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『聞いてはいけない』【怪談】※『見てはいけない』『言ってはいけない』の後にお読み下さい。

 暇つぶしに投稿サイトを開く。
 小説投稿の欄に見慣れないタイトルの作品がアップされていた。
 『指さし後ろ~決して振り向かずにお読み下さい~ 』
 そう書かれていた。

◇◇◇◇◇◇◇◇
――指の呪いって知ってる?――
『見てはいけない』
『言ってはいけない』
『聞いてはいけない』
 もしこの三つを破ると背後に『アレ』が現れるんだって。 
◇◇◇◇◇◇◇◇

 そう書かれていた。
 何となくクリックして
 『見てはいけない』
 『言ってはいけない』
 と読み進める。
 そして三話目の『聞いてはいけない』をクリックする。

 こんにちは。
 あれから自分なりに色々調べてみました。
 古代ブードゥー教では猿のミイラに呪術を施したそうです。
 その呪物は世界の運命を歪ませ、あらゆる願いを叶えると言います。
 同じだけの災難と引き換えに……。
 古代日本でも密教経由でその秘術は伝えられたようです。
 時の権力者は密かに使用し災難を恐れ密(三つ)の猿で結界としたとか。
 だから今も『指の呪物』が災難の受け皿を探して彷徨っています。

 そんな強力な呪物の呪いから逃れる方法。

 それは『呪いを払うコト』。
 払うとは文字通り邪魔なモノを動かしたり等して取り去る事です。
 ですから呪いが移動するだけで消える訳ではありません。

 ではどうしたら『指の呪い』から逃げる事が出来るのか。

 それは『見てはいけない』と『言ってはいけない』の話を他人に聞かせ。
 自ら続きを聞く事を選ばせてから『呪物』の話を聞かせるコトです。
 
 つまりは最後の禁『聞いてはいけない』を他者に破らせるコトです。

 こうした自ら選ぶと言う『縛り』を入れるコトで……
 私は他者へ『指の呪い』を移すコトが出来ます。

「えっ、そんな怖い事、誰も聞いてくれないのでは? って
 大丈夫ですよ。」

『だって、貴方がもうこの小説を読んで聞いているのだから……』

※この話はフィクションです。

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