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木原事件 朝日新聞記者の苦悩

またまた木原夫人の前夫不審死の話です。でも今回は事件そのものの推理やそれを隠蔽する警察、再捜査を突然中止させた疑惑についてと言うよりも自民党内部の駆け引きとそれに翻弄されている(と私が勝手に想像している)新聞記者の苦悩です。

週刊文春がこの疑惑を報道し始めた頃から元朝日新聞の佐藤章氏を始め一部の人の間では「これは二階前幹事長や菅グループによるリーク」ではないかと言われて来ました。なるほどと私は妙に納得しました。この報道の前に可決されたLGBT法案に対し自民党右派は猛反発していて、アメリカの言いなりの岸田首相、エマニュエル米国大使の御用聞きの木原官房副長官憎しの雰囲気が醸成されていたからです。文春報道が始まるといつもは自民党寄りの右派の政治評論家は盛んに木原追求を始めました。岸田寄りと思われた森山選対委員長さえわざわざ記者団の前で木原氏はもう止めた方がいいと言い出しました。しかしながらそれでも大手新聞社がこのことを伝えることはありませんでした。人が亡くなった事件なので慎重になるだろうし、まして内閣の重要人物が絡むとなると御用新聞やテレビは報道しにくいだろうなと想像はつきます。でも遺族が記者会見をして再捜査を要求し、実際に木原夫人の取調べを10回も行った元取調官が実名で記者会見をしても、大手メディアは木原氏は事実無根だと言っているとの官房長官の虚しい言葉を報じるだけで正面からこの事件を報道することはありませんでした。いつから日本のメディアはこれほどまでに政府に飼いならされ、忖度するのかと私も日本のメディアいや日本そのものに絶望していました。

しかし、元毎日放送アナウンサーの子守康範氏が激怒していた朝日新聞記者のツイッターコメントを聞いて「あるシナリオ」が頭に浮かびました。子守氏は報道当初から文春の味方で何故メディアはこの事件を報道しないか、政府に対して質問さえ出来ないのかと憤慨していました。日本のメディアが死んだ日とも言っていました。その子守氏はずっと朝日新聞の応援団のようでこれは批判ではなく愛のムチだとも言っていました。そんな子守氏が紹介してくれた朝日新聞記者のコメントはこんな感じでした。「ある事件で文春は根拠薄弱なことを素人を使い記者会見まで開いて語らせて、ビュー数を稼いで喜んでいる。そして人権意識の欠如した質問をした人たちも反省すべき」と批判しています。私もこのコメントを聞いて始めはとてもびっくりしました。左派の代表新聞と思っていた朝日新聞の官邸担当記者までこんなコメントをするのか!本当に日本のメディアは終わったなと思いました。でもこの記者の名前が鬼原(きはら)でした。ははん!これはなりすましによるフェイクコメントか?と思いました。でもそれ以前のツイッターもちゃんとあり本人によるコメントで間違いないようです。このツイッターには多くの批判コメントが殺到したようで子守氏が翌日のユーチューブで鬼原氏自身の反論投稿を紹介していました。「今は何も言わない。いずれその日が来たら話す」と謎めいたコメントを残しそれ以上のことは何も言っていないようです。

子守氏はこの反論コメントに対しても一体いつ何を言いたいのかと怒っていましたが、私はこの反論を聞いて今までの大手新聞のだんまりの意味が分かったような気がしました。ここからは全く私の想像ですが、二階・菅派によるリークは当初朝日新聞に持ち込まれたのではないかと思うのです。勿論露骨に持ち込まれたとは思いませんが、それでも朝日新聞は自分たちが利用されると感じ取ったのではないでしょうか。政府批判が得意な朝日新聞ならきっと報道してくれると思って流した情報がいっこうに流れず、仕方なく二階・菅派は新聞社とは無縁の週刊文春にこの情報を持っていったのではないかと思います。新聞記者仲間ではこれは自民党の内部抗争の話で「筋の悪いニュース」だと言われていたのかも知れません。文春砲が炸裂したあとも新聞社がそれを追いかけることはありませんでした。事情を全て知っている官邸担当の鬼原記者にとっては自民党右派を助けている週刊文春は憎たらしく思われたのでしょうね。お前らは二階・菅派の手先になっているだけだぞ!何をしているのだ!と。朝日新聞としてはいつか岸田下ろしの真相を記事にしようと思ってはいるが今は言えない。そんな鬼原氏の歯軋りの音が聞こえるようです。

この件については今のところ野党側もほぼほぼ静観しています。勿論、国会閉会中であり岸田総理に追求する場面もありませんがどこか不思議な感じもします。彼らも官邸担当記者と同様の情報を得ているからなのでしょうか?

しかし二階前幹事長の策略には乗らないぞと言う気持ちは理解出来るにしても、このような不祥事が不問にされ殺人犯が野放しになってもいいということにはなりません。やはりこのままでは大手メディアは安全地帯にいて言われたことだけを報道する新華社やプラウダになってしまったと言われても仕方ありません。

ここで想像を出来るだけ排除して再捜査以降の事実関係だけを並べてみたいと思います。

・2018年4月大塚署の女性警官が署に残っていた資料を見て自殺で処理されていた本件を不審に思い本庁に連絡しました。捜査一課特命捜査対策室で検討し、捜査一課長も事件性を確信したことから40人体制の合同チームが出来た

・2018年6月捜査一課の取調べのプロ佐藤誠取調官が合同チームに呼ばれた

・2018年10月9日に裁判所の正式許可を得て南大塚の木原氏別宅とX子の愛知県にある実家が家宅捜索された(東村山の木原氏本宅は国会議員の家と言うことで除外されたのかは不明)つまり事件性の有無どころかX子及びX子の親が重要参考人であったことは容易に推定される(愛知県のガサ入れにはテレビクルーも来ていたという未確認情報もある)

・2018年10月の後半に捜査の中止を告げられた(国会開催中は捜査をしないとの約束があったと言う話)その後、なし崩し的に捜査が終了したのは事実、その間、捜査陣が自殺だと判断した事実・証拠は一切ない(あるなら出してくれと佐藤元取調官が言っている、メディアもここを追求すべきです)

・その後、今回の報道があるまで家族に対し自殺だと言う警察の判断は伝えられていなかった

以上のことから5年前に自殺と判断した理由いや事実など一つも見つからない

ところが7月13日に警察庁長官は警視庁が適切に捜査した結果、事件性はない、自殺と判断して矛盾はないと定例記者会見で言ってしまいました。知りもしないでこんなことを言う訳はなく警視総監と十分打ち合わせをしていたはずです。警察OBの評論家が言うには警察は国会議員がなんと言おうと捜査を中止することなどないと断言しています。中止したならばそれは上司の命令以外ない、つまり捜査一課長は上司の刑事部長、警視総監からの命令でしか動きを止めないはずだとしています。当時、警視総監や警察庁長官にものを言えた政治家しか本件を中止に出来ないと言うのです。当時の総理大臣は安倍さん、官房長官は菅さん、国家公安委員長は小此木さんでしたがこの年の10月2日に安倍派の山本氏と交代しています。この時の自民党トップは二階幹事長ですがテレビドラマのように直接警察に物を言うのはなかなか難しいでしょう。さて現在の警察庁長官に自殺と言わせたのは一体誰なのでしょうか?もちろん5年前に露木警察庁長官は警察庁刑事局長だったので当時の事情は十分知っていたのかも知れません。いずれにせよ、メディアは警察に逆らうことは出来ないと言うのでは残念ながら日本が世界の笑いものになっても仕方ないですね。

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