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花譜

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四季の花や植物との出会い。古道具と花、写真で綴る短いエッセイ。
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2023年3月の記事一覧

季節は何処へ行った

先週の春の雨で、一気にバルコニーの植物たちが動き出し、急にボリュームが増してしまったので、ここ数日間、植物に触れる時間が増えている。 クレマチスの蔓は勢いよく伸び始め、慌てて支柱に絡ませる。 寄せ植えの植物は盛り盛りと息を吹き返して場所を取るようになり、日当たりを考えながらの模様替えに手間を取られる。 何処に植えたかも分からなくなってしまった庭に眠っていたのギボウシ達も芽吹き始め、踏まれないようにラベルを立てる。 今年は植物が本来の季節より半月位早いフライング気味で開

今年のサクラ

ユーミンがポッドキャストの『うそラジオ』にて、『身近にある桜を自分の桜と決めて、毎年見つめ続け、自分とリンクさせるとまたいいですね』と語っていた。 確かに、『花見』と称して晴れやかにお出かけするのもいいけれど、日々の定点観測の方がより『去年の自分はこうだった、とかあの年は。。』と思いが深まるもの。 今年は、もう4月半ばかと勘違いするほど暖かく、関東でも北国の春のように一斉に春の花が咲き始め、やや戸惑いがち気分、気持ちが少し遅れてついていっている。 という訳でライカを持ち出す

パンドラの箱と桜

昨年9月より6ヶ月に渡り、西伊豆の別荘の改装を行っている。 半年はほぼゴミ捨てに追われ、ようやく家の中のゴミを出し切り、ようやく『ゼロ』状態。 暖かくなってきたので、庭作りやら、内装など少しクリエイティブなことに取り掛かれるだろうと胸中軽やかな気分で、午前中リサイクルセンターを後にした。 さて、午後からどうしようかと。 『裏庭の小屋片付ける?』 そしてまたパンドラの箱は開けられてしまったのだ。 パンドラの箱の『災』の如く、出てくる出てくる、1980年代の大量生産、大量消費