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「占いはどこから来て、どこへ行くのか?」 1・最近の占い事情

大仰なタイトルでスミマセン汗!占いオタクが占いと心理学について考察してみた駄文です

卜占(ぼくせん)と命占(めいせん)

「最近、占いが変わってきた」という話を、占い師同士ですることがあります。
もちろん、その時代時代で、いろいろな占い……動物占いや足裏占い等……の流行があるのは当然ながら。そういった個別の流行廃りとは別に、もっと大きなくくりで、占いへの興味関心が、変わってきているのを感じるのです。
一言で言えば「命占(めいせん)から卜占(ぼくせん)へ」という大きな流れです。

命占というのは、生年月日を使う占いで、ホロスコープや命盤を出して占います。
卜占というのは、カードやサイコロや筮竹などを使って、偶然から結果を導き出す占いのことです。
もうひとつ、手相や人相など形で占う相術という占いがあり、すべての占いはこの3つのどれかに分類することができます。

近頃は、このうちの卜占で占う占い師と、卜占を希望する相談者が両方とも増えています。そう感じているだけなのかなと思っていましたが、占い師の月影仁先生が、Googleトレンドで分析してくださって、実際に、卜占のタロットカードという単語数が右肩上がりで増えているのに比べて、占星術や四柱推命などの命占が増えていないことが数字として分かりました。

これは何を意味しているのでしょうか。
これまた一言でいえば、「価値感が大きく変わる時代」だからではないかと、私は考えています。

教科書的な命占が通用しなくなってきている

命占では、生年月日から、その人の気質や性質を導き出し、吉凶を診断します。この吉凶診断に、その時代時代の、「価値感」が入るわけです。
けれどこの価値感が変わってしまっているから、前時代の人生診断がそのまま当てはまらなくなってきているのです。

具体的な例をあげると。
たとえば吉凶がハッキリしている東洋占いでは、お金持ちになること、出世すること、結婚して子供を持ち子孫繁栄することイコール吉、いい人生と決まっています。けれど、子供を持ちたくないと思う人もいます。結婚しない人生を謳歌している人もいます。老人世代には分からない価値感かもしれませんが、出世したくない若者も多いのです。責任ばかり重い店長になるくらいなら、バイトのままでいいと考える若者がいます。お金も、何もせずに手に入るなら多くあるほうがいいかもしれません。けれど、苦労してお金持ちになるよりは、低収入でも自分らしく暮らせる生き方を選ぶ人もいるのです。
実際の占いの現場では、「教科書的な解釈では吉」なのに苦しんでいる人や、「教科書的には凶」なのに楽しそうな人もいます。そういう場合、占い結果を、適切に現代的な解釈で伝えられるかどうかが、占い師の腕の見せ所になってきます。

東洋占いより吉凶診断がゆるい西洋占星術でも、時代によって吉凶の解釈がゆるやかに変わってきています。
また東洋西洋占いともに、恋愛結婚は、「男女」を基本としているのですが、現代では、LGBTさまざまな性自認の人がいるとともに、恋愛の形もさまざまです。

男女のありかた、働き方、お金の意味、情報収集の方法、いろいろなことが、数年単位で変わっていく時代です。

かつては、誰にとっても理想的な人生が決まっていました。
たとえば人生ゲームのルールが決まっているように。
人生ゲームで、より多くのポイントをためて、人より先にゴールを目指すために、自分のスペックを知り、効率よく戦略を立てるために、命占が役立ってきたのです。
けれど、現代の人生ゲームは、ルールが変わってしまいました。
命占はいつの時代も「理想的な人生モデル」とともにあったのです。

命占の西洋占星術も、四柱推命も、何千年もの年月をかけて練り上げられてきた集合知です。価値感や社会の仕組みが変わっても、人間の根本は変わりません。これから先もずっと伝えられていくでしょう。ただ、これまで以上に、時代にあわせた新しい解釈が必要となってきます。

命占を使う占い師が増えない理由


命占はただでさえ、難しいのです。仕組みが複雑で学ぶことが多いため、占いのなかではかなり難易度が高く、何年も学ばないとものになりません。この、「簡単に身につけられない」という点も、命占を使う占い師が増えない理由です。

では、命占ではなく、卜占は、簡単に身につけられるのでしょうか?
占術にもよりますが、少なくとも命占よりは難しくないと言えるでしょう。そしてそこがまさに、卜占に注目が集まっているもうひとつの理由です。
カードなどの卜占は、初心者でも手軽にできるのです。

卜占に分類される占いは、タロット、ルノルマンカード、ジオマンシー等……今、右肩上がりで増えている占術ばかりです。

次回は、卜占についてもっと深く考察してみたいと思います。

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