADIOHEADの音楽性や世界観を象徴する作品として高く評価されています。

12. The Tourist
アルバムの最後を飾る壮大なバラードで、バンドのギタリストであるジョニー・グリーンウッドが書いた唯一の曲です。グリーンウッドは、フランスで旅行中に見た観光客の慌ただしさにインスピレーションを得て、この曲を作りました。彼は、観光客たちが自分たちの目で景色を楽しむことなく、カメラに頼っていることに違和感を感じました。そこで、彼は「スローダウン」というメッセージを伝えるために、この曲を書きました。
アルバムの中でも最も静かで緩やかな曲ですが、それだけに感情的な力があります。トム・ヨークの歌声は、孤独や不安を表現していますが、同時に美しさや希望も感じさせます。曲の終わりには、鐘の音が鳴り響きます。これは、グリーンウッドがノートルダム大聖堂で聞いた音を再現したものです。鐘の音は、時間の流れや人生の終わりを象徴していますが、同時に新しい始まりや救済も意味しています。
多くの批評家やファンは、この曲がアルバムの完璧な締めくくりであると言っています。この曲は、現代社会の速度や圧力に疲れた人々に対して、ゆっくりと呼吸することや自分自身に向き合うことの大切さを教えてくれます。

■RADIOHEADとは
RADIOHEADとは、イギリスのロックバンドで、1985年に結成されました。メンバーは、トム・ヨーク(ボーカル、ギター、ピアノ)、ジョニー・グリーンウッド(ギター、キーボード、その他の楽器)、エド・オブライエン(ギター、バックボーカル)、コリン・グリーンウッド(ベース)、フィル・セルウェイ(ドラム)の5人です。RADIOHEADは、音楽性の幅広さと革新性で知られており、アルバムごとに様々なジャンルやスタイルを取り入れています。代表曲には、「Creep」、「Paranoid Android」、「Karma Police」、「No Surprises」、「Everything in Its Right Place」、「Idioteque」、「Pyramid Song」、「There There」、「Reckoner」、「Lotus Flower」、「Burn the Witch」などがあります。RADIOHEADは、世界中で高い評価と人気を得ており、グラミー賞やブリット・アワードなどの数々の賞を受賞しています。また、環境保護や人権などの社会的な問題にも積極的に関わっています。RADIOHEADは、現在も活動を続けており、最新作は2019年に発表された「ANIMA」という映像作品です。RADIOHEADは、ロック音楽の歴史において最も影響力のあるバンドの一つとして認められています。

■トム・ヨークとは
トム・ヨークとは、イギリスのロックバンド、レディオヘッドのボーカル兼ギタリストであり、ソロアーティストとしても活動している音楽家です。1968年10月7日にイングランドのウォリックシャーで生まれ、幼少期から音楽に興味を持ちました。10歳のときに、同じ学校に通っていたコリン・グリーンウッド、エド・オブライエン、フィル・セルウェイと出会い、後にレディオヘッドのメンバーとなります。1985年には、彼らと共にオン・ア・フライデーというバンドを結成し、地元のパブやクラブで演奏を始めました。

トム・ヨークは、レディオヘッドのほとんどの曲の作詞作曲を担当し、その独特な歌声と感情豊かな歌唱で世界中のファンを魅了してきました。レディオヘッドは、1992年にデビューシングル「Creep」で一躍有名になり、以降、アルバム「OK Computer」、「Kid A」、「In Rainbows」、「A Moon Shaped Pool」などで批評家やリスナーから高い評価を得てきました。レディオヘッドは、ロック音楽の枠にとらわれず、エレクトロニカやジャズ、クラシックなど様々なジャンルの要素を取り入れた実験的で革新的なサウンドを展開しています。

トム・ヨークは、レディオヘッド以外にもソロ活動やコラボレーションを積極的に行っています。2006年には、初のソロアルバム「The Eraser」を発表し、グラミー賞にノミネートされました。2014年には、ビットコインで販売されたセカンドアルバム「Tomorrow’s Modern Boxes」をリリースしました。2019年には、サードアルバム「ANIMA」を発表し、同名の短編映画も公開されました。また、トム・ヨークは、フリー・ジャズのサックス奏者コリン・ステットソンやエレクトロニックデュオモデセレクターなどと共演したり、映画「サスペリア」や「マザーレス・ブルックリン」のサウンドトラックを担当したりするなど、多彩な音楽活動を展開しています。

トム・ヨークは、音楽家としてだけでなく、社会活動家としても知られています。彼は、気候変動や核兵器廃絶などの問題に関心が高く、グリーンピースやアムネスティ・インターナショナルなどの団体と協力してキャンペーンやチャリティーイベントに参加しています。また、音楽産業の著作権や配信システムについても自身の見解を表明し、ストリーミングサービスのSpotifyやApple Musicなどに批判的な姿勢を示しています。

トム・ヨークは、現代の音楽シーンにおいて最も影響力のあるアーティストの一人として、常に新しい挑戦を続けています。彼の音楽は、多くの人々に感動や刺激を与えており、今後もその創造性に期待が高まっています。