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give and give


ケーキはどれも美味しそうだけれど、なかでもザッハトルテ・・!
その響きから想像できるチョコレートの、
上品な、くどさが好きです

西荻窪にはザッハトルテをつくるおばあちゃんのいる喫茶店があって、
ラム酒入りの生クリームつけて食べさせてくれる

わたしこってりしたものが好きなので、
ひかえめな、チョコケーキ
しょっぱくない、ラーメン
すっきりさせないで、シャーベット
それはそれで美味しいけれど、なんだか寂しい

いつか、お腹いっぱいでも食べたくなるケーキみたいなひと になりたいなんて!
思ったことがあったけど、
お腹いっぱいで、あんな重たいザッハトルテを食べられる素敵な人なんて、この国にいるんだろうか
まちがいなく、デブである

それでもわたしザッハトルテになりたいけれど、
最近のわたし日の経ったシホンケーキのようで、水分がまるで足りておらず、心臓のすぐそばで大事に育てていたはずの花や葉たちは枯れそうだ

そもそもレシピがちがうのかしら
だってバターもチョコレートもラムの酒も、贅沢なものひとつも入ってない

レシピを失くしたように、日記のことも忘れていたし、その言い訳すら思いつかなくてえ
一から作りなおすことが面倒でえ

だけど、こんな時こそ、めんどうなこと、しなくちゃ!
作りなおし、とかしなくちゃ!
ザッハトルテなこと、しなくちゃ!

最近は嫌がらせばっかり考えてる、
たとえば嫌いなやつの水筒に生花する とか
嫌いなやつの持っているもの(思いつくのは、歯磨き粉とか、ハンドクリーム、リップクリームとかよく使うやつ)のありとあらゆる蓋(キャップ)をぜんぶ捨てちゃう とか
どうだろう!

こんなことばっか考えてにやにやしているのに、
わたしの日常は誰かから貰ったものごとばかりで
いつも豊かに輝いている
最近は、それに対してわたしが誰かに与えられるものごとの乏しさに落ち込んでいて
表情は常に自信がなく申し訳なさそうである
26歳になって、あたらしいコンプレックスである

職場のオザケン好きな先輩が、最近オザケンを聴き始めたわたしのことを思い出してくれて、見たことのないオザケンのアルバムを持ってきてくれた!うれしい

それに、ひさしぶりにcdプレーヤーを取り出してワクワクした
(わたしは二曲目がお気に入りだった!)

お友達のKさんは言葉にできない気持ちを込めて折り紙を折ってくれた、
折り紙をもらうのは久しぶりで
まだちいちゃかった従兄弟に貰って以来だ

Kさんはもう大人で、見たことないくらい素敵な子なんだけれど、言葉のかわりに折り紙を折ってくれたところが彼女らしくて、やっぱり素敵な子だと思った

その日は一日最高だったんだ〜
ただお散歩していただけなのに、誰かの日常と何度も交わって、その偶然の光景はすべてが綺麗で、映画みたいだった

夕日を見よう!となって、川辺の石の壁に背中をつけて、あしは伸ばして草にのっけた 
うえをみると空があって、みぎをみると明日が体育祭らしい女の子たちがふざけながらソーラン節を練習してて、ひだりをみるとKさんがいて、遠くにはスカイツリーが見えた!

この間ひさしぶりに髪を切った、
いつもお願いしているお姉さんがいるんだけれど
そのひとの小さなこだわりとか、髪を切ってくれているときの真剣な顔や手が好きだから
いつもそのひとにお願いしている

そのひは帰り際に、
今日(わたし)が来るから、営業中も頑張ろうと思ったんです と言ってもらえて、
そんなこと誰かに思ってもらえるってかなり幸せなことだと思って、すこし胸がくるしくなった!
わたしも明日からまた頑張ろうと思えた!

90年代風ショートよ!

わたしも昔から手紙を書くのは好きだから、そういう意味では自然なことなのかもしれないけれど、
手紙もよく貰う

こないだ部屋を整理していたら、これまで貰った手紙を捨てずにぜんぶ入れていた大きな箱が変形していたので、さすがに少し整理した

授業中にともだちと交換してたちいさな手紙だけでも100通以上あった笑
それと、今では懐かしい年賀状まで!
読み返しながら、やっぱり良い文化だと思ったので、今年からもう一度年賀状を書こうと思った
本物のラブレターが2通あった、はやく捨てればいいのにね笑

もう誰かも思い出せなかったり、そういえばあんまりすきじゃなかったなあて人から貰った手紙はしょぶんしてしまった
大事なものだけ残したら、それでも箱は一杯で、嬉しかった!

この間、中学生の頃から仲の良い友達が職場に遊びにきてくれて、
ふたりは変わらず優しくて、会うとよくお手紙や贈り物をくれるので、
わたしも台湾のお土産と一緒に久しぶりにふたりに手紙を書いたのね

そしたら渡す前にふたりがまた手紙をくれたので、笑っちゃった!笑

わたしのことを待っている間に書いてくれていたらしい、そんなふたりの気持ちが可愛らしくて、笑っちゃった!

度が過ぎた僕らの手紙の文化は平成までのらしさなのか?
その人の字がわからないって、僕には結構寂しいことだ
好きな人の字を初めて知った時、あれほど胸が高鳴るみたいに!

大人になればなるほど忘れていくものと、
時代が進むにつれて忘れ去られていくものとのなかに
共通点はいくつあるのかな
同じものってひとつでもあるのかしら

忘れていく人やもののことよりも、ふとした時に思い出す人やもののことの方が今は大切な気がするけれど・・
思い出しても、人や時の波に流されながら、慌てて大事にしようとしている感じで、
なんだか雑になっちゃうんだ
雑ハトルテ!🤣(面白くないのわかてるよ

大切な人やものたち思いきり大切にしたいけど、
確かに高くなっていく密度や温度に耐えられないときがある!


ザッハトルテが出来上がる頃、
大人の自由研究のチラシが届きましたよ!

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