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日本人の心 17 キラキラネーム

久しぶりに日本人の心を書いてみたくなりました。ここが変だよ日本人的な話に出会ったら書こうと思っていましたが、大抵は日本人批判になってしまうので控えていました。でもこのキラキラネームの話題で誰も変に思わないことにあきれてしまい流石に書いてみたくなりました。

自分の子供の名前を決めるのに政府が介入する、区役所の窓口で拒否されるなんて、人権侵害もいいところです。大事な自分の子供に親が名前をつけるそんな重要かつ最低限の権利に対していちゃもんをつける政府なんて何処にあるんだろうか?だいぶ前の話ですが、「悪魔」という名前が公序良俗に反するとか、大人になって苦労するとか言って大議論になったこともありました。

そもそも戸籍上の名前が正式には漢字だけで読み方は自由、せっかく出生届にふりがなをつけて提出しても政府は今までは黙って受け取るだけでした。いくら書面で提出しても戸籍に「ふりがな」は付けてこなかったのです。しかしパスポートを作る時にはどうしても英語表記が必要となり、その時点で勝手に読み方を作れたのです。(今は出生届のファイルと照合しているのかどうか知りませんが、私が初めてパスポートを作成した時にはチェックはなかったですね。)こんないい加減なことを令和の時代になるまでずっと放っておいて、今頃になってようやくデジタル化が進んで来たので戸籍法を改正し読み方を登記しましょうと言い出したら、何はいい、何は駄目と面白おかしくキラキラネームの大騒ぎです。

そもそも(あっ又使ってしまった!)戸籍がある国は日本くらいのものです。それも明治5年からです。台湾では戦後、似たような制度は出来たようですが本籍という考え方はないようです。韓国も戦後似た制度がありましたが、2008年に廃止されています。共に戦前は日本の統治下にあった国ですね。中国共産党が1958年に戸籍制度を導入したようですが、これは人民を管理する為のもので農村籍と都市籍があり、農村では共産主義の例外として土地の保有が認められるかわりに都市部への引っ越しは出来ませんでした。日本の戸籍制度とはちょっと違うみたいですね。(何故、明治政府が戸籍制度を作ったかと言うと、江戸時代にキリスト教弾圧の為、宗門人別改帳が作られ、その後、お寺が役所のような役割を果たしていたものを明治政府が戸籍制度として導入したからなんですね。すなわち封建制度の土台となっていたものを令和の時代まで大事にしている訳ですね。)

では世界ではどうなっているのでしょう。西洋では個人主義と言うか個人情報は個人単位で把握されていて、出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書など個人の情報として取得可能です。アメリカではSocial Security Numberという個別の番号で全てを管理していて米国籍ではない私まで登録していました。ドイツには家庭簿のようなものがあって家族を把握していますが、戸主とか筆頭者という考え方はないようです。住民票のような住所を把握するものは各国とも何らかの制度を持っていると思います。

さて戸籍の名前の読み方という本題に戻りますが、日本には漢字から派生したカタカタやひらがながあります。漢字の持つ雰囲気やひらがなの優しさなど俳句の世界でも楽しめる重要な要素になっています。なので今回も光宙で「ぴかちゅう」なんて凄〜い!面白〜い!などとあれこれ楽しんでいますね。明治政府が何故、漢字にカタカタのふりがなを導入しなかったのか不思議ですが、とにかく漢字しか認めなかった?いやそんなことはない!カタカナの名前は沢山登記されていました。私の祖母は「ウメ」でした。漢字だけではなくカタカナの名前もオーケーだったはずです。「ピカチュウ」にしたいならそれを本名としてカタカナ登記すればいいだけの話です。ただ今まで漢字で登記した名前の読み方をどうするかはこれでは解決しませんね。

日本文化の複雑性とも言える漢字、カタカタ、ひらがなの世界ですが、名前に使われた漢字をどう読んでもいいなんて荒唐無稽、ある意味相当いい加減ですね。今まで政府が出生届をいい加減に取り扱っていた結果が招いた混乱と言えるかも知れません。ではどうすればいいのでしょう?法務省が折角「人名用漢字」を決めているのですから、その漢字に使える「読み方」を決めればいいだけの話です。このキラキラネームはどうでしょうなんて区役所の窓口でのお悩み相談は止めて欲しいものです!戸籍法改正までにキラキラネームで出生届を出していた人には例外として認めるしかないでしょうね。今から名前を変えろって言ったらそれこそ人権問題です。

水彩画は青空の練習ですが、やはりムラがありますね。


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