サウナ初心者、初めてのサウナ施設に向かう【サウナ北欧＠上野】
※感染症の感染対策に十分配慮した上で行動しています。お出かけの際には各自治体や施設のルールに基づき行動しましょう。※
【初めに】
2022年冬。
修士2年目の冬。
そうである、修士論文のシーズンである。
計画性のなさに定評のある私は当然、締め切り直前まで執筆作業に追われていた。
自業自得ながらもくそ寒い自室*1で連日深夜まで執筆作業を行ったり、行ってなかったりした*2。
そんな締め切り3日前の3:30。ふとあることを思い立った。
『そうだ、修論終わったらサウナに行こう。』
疲れも癒せて、暖もとれる(?)場所といえばそう、サウナである。
…こんなことを言ってはいるが、私は「整う」という感覚は知っている程度で、サウナ専用施設には一度も行ったことのないサウナ初心者である。
そこで有識者のレビューを参考にしようと思い、ぽんぽこちゃんねる*3のサウナ動画を一通り視聴した。
その中でアクセスも良く、人気も高い「サウナ北欧」へ足を運ぶこととした。
【究極】都内で最もサウナーに愛されているサウナに行ってきました！【 サウナ北欧 】(ぽんぽこちゃんねる)
紙芝居形式のレビュー動画がクセになる
【チェックイン】
当日、午前中に仕事のあった私は15:00チェックインで予約を進めた。
しかし思いのほか早く仕事を上がれたので、チェックインの前に都内散策を行った。スカイツリー周辺を散策したが、小学生並みにテンションを上げながら「でけぇぇ～」を連呼してた。
散策を終え、上野に向かう。浅草口からほど近いところに「サウナ北欧」の看板が見え、建物に向かった。
…が、罠だった。
どうやら駅からすぐ見える方は裏口だったらしい。3分ほど迂回して正面に向かうこととなった。利用する際は注意されたし。
外観はワイン色で少し歴史を感じさせる。
受付が6Fとのことでエスカレーターに乗り込んだが、やたらといい匂いがした。棒の刺さってるおしゃれな芳香剤*4のような匂いがした。サウナに抱いていた「汗臭い漢」というイメージとはかけ離れたものだった。
受付に着くと、少し古めの外観からは予想がつかないくらい綺麗だった。クリーム色を基調としていて清潔感があった。
また、入り口には多数のサインがあり芸能人から漫画家まで、自分の知っている人のものが多かった。(ロバートとかバイキングとか広江礼威*5先生とか) サウナ北欧の人気度を感じ取ることができた。
受付につくとイカした感じのお姉さんが「多くは語らん」という感じで対応してくれた。
料金を支払うと、リストバンドが渡された。ロッカーのカギと、館内での支払いに使えるIC的なものが搭載されていた。これで自動販売機やレストランの支払いを行えるっぽい。
【いざサウナ！…と見せかけて】
今回は宿泊プランなので、カギを受け取った後に部屋に向かった。ロッカーと寝床が分かれており、荷物をロッカーに入れてから寝床へ向かう形だった。寝床はTheカプセルホテルという感じの竪穴住居っぽいあれである。1フロア66人収容で、当日は15-20人くらい利用していた。
ロッカーに荷物を預けて、いざサウナ！と行くかと思いきやここは上野。
そう、ポケモンGOの聖地上野公園のすぐそばである。やるっきゃねえ。
リストバンドと引き換えに外出券を受け取り、公園へと向かった。
スポットライトアワーと時間が重なっていたこともあり、1時間フルでポケモンを捕獲し続けた。どこ歩いてもポケモンが湧いてくるの、さすが上野って感じでとても充実した時間だった。
【いざサウナ！】
ポケ活でいい感じに疲労したところでサウナに向かった。サウナは7Fにあり、受付の6Fを経由して向かう。エレベーターは直通ではないので注意。
「サウナ前の水分補給は大事」という記事を過去に見たのでポカリ*6を買った。500mL180円でちょっと高かった。モンエナは210円だったり、三ツ矢サイダーは160円と定価だったのに…やっぱ需要高いんかな。
更衣室につくと、カギなしの小さい荷物置きがあった。貴重品は下の階のロッカーに預けておこう。また、取り違いを防ぐためか付箋とペンが近くに置いてあった。
脱衣を済ませ、いざ入室。概観はこんな感じ。
サウナスペース、サウナの広さに対して十分量のシャワースペース。そして水風呂と室内風呂と露天風呂。シンプルだがこれでいい。
風呂の周りにはベンチやベッドが備わっており、所謂整いスペースが完備されていた。
洗体を済ませ、まずは室内の風呂に入った。温度はやや高めで、ジェットがついていた。体が冷え切っていたので熱めのお湯で助かった。
その後は大本命であるサウナへ向かった。入口に置いてあるサウナシート*7を持ちサウナ室へ。
サウナ室はこんな感じ。歴戦のサウナー達でひしめき合っていた。人こそ多かったが、誰一人として喋っていなかった。心からサウナを楽しんでるんだろうなと思った。温度はサイトには110℃とあったが、多分そんなに熱くない。一般的なサウナ程度だと思う。(一般的なサウナの温度を知らないのは内緒)
たまたま空いていた下段に座りサウナを楽しむこととした。
初め3, 4分はあまり汗をかかなかったが、5分を過ぎたあたりから急に汗が噴き出してきた。夏場の剣道部*8の稽古を思い出すレベルで汗が出てきた。そんな過去の思い出に耽っている中、上段の人が抜けた。
このサウナには上段の人が抜けると下段の人が詰めるという暗黙の了解があった。
『郷に入っては郷に従え』
私もしきたりに従い、上段に上がった。
熱い。明らかに下段よりも熱い。
熱は上の方に篭るので、当然といえばそうなのだが、予想以上に熱かった。
汗の出る速度が加速度的に上昇する中、常連っぽいおじさんが
👴『ロウリュウ、失礼シャス。』
ロウリュウとは、サウナストーンに水をかけ水蒸気にし、温度を上昇させるやつだ、多分。
客がロウリュウを行うのを禁止する店が多い中、この店は客によるセルフロウリュウが行えるのだった。だんだんワクワクしてきた。
おじさんに対して他の客が「ｱｲ…」と軽く返事をすると
「「「ジュワーーーーッッッッ」」」
焼石に水とはこのことだ。凄まじい勢いで水が水蒸気へと変わり部屋を満たした。
その瞬間、水蒸気をモロに受けるところに座ってしまっていた私は
「（あっっっっっっっついいいいいい！！！！！！！！！！！！！)」
と心の中で叫んでしまった。皮膚がひりつくような熱さ、そして何より呼吸をすると肺が焼けるんじゃないかと思うほどの灼熱の水蒸気。呼吸法を変え、肺まで空気を入れないようにしてみたが、今度は喉が焼けるかと思った。
隣に座っていたおっちゃんも思わず
「これはくるねぇ…」
と小声で呟き退出していった。
私も限界を感じたため、後に続いて退出した。
【水風呂、そして“整い”へ】
サウナを出た私は軽く汗を流したのちに、水風呂へ入った。
水温は14℃、割と冷た目らしい*9。確かに冷たかった。
最初20秒は冷た過ぎて金●袋を萎縮させながらガタガタと震えていた。
しかし、30秒を過ぎたあたりから皮膚の表面に優しい膜が張った。私は以後このことをフバーハ*10と呼ぶことにする。
フバーハが発動してからは、あんなに冷たかった水風呂も優しく体を包んでくれるようになった。
だがこのフバーハは繊細で、他の人が水風呂に入った時の水流ですぐに破壊されてしまう。まるで凍てつく波動*11のように。
凍てつく波動を受けてしまった私はたまらず外気浴へと移った。
水風呂を出た私は露天風呂に向かった。
外を見ると、レビュー動画でも言われていたようにベイシア*12の看板が目について思わず笑ってしまった。
ベイシアに軽く会釈をしてからベンチに座り、目を瞑った。
すると、スーッとした、まるでメンソールを塗布したような爽快感に襲われた。
当時外気温7℃だったが、寒さ以上に心地よい爽快感が肌を伝った。
爽快感の余韻に浸り30秒後、心臓の鼓動が大きくなりふわふわとした感覚が全身を支配した。(以下図参照)
身体が皮膚や骨格といった枷から解き放たれて大気中に溶け込む感覚があった。心地よい。
これは完全に整っている
私は時を忘れ、この快感に身を任せ続けた。
【周回、そしてサウナゾンビへ】
だんだんと意識が戻ってきた頃、流石に肌寒くなってきた。真冬の東京で全裸になって横たわっていたので、当然ではあるが。
身体を軽く温めるために、露天風呂に入った。これがまた最高にちょうどいい。
室内のしっかり熱めな風呂とは異なり、こちらはかなりぬるい。しかしこれがいい。この後、高温のサウナに入ることを考えてぬるいのかもしれない。
しばらくしてサウナが恋しくなり、再び室内へ戻った。そして自然と身体が向かっている自分に驚いた。私はそもそもかなり暑がりである。そんな私が再びサウナへ向かっているのである。それだけ先ほどの整うという感覚は人を狂わせる。
そんなことを考えながら2周目に入った。サウナ室のドアを開け、下段に座った。整ってる時間を思い出しながらサウナを堪能していたためか、1周目よりも時の流れが早かった。そして再び汗をかいたのだが、これが明らかに1周目の時のものとは異なった。
1周目の時は、全身に張り付くようなビシャっとした汗だったのが、今回は綺麗な水滴状の汗であった。これが真実の汗*14か。そんなことを考えているうちに10分があっという間に過ぎ去った。
サウナ室を出てすぐ、汗を流し水風呂へと身を投じた。先程は冷たい苦しみが先に来たが、それ以上に整う快感を覚えてしまったため冷たささえ愛おしく思えた。しばらくしてフバーハが発動し、落ち着いてきた頃合いで外気浴へと移行した。
1周目の時は座った体制で整ったので、2周目は横になって整うことにした。横になり目を瞑ると、まず初めにメンソールのような爽快感がやってきた。気持ちいい。その後、ふわふわとした整いの感覚がやってきた。横になっている影響か、1周目の時よりも平衡感覚が消え失せている。大気中とのシンクロ率が400%を突破していた。たまらなく心地よい。
そして朧げな意識のまま、気がついたらサウナ室にいた(?)。2周でかなり満足してたはずなのに、気がついたら再びサウナ室にいたのである。訳がわからない。これは完全にサウナに取り憑かれたサウナゾンビ*15である。改めて周りを見渡してみると、意識ここに在らずといった表情でサウナ水風呂外気浴のルーティンをこなしている人しかいない。恐ろしい…
【サウナを上がり】
無意識のまま3周目を行い整った後、浴室を後にし寝床に戻った。寝床に着いてすぐ、ポカリをキメた。体液がポカリに置換されるのを感じた。たまらん。
そのまま寝落ちしてしまいそうであったが、そんなタイミングで後輩から卒論発表草稿の添削を依頼されていることを思い出した。1.5時間ほど目を通しコメントをつけた。サウナパワーのおかげか、頭が冴え渡っていたのでかなり的確なコメントができたと思う。リモートサウナワークに可能性を感じた瞬間である。そんなこんなで作業を終わらせた後、泥のように眠った。
翌朝、気がついたら浴室に向かっていた。身体が朝サウナを求めていた。道中で180円のポカリを購入して、準備も万端である。
朝早いということもあり、浴室はかなり空いていた。また浴室に差し込む朝日が神々しく、この上なく贅沢な空間になっていた。洗体を済ませサウナ室に入った。昨晩は満員だったが、今回は自分含めて2,3人しかいなかった。ゆとりのある空間でサウナを堪能することができた。
10分ほど入った後に、水風呂を済ませて外気浴へと移った。朝日とそよ風が大変心地よい。平日の朝からサウナをキメてしまっているという背徳感もスパイスとなり、この上なく整えた。
そんなこんなで朝からサウナを3周し、チェックアウトを済ませた。チェックアウト後は、駅前の立ち食いソバの店でうどんを食べ、研究室に向かった。最高の朝を過ごせたおかげで、珍しく進捗も生まれた。息抜きって大事ですね。
【総括】
完全にノリと勢いで訪れたサウナ北欧だったが、サウナの良さ、そしてサウナ文化を肌で感じることができとても良かった。値段も宿泊込みで3,200円*16とかなりリーズナブルだったので、気になる方はふらっと訪れてみてはいかがだろうか*17,18。
サウナ初心者で、「暑がり」「せっかち」な私でも楽しめたので、これまでサウナを敬遠していた方々もぜひ。
【サウナ北欧 HP】
【補足欄】
*1 自室には暖房機器がないので布団をかぶってた。それを言い訳にそのまま寝てた。
*2 YoutubeとTwitterを反復横跳びしてた。
*3 甲賀流忍者ぽんぽこというたぬきかつ忍者のVtuberと、その兄ゲストのピーナッツくんとのチャンネル。Vtuberにしては珍しく実写要素が取り込まれていたり、秀逸な企画動画が話題となっている。サウナ専門チャンネルではないが、ピーナッツくんのサウナレビュー動画は人気動画の一つである。
*4 調べたところ”ディフューザー”らしい。確かに耳にしたことはあるが、無知を晒してしまった。
*5 BLACK LAGOONの作者。普段漫画を買わない自分が単行本追ってるくらいには好きな作品。オススメです。
*6 サウナーの中では「オロポ」(オロナミンCとポカリを混ぜたもの)が流行っているらしい。自分も徹夜作業の時は「まざポ」(モンスターエナジーとポカリを混ぜたやつ)を飲むのだが、発想は近いような気がする。今度試してみようと思う。
*7 ケツに敷くビート板みたいなやつ。使用後は利用者自身で洗って返却するスタイル。みんなきちんと洗っていてマナーの良さを感じた。
*8 中学の頃、剣道部に所属していた。
*9 15℃以下の水風呂のことを「U15」と表現することがあるらしい。
*10 ドラクエの呪文。ブレス系の特技のダメージを軽減することができる。割と的を射た表現だと思う。
*11 ドラクエの特技。相手にかかっている呪文の効果を全て打ち消す。強めのボスがこれを使ってきがち。
*12 北関東あたりを中心に展開しているスーパー。諸用で埼玉に行くことの多い私は親の顔よりもベイシアを見てきたのでクスリと笑ってしまった。どうやら上野にあるのは東京情報センターというものらしい。
*13 era[step mix]。BeatmaniaIIDX 3rdの曲なので相当前の曲。nostalmixとstepmixの2種類の音源がある。とてもいい曲です、全人類聴いてくれ。
*14 アメトークのサウナ好き芸能人の回で言及されてた(気がする)。
*15 https://saunatime.jp/sauna-wiki/
*16 サウナのみの場合、3時間で1,400円くらい。コースがいくつかあるので、詳細はHPで確認されたし。
7 本記事編集時点(2022年2月)では完全予約制となっていたので、予約なしでふらっと行くことはできません。
*18 男性限定なので女性の方は利用できません。
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