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連載:【「ラーメン二郎」は「ラーメン」ではないのか】第一夜…『カテゴライズ』



ラーメン二郎はラーメンである。それ以上でもそれ以下でもない。

それを、なんか、一度に3000字とか書くと「長え」とか言われる(実際にLINEで言われた)ので、とりあえず今回はそのことについて少しずつ書いていくことにした。今回の文字数についてはおおよそ2000字だ。
懸命なる諸君であれば5分もあれば読むことが出来る。実際に私が執筆に要した時間は30分弱である。



小難しいことを小難しく説明しているnoteがはびこる昨今ではあるが、そんな中でも私は同じ穴の狢として、小難しく書いていく。
ただし、特に引用文献も出さずに、あえて持論のみで攻めていくことだけはお許しいただきたい。
学術的な文献として見られるのも、どうもアレではある。


しかしながら、ラーメン二郎という食い物を、もっと「概念的な」方法論をもって解読していき、「そういう言い回しが好きな層」にわかってもらえるような文章を書いていきたい。
並び方がどうとか、各店舗のメニューがどうとかいう話はここには一切出てこない。そういう解説をしたためたブログは世の中に腐るほどある。
ここに記していくのはあくまで精神論である。
言ってしまえば「民明書房大全」のようなものだ。安心して読んでいただきたい。


「ラーメン二郎」は「ラーメン」なのか

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ラーメンである。

単純明快だ。ラーメンである。

ラーメンとは、小麦で練られた麺が、動物や食物を煮出したスープに浮かべられた食べ物である。これは、学術的な定義付けとかそういったものではなく、あくまで私の感覚によるものだ。
ラーメン二郎は、その範疇から出ることはない。ラーメンである。

ただし、そこに込められた「粋」のようなものは、もしかするとどのラーメン屋にも見られないものかもしれない。このことについては後に語っていくこととなる、太゛郎



ラーメンの形態は、非常に多岐にわたる。


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今でこそ、ラーメンの形態はもはやよくわからないほどの種類の派生が成された。
基本的なもので言えば、醤油(正油)ラーメン、味噌ラーメン、塩ラーメンが挙げられる。
各地にある派生系の中でも代表的なもので言えば、九州北部を発端とする豚骨ラーメンが挙げられる。北海道を発端とする味噌ラーメン、とりわけ「純すみ系」と言われるものは、明らかに特有の個性を持ったラーメンだ。これは私のフェイバリットラーメンのひとつなので、今後そのことについても触れていきたい。
話が逸れたが、上記のようなカテゴリのラーメン以外にも、福島は喜多方地方を発端とする喜多方ラーメン、新潟は燕三条ラーメン富山ブラック徳島ラーメンなど…広義的な地方を切り取れば、京都ラーメンや、九州でも豚骨ラーメンから派生した様々な特色が見て取れる。
他にも、はじめは小さなラーメン屋から始まった一大チェーン店の系譜などもある。家系、ラーショ、山岡家や、京都ラーメンのひとつである天下一品など…枚挙に暇がない。


ラーメンをカテゴライズするもの…「カエシ」「タレ」の存在

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しかしながら、そのどれもが、醤油、味噌、塩といった概念から解き放たれることはない。どうもそれは、「スープを味付けする塩分」の大本がカテゴリとして、アイデンティファイするものになるようだ。

九州出身の人間に「豚骨ラーメンとは」という質問を投げかけても、「豚骨ラーメンです」という回答がまず戻ってくる。深く味わい、且つ、その作り方を掘り返してみても、博多ラーメンに代表されるラーメンのその「カエシ」と呼ばれるタレは、おおよそ醤油と塩をベースとして旨味を加えられたものにほかならない。千葉県富津市発祥とされる「竹岡式」と呼ばれるラーメンも、カテゴライズするとすれば醤油ラーメンである。

どの概念からも、これらの前提から外れることがない。恐るべきことに、だ。あるとすれば「カレーラーメン」くらいものものだが、あれも結局のところを突き詰めれば、塩で塩分をつけることになる。本当に、重箱の隅を突くような言い方をすれば「塩ラーメン」である。

喜多方ラーメンも、京都ラーメンも、富山ブラックも、尾道ラーメンも全て、味付けに使われる「カエシ」と呼ばれるタレは醤油がベースだ。そういう意味では、この世の大半のラーメンは醤油ラーメンである、と言えなくもないだろう。


ラーメン二郎は醤油ラーメンである。

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「ラーメン二郎はラーメンではなく、ラーメン二郎という食べ物である」という名言がこの世の中を席巻してからすでに20年ほどが経過したが、結局のところ、ラーメン二郎は「醤油ラーメン」である。

ラーメン二郎も結局は、膨大な動物性の出汁ガラを使用したスープにて、「醤油」をベースとしたタレ、カエシを割ったものがスープになる。
それを考えれば、あくまでラーメン二郎とは「醤油ラーメン」の形態を出るものではない。

派手な見た目、数々の都市伝説、2chを発端したコピペなどがその神秘性を高めてきたラーメン二郎は…単なる醤油ラーメンである。

それを、ご理解いただきたい。



恐れることはない。ラーメン二郎は醤油ラーメンだ。

その上で、ラーメン二郎の特異性について、今後数回に渡って触れていく。

次回のテーマはその「ヴィジュアル」についてである。






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