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100万分の1の厄災、その中の幸運

普通、100万人にひとり発症する病気と聞いた時、自分に関係あるとは思わないだろう。
私もそうだった。
「主人にその病気の疑いがある」と医者から言われていてさえ、「きっと間違いに違いない」と思っていた。

今だんだんと、高齢化によって、100万人にひとりがふたりになろうとしているらしい。
というのも、この病気も加齢により発症するところがあって
(と言っても私が聞いた時は平均67歳くらい)
あと高齢者になるとヤコブ病なのかアルツハイマー型認知症なのか区別がつかないまま、診断されずに亡くなっている方もいるらしい。
そんな事情が相まって、発症率が少し上がっているらしいのだけど、正直言って何の慰めにもならない。

2017年9月
主人は発症した時62歳だった。
その1年半くらい前に、娘が大学を卒業して社会人になった。
(息子は先に社会人になっていた)
その次の月の10月、住宅ローンを完済した。

このふたつの事実は、私達にとって大きな助けとなった。
まあ、見方を変えれば
やっとちょっと楽になるかと思った時に、とんでもない病気を引き当てたと言えない事もないのだけど。

あと、主人は比較的病気の進行がゆっくりで、
10月に宮島へ、11月に有馬へ、2度も旅行に連れて行けた。
(10月の宮島旅行は、実は病気がわかる随分前から決めてたもので、
 思ってもみなかった気分で出掛ける事になってしまった)

それでも、楽しい気持ちを感じて欲しいし、美味しいものも食べて欲しい。

実は主人は北海道に行きたがっていて(家族の中で主人だけが行った事なかったので)
「退職したら行こうか」という約束をしていた。
だから本当は北海道に連れて行ってあげたかったけれど、長距離の、何泊もの旅行はさすがに無理になってきていた。

ごめんね
一緒に行きたかったね

色んな後悔はあるけれど、願っていた事を知っていてかなえられなかった。
時々、お店で北海道フェアなるものをやってたりすると、主人にお土産を買って来る。
ささやかな、お詫びの気持ち。

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