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美しいスタンダード

真っ白な無地のシャツを買い換えるペース、
革靴をピカピカに磨くためのテクニック、
靴から少しだけ覗く靴下へのこだわり。

それなりに歳を経った今、周りのおしゃれな人を観察していると、彼らはいつだってパーフェクトに手入れが行き届いている。
メイクよりもスキンケア、ヘアスタイルよりもヘアケア。
もちろんシャツやパンツはいつだって四肢にフィットした丈に整えられているし、驚いたことに綿素材に入っているやわらかなシワは計算づくだったりもする。
何ひとつとしてちぐはぐさを感じさせない仕上がり。それはもう気が遠くなりそうなほどに、隙がない。表面上だけではなく、骨の髄まで染み渡っていそうな美的感覚は、佇まいまでも美しく、おしゃれに見せるのだろう。

それでいて、彼らはモードやトレンドを的確に受け止め、咀嚼しているのだから、なんとなく無地のTシャツを着て、なんとなく買ったスカートを履いて「ロゴ入りアイテムなんて」と嘲笑することとは、果てしない隔たりがある。

シンプルやスタンダードにも、色々な理解があるのなら、私は美しいスタンダードを目指したい。
どうやらそのためには、流行を把握して、自分に似合うものを理解して、身の回りの清潔感を保ち、そして人々のファッションや自分の着こなしを注意深く観察しなければならない。そう気づいた日から、スタンダード巧者が本格に私にとっての憧れとなった。

いつになったら私の思う美しいスタンダードが身につくのかは分からないけれど、いつの日か文句のつけようのないファッションセンスが身につくことを願いつつ、今日も私はせっせとアイロンがけの特訓をする。

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