見出し画像

日本人の心 20 LGBT法案

「性的指向並びにジェンダーアイデンティティに関する国民の理解増進に関する法律」というわかるようで分からない法律が通って国会が終わりました。この法案は東京オリンピックの前に超党派で合意されながら自民保守派の反対で一旦見送られたものです。しかし今回、岸田政権は自民党内で反対の方が多かったにも拘わらず党議拘束までかけて大した議論もしないまま、いや「骨抜き・改悪」した上で可決しました。しかも官房長官はこれは理念法案で具体的に何も変わるものではないと丁寧な説明までしていました。では何の為に岸田さんはこの法案を急いで通したのでしょうか?G7開催国として表向きだけでも先進国レベルにしたかったのでしょうか。この法案にもともと反対している人の中にはバイデン大統領夫人に異例の招待を受けた岸田総理夫人が法案成立を直々に頼まれたという人もいます。え〜奥さんに説得されて法律が出来たのか〜!そう言えば首相秘書官によるLGBT差別のとんでも発言もあったのでその挽回策だったのか、それとも同性婚問題で「社会が変わってしまう」と言ってしまったので、その打ち消しを狙ったのかな〜?岸田さんの心の内は分かりません。

それにしても自民党の右派に嫌われてまで通した法案なのに本来歓迎されるべきLGBTの当事者からも最後の最後に「全ての国民が安心して生活出来るよう留意する」という文言が入ったことで怒りを買い、全てぶち壊しになってしまいました。確かにこの文言が入ったことでLGBTの人が国民の生活に不安を与えるような印象を与えていますね。結果としてマイノリティーの人たちを理解すべきと言う法案がマジョリティーに配慮すべきと言う法案になってしまいました。もともと女系天皇を絶対に認めないと言う狂信的な右よりの人達がこの法案には大反対していて、女子トイレや女子浴場で犯罪が増えると言うゲスな心配を並べ立てていました。そんな犯罪をする人は本来LGBTの人たちではなく、それに便乗するただの犯罪者ですね。しかし、ゲスな言いがかりにも拘わらず、絶対反対と言う人たちを兎に角なだめようとして入れてしまった文言が結果として法案の趣旨と全く逆なマジョリティー保護を印象付ける「いやいやながら法案」になってしまいました。

当初案にあった「差別をしてはいけない」と言う文言はかなり早い段階でなくなっていました。「差別をしてはいけない」と言う言葉が否定されるなんて普通は考えられません。それなのに何故こんな当たり前のことが否定されるかと言うと日本では過去に「差別」を葵の御紋・錦の御旗のようにして政府から金を巻き上げて来た利権の権化・同和問題があったからだと私は思っています。差別反対と言えば役所が引っ込むことを覚えた人たちが今度はLGBTを利用するのではと言うゲスの勘ぐりです。(いや少しは真実があるかも知れません。)

岸田さんは形だけでも多様性を理解していると見せたくてLGBT法案を引っ張り出したものの、もともと信念がない為、内容についてはどんどん妥協してしまい、結局「誰も喜ばない法案」となってしまったと言うところでしょうか。これこそ世襲議員のやってしまう典型な例です。もともと高い理想を持っているわけでもなく、親が議員だから何となく自分もそうなる、でも気位だけは高いからかっこはつけようとするんですね。

私は今回のLGBT法案など無い方がよかったと思っています。それより具体的に同性婚制度を早く作り、配偶者としての利便性確保や遺産相続での不利益解消など異性婚の人と同様の権利を与えることの方がよっぽど大事と思います。これなら女子トイレとか女子浴場なんてことは反対理由になりません。LGBTの方が言っていましたが、これでそれ以外の人たちが何か不利益を被ることなど無いはずです。単に他の人と同様の権利を与えられるだけです。誰にもLGBTになれと強制していませんし、社会が変わるなんてことも絶対にありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?