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第123号 しずかちゃんとパパ

2023年9月26日

2022年3月からBSPのプレミアムドラマ枠で放送し、放送文化基金賞など国内各賞を受賞したNHK「しずかちゃんとパパ」が、再編集版でドラマ10枠で放送されました。

基本的にテレビ番組に興味がない私ですが、家族が寝静まった深夜の風呂上がりに偶々テレビを付けたらちょうど第1回目の冒頭部分だった、という偶然!

笑福亭鶴瓶氏はパペポTVの時代から大好きで、しずかちゃん役の京都市出身の吉岡里帆さんは密かに追っかけ中。そんなお二人が出演とは・・・ハマってしまいました (笑)

この作品はコメディードラマで、鶴瓶氏の役柄は耳が聞こえない【ろう者】のパパ。

吉岡里帆さんは、母(ろう者)を早くに亡くしパパの耳代わり口代わりを務める娘役です。

よって、このドラマは随所に手話が登場します。字幕だけで進行する時間も多々あります。

全編を通して随所に深く考えさせられるキーワードがありました。以下に二つほど;

【壁は乗り越えるものじゃない】

番組の中で、しずかちゃんの恋人が言うんですよ;

 必要があるから、壁がある。守るものがその中にある。

 だから簡単に乗り越えてはダメなんです。

 壁の向こうにある、どうしても行きたいところに行くこと、が大事なので

 壁にぶち当たったら、乗り越えるのではなく、別の道を探すことにしてます。

 道は必ずあります!

 陸路に無ければ空路でも良い、空まで塞ぐ壁はありませんから。

深い!納得しました。スッキリしました。

大人は気軽に「壁にぶち当たったら乗り越えろっ!」なんて言いますが、上記のようにホントはそんな簡単に乗り越えてはダメなんですよ。簡単に乗り越えられるものでも無いし。

壁は壁として大事にする、という、その姿勢がとてもステキ!


【耳の聞こえない世界は、深い海の中のよう】

耳が聞こえない人の世界は、深い海の中のようだ、と例えられます。

そこは寂しくて可哀想な世界、と思う人は少なからずいるでしょう。

皆さんは ろう者に対して「耳が聞こえなくて可哀想」って思っていませんか?

深い海の底は、本当に寂しい場所なのでしょうか? 番組の中での問いかけです。

しずかちゃんが生まれた時、お母さんはお父さんにこう言います;

「この子は耳が聞こえるみたい。かわいそうね、私たちの聞こえない世界じゃなくて。」

だから、せめて私達の世界を娘の名前に、との想いを込めて「しずか」と命名したそうです。

深い!感動しました。泣けました。

この一連のやり取りの中に、差別や偏見についての一つの答えがあるように感じました。

差別や偏見は、誰彼の中にあるものではなく、自分自身の中にあるものなんですね。

可哀想って、誰が決めるの?


どんな人でも、笑顔で笑い続けられる人生を送り続けることができますように

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