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木原事件 元捜査一課警部補の記者会見

先日の週刊文春で前代未聞の反乱をした警部補のことを書きましたが、その警部補(取調べのプロ)が28日に文藝春秋社で記者会見を開きました。顔は出していませんが、生の声を聞いて見て、まさにドラマに出て来るような出世欲には無縁の捜査一筋の熱血叩き上げ警部補だと言う印象を受けました。まず始めに記者会見に至った経緯を語っていました。彼はもともと文春の記事を読んでいた訳ではなく、ユーチューブで木原官房副長官の本妻に関わる動画を見て、文春の記事は事件を担当した現役警察官が話したに違いないと思ったそうです。文春記者がアプローチして来た時もこのあたりの事情を探りたかっただけで自分が何かを話すつもりは全くなかったそうです。しかし前回も書いた通り警察庁長官の定例記者会見で「事件性はない」と言ったことで「自分たちがあの時やった必死の事件捜査を全て無かったものにするのか、自殺で処理し捜査を完全に終了させるのか、当時現場で自殺案件と思った捜査官などいない」と頭にきて立ち上がったそうです。

会見で新しく出て来たことは余りないのですが、タクシーのドライブレコーダーには木原夫妻がY氏のことを話していたとくだりがあり、木原氏がそれなりに事実関係を知っていたことが分かりました。ただ取調官に対してX子はY氏に電話して来てもらったことは認めたものの、その時はまだ種雄さんは生きていて二人で揉めていたが、自分は別の部屋で子供と一緒に寝てしまったので何が起こったか知らないと語っています。しかし死亡推定時刻からY氏が現場に到着した時に種雄さんが死んでいたことはわかっているので取調官がその話を信じることは勿論ありません。木原氏はX子から警察でのうそ供述と同じことを聞いていたのか、彼女が目撃した「真実」を聞いていたのかどうかは分かりません。

取調官は現場の人間なので木原氏の具体的な役職も知りませんでした。なので木原氏の介入などの政治圧力については知る由もありません。ただ当初、木原氏によって拒否されたX子の任意聴取が、二階自民党幹事長が捜査に協力しろと言ってくれたことでスムーズに行くようになり合計10回ほど事情聴取が出来たと話していました。(上司から聞いた話)取調官から言及があった政治家は二階氏だけでとても感謝していました。う〜〜ん!しかしX子の事情聴取があり実家の家宅捜査が入ったその日に木原氏は自分のケツは自分で拭けとばかり自民党の情報調査局長になっているのです。二階氏はやはり食えない狸親父ですね。捜査を進めさせ状況を逐次報告させることで岸田側近の弱みを握る一方、何かあっても自分は極めてまっとうなことを言っただけと言うことになります。そして今やひょっとしたら岸田下ろしの為に動いている可能性さえあるのです。怖い怖い!!

取調官は遺族のことも大変気にしていました。遺族担当による捜査開始の挨拶はもちろん、最終的には事件ではなく自殺または事故だったら間違いなくその旨を告げます。殺人事件なら犯人を挙げた、またはこういう事情で犯人は挙げられていないが、引き続き縮小しても捜査を続けるなど、何らかの説明が遺族に対してなされるものだと言うです。しかしこの事件だけは十数年の捜査一課での捜査で一度も経験しなかった「突然の捜査終了」「遺族への挨拶なし」と言うものでした。この異常な捜査中止に対して取調官だけでなくこの事件に携わった多くの警官が不審に思ったそうです。ただ元取調官が週刊文春に話した以降は昔の仲間からのコンタクトは一切なくなったそうです。

来週以降は週刊文春は木原氏の捜査介入についての記事になって行くと思いますが、今だに大手新聞社やテレビ局はこの事件を正面から報道することはありません。官房長官会見での質疑応答で当初は週刊誌の記事にはコメントしないと木で鼻を括った回答としていた松野さんも「木原氏はなんら圧力などかけていないとの報告があったことを承知しております。」と少しだけコメント量を増やしています。でもこの記者会見自体テレビで報道されることはなく、まだまだ国民の大半はほとんど何も知らされていない状態が続いています。警察の不正や隠蔽、議員の捜査介入など民主主義の根幹に関わる問題なのですが、政権政府を監視すべき日本のマスコミは一体どうなっているのでしょうか?飼いならされているのかびびっているのか、警察庁長官が記者会見をしたことで殺人事件も自殺になってしまい、本来捕まるべき殺人犯はこのまま野放し状態になってしまうのでしょうか。

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