マガジンのカバー画像

花譜

82
四季の花や植物との出会い。古道具と花、写真で綴る短いエッセイ。
運営しているクリエイター

2022年10月の記事一覧

秋のブーケ 私の花仕事

私が、もうかれこれ13年もの間、担当している花の仕事がある。 花の通販サイト『花問屋アソシエ』さんでの『花レシピ』の製作と撮影。『うきうき花レシピ』という、気分も揚る名前をいただいている。 毎月一回、季節の花の紹介とそれを使った作品を製作し、撮影する。 事前にデザインを決めて、花材を発注。 当日は丸一日かけて8作品程度製作しながら工程を撮影していく。 今年からは動画撮影も加わり、どうお見せしたらいいいか工夫しながら、スタッフ皆で試行錯誤しながら進めている。 特に、プロのカメ

NICOさんの庭 鎌倉石窯ガーデンテラス

久しぶりに鎌倉の浄妙寺さんの中にある『石窯ガーデンテラス』を訪ねた。 その後、あの庭はどうなっているのだろう。 まずは、エントランスより。 たわわに花をつけた柏葉紫陽花やアナベルがが枯れた花をつけたままで迎えた。自分の庭ならば、夏の間に花だけ切り取ってしまうところだが、このままにしているのには、何か意味があるに違いない。 少し寒くてどんよりとした雲の下、雨もポツポツと落ちてきた。 それでも、私たちは迷わずテラス席を選ぶ。 まずは、スイーツ。飲み物はやはりここではハーブティ

久しぶりに自分のための花を買った

約2ヶ月ぶりに自分のために花を買った。 ダリア (黒蝶)、秋色水無月(紫陽花)、野薔薇の実。 実は、7月まで当たり前のように自宅に切り花を購入していけていたのだが、ふと思い立って辞めてみることにした。 花を飾っていた棚の上は、空の花瓶のまま2ヶ月以上が過ぎた。 辞めてみた理由1 ここ2年前からの騒動で花の仕事も減り、初めの頃はどうしていいかわからず、『できることを続けて行こう』と決め、『花のある暮らし』と『季節感』を広く伝えたい思いで、自宅に花をいけては写真を撮り、SNS

秋は紫

一昨日あれだけ気をつけていたのに、未だ残存した蚊に刺され悔しい思いをした。しかし、今日から空気は一変。日中の気温は20℃を下回り、慌てて膝掛けを引っ張り出している。 お稽古の鉢植えの桔梗が、冷たい秋雨に晒されながら、少し色づき始めた紅葉の盆栽の横で揺れている。 桔梗は夏7月〜10月初旬に花をつける。 夏のお寺の庭先などに咲いているので、夏の花かと思いきや歌では秋の季語。 ちょうど昨日、書道を嗜んでいた母親が、秋の和歌の作品を実家の和室に飾っていた。一緒に読んで意味も聞いたの