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センスは知識からはじまる【読書レビュー】

                評価:★★★★☆                    おススメ度:★★★★★ 

 この本はグッドデザインカンパニー代表の水野氏が書いた、センスのイメージをぶち壊す内容になっている。「センスは知識からはじまる」この言葉を聞いて、そんなわけないだろと思ったのは私だけではないはずだ。「センスとは生まれつきの才、努力して身に付くものではない」そう思っている方がほとんどではないだろうか。私もそう思っていたので、本書を購入したのは否定の意味も込めて読んでみようと感じたからだ。

 私が印象的だと感じたのは、センスを磨くために知識を蓄えるという著者の考え方だ。一般的に、センスとは後天的なものではなく先天的な生まれ持ったものというイメージがある。また、後天的だとしても小さい頃からやっているかどうかでセンスが決まると思っている人もいるだろう。私もそう思っていた。しかし著者は、ひらめきは知識を蓄えることにより生まれる。仕事として必要とされるセンスは知識によって補えると述べている。例えば、新しい企画などを考える時にセンスの良い人は過去の成功例や失敗例を参考にして考えている。当人はそんな意識は全くなく「勘ですよ。」なんて答える人もいるだろうが、間違いなく頭のなかで過去の企画を参考にしているのだ。そのプロセスがあいまいなだけに、センスは生まれつきだなどと広く誤解を生んでしまっているのだ。では、センスを良くする(知識を蓄える)方法を、ここでは1つ紹介しよう。他に2つあるがここでは書けないので興味がある人は下記リンクより購入の検討をおススメする。センスを良くする方法、それは「王道」を知る事。どんな商品やサービスにも「王道」が存在する。では「王道」とはなんだろうか。それは「定番のモノ」「ロングセラーのモノ」などと言い換えることができるだろう。たとえば、ジーンズならリーバイス501などが当てはまるだろう。120年以上経つ今日でも、定番中の定番とされている。このような王道のものには「そのものらしさ」つまりシズル感があるのだ。これはすでに最適化されたモノだと言っていいだろう。この王道を見つけることで、王道よりも高いもの、少し特徴が強いものなど、様々な可能性を考えることができるようになる。また、王道を調べる過程で、王道になれなかったモノや王道とするにはクセが強いものなど、たくさんのモノと出会うことで、新たな知識を蓄えることもできるのだ。これらのメリットから、王道を知ることが大切だという著者の意見は間違っていないだろう。

 本の特徴としては、5つのパートで構成されており、とても読みやすいと感じた。著者が手掛けているブランドなどの紹介が多すぎるため、評価は★4つとしたが、全体を通して知識を蓄えるためには最適な本であると感じた。以上だ。


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