見出し画像

もう介護なんていやだ、と思った寒い朝に突き付けられたもの。

いつものように5時半に目覚ましアラームが鳴った。あー期限が迫った仕事も溜まっているし、3時間しか寝てないし、もういやだ、起きたくない、介護なんてやりたくない、と強烈に思った朝。ベッド近くの机の上にあるスマホのアラームを止めようと伸ばした手が本棚に当たり、整理しかけていた写真のたばがバラバラと落ちてきて、その中の一枚が目の前に飛び出した。それは、赤ちゃんのときの私を、父が抱っこしている55年前の写真だった。父の介護は、私に突き付けられたライフワークなのだな、と、そのときに理解した。私の目の前にコレを落とした“だれか”を恨めしく思いながら、覚悟を決めて私は父のおむつを替えるためにあたたかい布団から飛び出した。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?