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一人百花 02_オニタビラコ

見た目からも分かるとおり、キク科の植物。名前のタビラコは、漢字では田平子と書き、田んぼにくっついて咲くさまからそう名付けられている。面白いのは、その接頭辞(prefix)である。接頭辞とは、常に語根や名詞などの自立語の先頭に付いて、その語に特殊な属性を付与するという文法的機能を持つことばである。「オニ」タビラコの接頭辞のオニ、つまり鬼は、この場合「大きい」を意味するのだろう。 鬼は、色々な属性を持っている。大きい、強い、怖い、などなど。私は現在、のんべえ大学文学部第二芸術学

    • 一人百花 01_ホトケノザ

      仏像を安置する座を仏座(ぶつざ)という。その形式のヴァリエーションは、須弥座や獅子座など様々あると思うが、中でも蓮を象った「蓮華座」がよく見られる形ではないだろうか。 ホトケノザは、葉の形が「蓮華座」に似ているシソ科の植物である。それゆえ、葉の上に咲く花は仏様の姿に見立てられる。喩的な認識の連鎖が極めて豊かである。春の七草にもホトケノザはあるが、こちらはコオニタビラコ(キク科)のことであり、シソ科の本種は食べられないらしい。しかし、子どもの頃に吸った花の蜜はほのかに甘く美味

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