2014年7月の記事一覧
いじめられっ子が美女と付き合う 映画「アメージングスパイダーマン」
【最後まで無料で読めますが、投げ銭歓迎】
米国映画はちゃんと弱者を描いていた。
「俺たちに明日はない」のクライドは、肝心な時に立たなかった。
「明日に向かって撃て」のキッドは泳げなかった。
アメリカンドリームの復活と言われた「ロッキー」でさえ、最後は負けている。
「ロンゲストヤード」なんか、救いのない刑務所務めの犯罪者が主人公(達)だった。
しょーもない奴が、とにかく頑張って、
旅すればよかった時代 映画「旅の重さ」
旅をすれば人生が変わる。そう信じることができた時代だったんだな、と「旅の重さ」を観て思った。
高橋洋子演じる主人公が、母親の下を離れて高知を旅する。そこで旅芸人や痴漢や文学少女や独り身の中年男性などと出会い、人生を考える。
典型的な日本式ロードムービー。今見ると面映いほどナイーブな人生観が新鮮だ。
散々多くの若者が旅をして、結局何も変わらずにいる例を見ているだけに(自分も含めて)、こ
描かれていないものが実は重要 映画「桐島、部活やめるってよ」
自伝でも、ホラー小説でも、気になるのは「描かれていないもの」だ。
デヴィ夫人がスカルノ大統領と出会った本当の理由だったり、邪悪な姉弟が出逢ったはずの出来事(ヘンリー•ジェイムスの「ねじの回転」)だったり。
極論すると、描かれていないものが魅力的なほど素晴らしい。
描き過ぎたり、説明し過ぎたりするとつまらなくなる気がする。
以下、ネタバレに注意。
映画「桐島、部活やめるってよ」
世界で最も美しいラブシーン? 映画「リトルオデッサ」サントラ盤
(フィリップス/2500円)
個人的完璧な映画。
ロシア系ユダヤ人のアメリカ移民を描いた『リトル・オデッサ』がそれだ。
真冬の路地でティム・ロス演じる殺し屋が何ごともなかったかのように男を撃ち殺す冒頭から、その悲し過ぎて涙さえ渇いてしまうラストシーンまで非のつけ所がない。
ロシア系マフィア(米国移民でマフィアを作らなかったのは日系人だけだそうな)のボスの息子を殺してしまったティム
映画「アンダーグラウンド」サントラ盤
(マーキュリーレコーズ/2500円)
電気アンプで音を増幅できなかった時代、最もファンキーでロックしていた楽器はホーン=ブラスだった。
訂正しよう。
「だった」じゃない、今もなお。
特にライブで見るホーンの迫力は、CDやレコードで聴いてる比じゃない。
旧ユーゴスラビアのエミール・クストリッツァが演出した映画『アンダーグラウンド』では、ブラスバンドが狂言回し的に全編に登場する。
観た人なら誰し
世界中呼び掛け合うのだ! 映画「モンスーン・ウェディング」サントラ盤
最初から最後まで美女だらけのインド映画『モンスーン・ウェディング』の個人的ハイライト場面は、一族の女性が集まって、初夜のわい談を始める、っていうか歌い出すところ。
これが最高なのだ。
ゴスペルと同じコール・アンド・レスポンス。
世界中の民謡、日本はむろん、西アフリカでもクルド族でも、米国の黒人でも、すべての基本はこの呼び掛け合いだ。
「新婦があまりに身体が大きくて、新郎は寝床の隅に追いやられ…