見出し画像

サッカーと人狼と専門用語

人狼のお話

突然ですが人狼というゲームをご存知でしょうか?
人狼とはプレイヤー(通常はだいたい8人以上)が狼チームと村人チームに別れて狼チームの人間は誰かを皆で議論し推理するゲームです。
村人チームのプレイヤーは狼チームが誰なのかを皆で議論し推理し当てる、狼チームは自分が狼チームであると村人チームにバレないようにしながら村人チームを「噛み」という攻撃手段を用いて勝利条件を満たすようプレイします。

狼チームのプレイヤーは自分が狼チームだと思われないように他のプレイヤーを狼チームの人間だと仕立てあげるように嘘をついて議論をかき回し、勝利を目指します。
村人チームは狼チームの嘘に惑わされることなく、プレイヤー皆で議論し狼チームの人間を当てなければなりません。

この議論は時間制限が設けられています。
短い制限時間の中で出来る限り多くの情報を皆で出し合い推理していくことになります。
時間制限がある中で情報をできるだけ多く出すために用いられるのが「専門用語」です。
専門用語には必ず意味や定義があります。つまり、専門用語を使わなくても、例えば状況の説明などを行うことはできますが、時間がかかってしまう。

具体的な例を1つ。
人狼には「グレラン」という用語があります。
「グレラン」は略語で元の言葉は「グレーランダム」です。
そして言葉の意味としては、村人チーム(白)か狼チーム(黒)かはっきり分からないけれど、とりあえず当てずっぽう(ランダム)ででもこの人が狼チームだと思う人を選びましょうというような意味です。(端的な説明のため本来の意味から少しずれている部分もあります)
つまり、「白黒つかない(=グレー)けれど、当てずっぽうででも(=ランダム)、狼とおぼしき人を選ぼう」で「グレーランダム=グレラン」ということですね。

「村人チームか狼チームかはっきり分からないけれど、とりあえず当てずっぽうででも怪しい人を選びましょう」ということを議論で言いたいときは「グレランしましょう」と一言言えば済むんですね。

つまり「専門用語」とはコミュニケーションの効率化のための1つの伝達手段という訳です。
しかし、「専門用語」を使うにはその用語を使う側は勿論のこと、伝える相手にもその意味が分かっていなければ何の意味もありません。
「グレランしましょう」と言ったところで、相手が(グレランってなんだ…?グレネードランチャーのことかな…?)なんてことになれば意味がないわけです。

そのため、初心者向けのゲームでは専門用語を禁止したりすることで、初心者が入口で転けるのを避けようなんて取り組みもあったりします。

サッカーのお話

さて、前置きが長くなりましたが、サッカーにも「専門用語」があるわけです。その用語はルールに由来するもの(オフサイドやフリーキックなど)や選手のポジションを示す用語(ゴールキーパーやフォワードなど)戦術的な用語(ゲーゲンプレッシングやサリーダ・ラボルピアーナなど)など色々あります。

そして、サッカーの用語はカタカナ言葉になりがちです。用語の出自も英語に限らず、ドイツ語やスペイン語など多岐に別れます。

サッカーも人狼もこの「専門用語」が日常使いの日本語からかけ離れているために、初心者はここで躓くことになります。

専門用語のお話

専門用語とは、ある一定の意味を圧縮した言葉ということになります。
そして、何故専門用語が使われるのかというと、専門用語を使った方が伝達するのが効率的で楽だからですね。
ただし、この専門用語を使うためには発信者と受け手の双方が同じ理解をしておくことが必要になります。
そのため、人狼では用語集が有志で作られてたりします。()

翻ってサッカーの場合、サッカーの特に戦術用語はどこかで纏められているというよりも、個別のサッカー記事や個人のブログでバラバラに記されています。しかも個人ブログだと意味が多少違っていたりします。
そのため、戦術初心者からすると戦術ってよく分からない!ってことになるかもしれません。

例えば、戦術分析ブログを始めてみたとしても、それはどのぐらいの知識のある人向けなのかによって、文章の噛み砕き方が違ってくることになります。そもそも自身が使う専門用語の意味を履き違えていれば、記事を書いても誰にも真意が伝わらないなんてことも起こりうるということですね。

そんなこんなで、Twitterやブログ等で戦術分析が流行りの今の時代にはサッカー戦術用語wiki的なものの需要があるのかもしれないな、というお話でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?