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木原事件 5人の嘘つき

今日の週刊文春ではなんとなんと絶対に警察の人しか知らないことを書いています。それも幹部の密室での会話です。

7月13日に国府田捜査一課長が木原夫人の元夫の不審死について「事件性はない」「自殺として矛盾はない」とコメントしたことを受けて、同日露木警察庁長官は記者会見の場で捜査は法と正義に基づき適正に捜査されており事件性はないと警視庁が言っていると間接的ながら事件性を否定しました。この会見を見て「事件性がない」なんてとんでも無い、それなら事件だったと言うことを全て語ってやるとして延べ18時間の取材に応じました。その記事が文春オンラインに載った7月26日の夜、警視庁刑事部長の執務室には刑事部幹部の3人が集まり対応を協議していました。

露木警察庁長官から「火消しをしろ」と厳命を受けた重松刑事部長、刑事部ナンバー2の井ノ口参事官、既に13日に事件性なしと言ってしまった国府田捜査一課長の3人はいろいろな議論をしたようですが、最終的には事件性なしで押し通すことを決定します。実は栗生官房副長官(再捜査当時の警察庁長官)も露木警察庁長官に電話をして「どうにかしてやれよ」とまるで他人事のようなことを言っていたようです。あれれ~。警察庁長官や栗生氏の発言や刑事部長の執務室での会議のことを誰が文春記者に喋ったのだろう。勿論盗聴マイクや秘書が同席していた可能性もゼロではありませんが、私はノンキャリアのトップ井ノ口参事官が漏らしたのではないかと想像しています。今年2月に新宿警察署長から本庁の参事官(警視正)となった井ノ口氏は警察人生の最終ステージでもあり、この事件の再捜査を担当した小林捜査一課長のあとですが、2020年に捜査一課長も経験しており、事件がもみ消された当時の捜査官の悔しさを理解していたのではないでしょうか。ついでに重松刑事部長の経歴を調べてみたら昨年刑事部長になる直前は本庁会計課長、その前は刑事企画課長と言うことで事務が得意の方のようです。勿論キャリアの方で若くして青森県警本部長も経験していました。一方、捜査一課長の国府田氏は直前までは鑑識課長ということでノンキャリの中ではエリートコースのはずなのにどこで魂を売ってしまったのですかね。

これは事件です。事件は現場で起こっている、会議室で起こっている訳ではないと何処かで聞いたことがありますが、この第3の隠蔽はまさに会議室で起こっていたのです。大塚署の事件を隠蔽した警察ですが、大規模な再捜査をしたということは事件性があったことに他なりません。裁判所にも納得してもらい殺人容疑での家宅捜索状まで取っているのです。しかしながら、警視庁の逮捕に向けての並々ならぬ覚悟にも拘わらず、ぎりぎりのところで警察庁トップから止められてしまいます。この第二の隠蔽は「大塚署による隠蔽」を隠くそうとした訳ではありません。残された資料やY氏の証言などから自殺ではないことが明らかなので大塚署の隠蔽など無視して捜査を続けたのです。容疑者が木原氏の妻または親族だと言う真実に近づいたところで第二の隠蔽は行われました。そして今回の隠蔽は警察トップが政治介入を受けて捜査の中止を命じたと言う不都合な真実を隠蔽する為に第一事件の事件性を否定して、結果として「木原氏の近くにいるはずの真犯人」も「大塚署による捜査の隠蔽」も隠し続けているのです。

でも井ノ口氏の実質的な実名告発(多分)により、事件は現在進行形となってしまいました。我々は警視庁捜査一課長が嘘をつき、その結果、犯人が野放しになっている現実を目撃しているのです。一般企業でも社長に言われたら課長クラスは言うことを聞かざるを得ません。結果として企業犯罪に手を貸すことになることもあり得ます。日本には昔から「裏切り」を最悪最低なことだとする風土があり、私も現役時代に組織を優先し犯罪に目をつぶったことがありました。その時はこれが会社の為だとして自らをなんとか納得させていたのだと思います。でも凶悪犯罪を糾す警視庁の捜査一課がそれをやってはいけないと思います。それが警察組織の為だとは絶対に思えません。犯罪を見逃すことは犯人に手を貸すことであり、それを個人の出世欲などで納得させることなど絶対出来ないと思います。多分、上司の命令には逆らえないと言う警察組織特有のものがあるのでしょう。でもそれでは上司の犯罪を追求することなど出来なくなります。いや監察官がいて警官の不祥事もちゃんと追求していると言う声もあるでしょう。でも捜査一課長が殺人犯を黙って見逃していて本当に悔いはないのですか?国府田さん!今からでも遅くないです。実は上司にこう言えと言われたと言えばいいだけの話です。

嘘が嘘を呼ぶことは明らかです。8月9日に世田谷署に呼ばれた種雄さんの父親は質問していた2つの疑問について捜査一課特命捜査一係長のW氏から噴飯ものの説明(嘘)を聞いたそうです。

・刃物に血液が付いていなかったのは刃物を抜く時に硬直した筋肉によって拭われたそうです。これは素人でも嘘だと分かりますね。

・廊下の血痕は遺体を運ぶ時についたそうです。でも佐藤元警部補の話では数時間経って運び出される遺体の血液は既に凝固しているし、もともと遺体はチャックの付いた灰色の遺体ケースに入れて運ぶので血痕が滴れることは100%無いのです。

W氏は多分これが嘘だと十分に知っているでしょう。まさか遺体袋の存在もしらないなんてありえないですね。でも上司の命令で苦し紛れの説明をしたのでしょう。こうやって嘘つきがどんどん増えていくのを見ていられないですね。

今回はinagakijunyaさんの写真をお借りしました。ありがとうございます。

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