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東京下町の至宝『宇ち多゛』お一人様攻略法

こんばんわ。

もしくはこんにちわ、と言うべきでしょうか。キリヲです。
京成押上線の電車内にて、アナタのそばにこの投稿があることを祈っております。


散々ラーメン二郎に関することをあーじゃこーじゃ言いながら投稿してきました。散々あーじゃこーじゃ言いました。

全店舗制覇に関しては6年もかかったし、その間に神保町やその他の店の魅力に引き込まれては道を閉ざされてきた、なんて言い訳を積み重ねてきたわけです。

白状します。私はとんでもない浮気性です。

ラーメン二郎が大好きとか言いながらも四谷三丁目駅近く杉大門通りにある店で「太゛郎」とかほざきながら悪魔的なラーメンを食べていたし。

早稲田通り沿いのゾンビになっていたし。

目白通りの店に並んでは「世界最強の茹で置き麺美味え」などと言いながら

ラーメン二郎のことをすっかり忘れて味噌っ子になっていたし。

私にとって2020年最大のブームはカレーだったことは言うまでもないのだ。
我がブログの読者に対しては本当に申し訳ないとしか言いようがない。


そんな私がブログにも書かずにひたすら通っていた店が…京成立石駅のほど近く、葛飾区立石にその魔窟は存在する。

レペゼン立石仲見世通りの『宇ち多゛』である。

終戦直後に開店し、現在は三代目が仕切るこの店の魅力を私に教えてくれたのは、ラーメン二郎やその他ラーメンについて造詣の深い先輩であった。

そもそも我々、『劇場型』の店にもっぱら弱いんである。

どういうことかというとまぁそれは、宇ち多゛の雰囲気を見て感じ取ればわかる。
それはむしろ…「見て感じ取らねばわからない」とも言えるだろう。

宇ち多゛…昼呑み夕呑み、もしくは朝呑みのオアシス

宇ち多゛…それは、京成立石駅の改札をくぐり、南口側の階段を降りて約1分のところに見つけることが出来る大人のデ◯ズニーランドだ。

仲見世通りの商店街、その2つの通りにこの看板を掲げた店の行列を…見たことのある人は見たことがあるだろう。

この場所こそが東京昼呑み酒場の聖地の一つであり、我々を掴んで話すことのない魅力に溢れた店だ。

その魅力…中毒者続出

その宇ち多゛で楽しめる品は至極単純。

酒・もつ各種・煮込み・お新香

この4つのみだ。

普通の居酒屋に行ってみれば、どう考えたってこれ以上の魅力がある。
様々なフードメニュー、ビールの他に様々なサワー類。
贅沢をすれば焼き飯や焼きそば、カレーなどの炭水化物も堪能することができる。

居酒屋一つで食に関するフルコースが楽しめる。それが現代の居酒屋の在り方の完成形とも言えるわけだ。

この店には、それがない。
だが、足りないものを補うものはいくらでもある。そもそも「飲む」「食べる」という概念とは別の、「呑む」であったり「打つ」という表現が正しい。

我々は『雰囲気』『緊張感』を肴に「打つ」のである。

明らかに30年くらい通っている常連さんや、昼間からスーツ着て呑んでるリーマン、もしくは何をしているのかわからないアーティスティックな若者が一切迷いなく注文しているのを見ていると、一見さんは全くどうしていればいいのかわからなくなる。

ぶっきらぼうなあんちゃんが注文に対して一瞥しただけでその注文を復唱する。どう考えたって注文が通っているとは思えないのに、30秒〜5分後にはその注文の品が目の前に到着するあの感動。

一口パクつけば嗚呼…こんなに美味いものがあるのだろうか。

そこのハードルを超えたところに得られる快感は至高のものだと言える。
私はここに、そこに至るまでの指南書…を、補足するようなコンテンツを確立したいと思っているのである。

入店まで

約40席の店内席は常に満席だ。夕方ころになればサクッと入店できるが、基本的には少し…もしくは1時間半以上並ぶこともある。
(土曜の開店前は整理番号制になりました。)

俗に言う「レア部位」なるものにありつくためには確実に、開店と同時に入店せねばならない。その安心感を得るために必要な時間は1時間半だ。
現在は平日なら12時、土曜日の7時半には店頭前に居なければならない。

開店前の行列は、「表」と呼ばれる看板の方と、「裏」と呼ばれる列の2つでコントロールされている。
基本的に開店後の行列は「裏」と呼ばれる方に形成される。

その時間帯に並んでいる人々は基本的に常連の皆様なので、並び方や雰囲気はしっかりと感じ取りつつ、わからなければ聞いてみるほかないわけである。

平日であれば14時開店、土曜日であれば10時(最近ちょっと早い。9:40には皆揃ってる。)開店が基本だ。前後することもあるので、そのあたりはツイッターやらその他SNSを確認しておく必要があるので、注意されたし。

開店後は基本的に「裏」と呼ばれる方に行列を形成する。行列の方法も日によって少し変わることがあるので、やはりこれも到着の瞬間に観察し判断する力が試される。わからなければ並んでいる人に聞いてみよう。何もわからずに並ぶより圧倒的にマシである。


お一人様コース大攻略法

私がこの記事を書こうとした際に一つ、考えたことがある。
それは、インターネット上にある宇ち多゛の攻略サイトには
「とりあえずこれを飲んでおけ・食っておけ」が弱いのである。

私はここに!
極めて主観で!!

かつ皆様が満足できそうなブツを一つ一つ紹介していく次第である。
基本的にもつ焼きについては1皿250円、二人以上でオーダーできる「大きいの」は1皿500円!これを超えるメニューはないので、しっかりと皿の枚数を数えながら堪能してほしい。

注文時にそっけない態度をとられたとしてもちゃんと注文は通ってますのでご安心!
すみませーんと声をかけるよりもまずはっきりした声で注文!
到着したら「ありがとうございます」と声をかけよう!

・ビール

この店に生ビールは存在しない。まずはこの瓶ビール(大瓶600円もしくは小瓶400円)で喉の乾きを潤そう。
ここで飲むキリンラガービールは至高の味わいだ。

・タンナマ

こ、これは!?!?!?

これぞ我が宇ち多゛オーダー率ナンバー2!豚の茹でタンことタンナマである。
ビールのオーダーを済ませ、卓にドカッと置かれたタイミングで「何にする?」と聞かれればまずは調理済みのメニュー、ボイルしただけの「ナマ」で胃袋を慣らしていくのがベストだ。慣れた方で平日なら「シンキ」もあり〼!

おおよそただの豚タンとは思えないしっとりとした舌触り、コリっとよりもサクっとした噛みごたえが嬉しい。そして濃厚な肉の味…これを最高と言わずになんと言おうか。
何も言わなければ醤油だけがかかってくるが、お酢コールをすれば酢がかかった状態で提供される。

二人以上で行けば「大きいの」(400円)のオーダーも可能だ。仲良く楊枝かお箸でつついてほしい。

・煮込み

ここ宇ち多゛の煮込みは東京5大煮込みなどと言われているほどの逸品だ。
野菜やこんにゃくなどが一切入らない、豚のモツを味噌ベースのスープで煮たのものだが、様々な部位の混在により、全く飽きることなく楽しめる。特定の部位の多めコールも可能だが、まず始めは様子を見ながら堪能し、慣れたお客さんのオーダーを聞いて学んでから再挑戦してほしい。
私の好きなオーダーは「アブラんとこ」だ。

・アブラ

とうとう真打ち登場!!私のオーダー率300%!!「アブラ」である。

アブラタレ

アブラ素焼きお酢

アブラシオ

その他、煮込みの汁にくぐらせた「アブラミソ」と「アブラナマ」も存在するが、私の心を掴んで離さないのはこの上記3つだ。

どうやらアブラと言ってもバラ肉ではなく、首から顔にかけての付近の部位らしい。
一口噛めば嗚呼…じゅわっと滲み出る肉汁、タレの甘み、素焼きしたものにかかった醤油とお酢、もしくはから目に振られた塩が旨味を最大限に引き立ててくれるのだ。

また、焼き具合を若焼き・よく焼きにすることによってもまた味わいが変わってくるのも楽しい。
ダイエット大国となったこの日本において、豚の油脂分を合法に摂取できる店は矢張りなにかの魔力をまとっているのである。

・ダイコン(お新香)

基本のメニューとしてきゅうりと大根のセットであるお新香が存在するが、私が好きなのはこの、大根のみのお皿である。

隠しメニューでもなんでもなく、お新香とダイコンのオーダー比率はむしろダイコンが圧倒している印象すらある。

若干の酸味を感じるサクッとしたお漬物が、口の中の肉々しさを解消し、酒の肴としての最適解となってくれるわけだ。

無類のダイコン好きが二人揃えば大きいのも可能だ。
ちなみに紅生姜はオプションなので、まずは「ダイコンショウガノッケテお酢」とコールしてみよう。


・梅割り

ぶっちゃけこれで真打ち登場。
粉砕!玉砕!大喝采!の拍手鳴り止まぬベスト・オブ・東京ドリンクである。

タカラ焼酎25°をなみなみに注ぎ、梅シロップを1滴垂らす。
極めて焼酎のそれのはずなのに、シロップが1滴たらされるだけでここまでの甘みと風味が出るものか。ただしこれが「梅」なのかというと、それもまた疑問だ。
ようは美味いからこその大正解なのだ。我々はこのフレーバーを鼻に通すだけでエクスタシーを感じてしまう始末なのである。

基本的に梅割りは5.5杯、店の方から止められればそこで終了というシステムだが、ぶっちゃけ初体験で5.5杯は難しい。大抵、2杯目くらいで飲む口が止まる。

それで十分に堪能できるのだ。

帰り際、席を立つときには立ちくらみに十分気をつけてほしい。


終わりに…注意事項と自宅で気分を味わいたい方へ

いかがでしたでしょうか。

基本的には既存する入門書(ネット記事)などを補足するための文章としてここまで書いてきましたが…

もう少し書いておくこととすれば、
「入店前にトイレに行っておく」
「並ぶ際はマスクをしておく」
でしょうか。

トイレに行くのも結構難しい雰囲気ではあります。一人で並んでいてその場を離れた場合、戻ってきたときに元の場所に戻るのは横入りだと勘違いされる可能性もあります。

こういうときは助け合いなので、ぜひ一言、後ろに並ばれている方にトイレの旨を伝えて離脱しましょう。


そして今年、画期的な商品が登場しました。

タカラ焼酎から梅割り風チューハイが販売されたのです。

自宅、お外、通勤帰りの電車のホーム(ネタにしていますがやめましょう)などで梅割り風のフレーバーを楽しむことができるこの商品。
売上の一部は葛飾区の子ども食堂への寄付がされる下町人情あふれる仕様になっています。

奥さん…今、スーパーで買えばお買い得です。

お父さん…Amazonでまとめ買いすればもっとお得です。

家でこれをグビッとやりながら宇ち多゛に想いを馳せるのもよし。

精肉の強いスーパーでカシラやタンを買ってきて自作宇ち多゛風モツを楽しむのもまたよし。


時が来たらぜひ、この投稿を片手に葛飾区京成立石駅にて電車を降りてみていただきたい所存です。


レペゼン葛飾のこの看板前で気持ちを高めよう!!


※問い合わせがありましたが、
キャップ購入については店頭のみ、だと思います。

出来れば飲み食いして帰ってね❤️(大きな声では言えないけど、酒なしで烏龍茶だけでもいいのよ多分)

↓たまにここでも売ってます。


筆者の宇ち多゛訪問記については下記Instagramアカウントをフォローください。

https://www.instagram.com/kiriwokei/


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