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指先の魔法は肌の快楽

「私は長い間、スキンケアの勘違いをしていたのかもしれない」

はたとそう閃いたのは、ドゥ・ラ・メールのメイクアップアーティストにスキンケアのデモンストレーションをして頂いた動画を見返していた時のことだった。彼女の指先はまるで音楽でも奏でるかのように、私の顔の上を滑っていた。
そういえば、人生で一番気持ち良いかもしれないと感激したパーク ハイアット東京でのエステティックトリートメントの施術でもハープを奏でるような手つきのマッサージが特徴だと仰っていたし、現にマッサージ後の肌はぴかぴかになっていた。

そもそも私は元々そんなにスキンケアが上手では無い。一度、資生堂の研究員さんの元にお招き頂いた時も、開口一番「先ほどあなたがコットンを持っていたのを見たけれど、恐らくあなたは指に込める力が少し強すぎると思うの。」とご指摘頂いて初めてどんなにスキンケアアイテムを肌に塗ってもなかなかくすみや乾燥と決別出来ない理由を知った。

そう、スキンケアの時に指や手のひらに力を込めたって、きっと何も良いことなんて無い。大事な人に強く触れたって何も良いことが無いみたいに。それこそ多分調度良いのは、大切な存在に触れるほどの優しい手つき。人差し指と中指、そして薬指。たっぷりと基礎化粧品を掬い上げた三本の指で愛情を込めながら撫でれば、肌は心地良さそうに脱力して柔らかくなる。

スキンケアを快楽に。
最近知った、美肌づくりのための一つの極意。

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