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接客の一流、二流、三流【読書レビュー】

                評価:★★★★☆                    おススメ度:★★★★★ 

 この本のエッセンスは「一流の接客術とはどのようなものか」というポイントにある。様々なパターンを想定した接客について書かれており、普段接客業に携わっている人にはとても参考になる知識だと言える。この本の著者は元CAの七條氏だ。彼女がCA時代に培ってきたノウハウが詰め込まれている本となっており、おススメ度は★5つとさせていただいた。元CAのノウハウが詰め込まれているのにも関わらず、値段は1400円+税となっており、とても安価で多大な知識を手に入れることができる。包み隠さずに言うと、noteで2000字程度の記事を、1000円で買うよりも圧倒的にお得である。はっきり言ってnoteで売っている記事の中で、書店で買える著書よりも優れているものはないので、noteの有料記事などは読まないことをおススメしたい。


 さて、かなり脱線してしまったがここから本題に入ろう。私が特に印象的だと感じた内容は「三流は、たぶん。二流は、完璧に。一流は?」という表題だ。私自身、アルバイトで接客をしていくなかで、お客様に質問をされた経験がかなりある。完璧に答えられる質問にはもちろん完璧に答えていた。しかし、お客様によってはこちらの範疇ではない質問をされる方もいたのだ。そのようなお客様に対して「たぶん〇〇です。」と答えた経験は多くある。そのため、この表題を見た時に思わず「うわぁ」と声に出してしまったのだ。著者はこれに対して「一流は、お客様に伝わるように説明する」としている。これはどういうことか。自身の知識をスマートに伝えるだけで、お客様は本当に理解することができたのだろうか。この考え方を持つことが、一流と二流を分ける大きな分岐点になると、私は考えている。たとえ正しい知識であっても、お客様に伝わらなければ全く意味がない。私は珈琲屋でバイトをしているので、その具体例を1つ挙げさせてもらう。お客様に「2つの珈琲を指さされ、何が違うの?」と聞かれたとする。私が思いつく答えとして「こちらの珈琲はフレンチローストになっております。」とこのようになるだろう。もちろんお客様の中には珈琲が好きで専門用語だけでも伝わる方もいらっしゃる。しかし、万人が共通して好きであるわけではないのに、専門用語を乱用してしまうと伝わらない説明となってしまうのだ。そのため、「こちらは少し苦味が強くなっております。」などと伝える事が必要になる。このように相手がどんな人なのかを考え、自身の答えを変えることができるかどうかが、一流と二流の境目になると言える。


 本の特徴としては、様々な話題に対して「三流なら、二流なら、一流なら、」と比較するように書かれているため、読書家でなくても読みやすいものとなっている。接客業に従事している方には、ぜひ読んでいただきたい一冊だ。残念ながら、元CAの著者であるために、飲食店との互換性などが生じてしまう部分もあるため、評価は★4つとさせていただいた。下記URLから購入を検討してくれ。


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