読書記録:片田珠美「拡大自殺 大量殺人・自爆テロ・無理心中」


読書記録:片田珠美「拡大自殺 大量殺人・自爆テロ・無理心中」

はじめに

一年前に読んだ本の感想を書いたノート、の写しを読書記録の初投稿にします。
昔は「著者・タイトル・出版社・年・(感想を)書いた日・読んだきっかけ・感想・まとめ」を読書記録として書いていました。

著者・タイトル・出版社・年

片田珠美『拡大自殺 大量殺人・自爆テロ・無理心中』角川選書 平成29年

書いた日

2023/02/09

読んだきっかけ

・社会病理の本棚でたまたま見つけた本です。電車内で視線を感じる…。
・タイトルの「無理心中」は親子心中・介護心中について。あと、どの項目でも実例が挙げられていて、イメージしやすいです。


感想

P14. J.レヴィンとJ.A.フォックスの「大量殺人の心理・社会的分析」で挙げられている六つの要因、自分が前から知ってた事件とかなり一致してた。⑥大量破壊のための武器の入手は馴染みがなかった。(日本だから?) あと海外の例で、人種が結構キーポイントになってた。
第2章、自爆テロと自殺願望(P48-) 自爆テロと自殺ガンボの関連性に初めて気付いた。結末の覚悟…と。 自殺は敗北⇔殉教は勝利(P51) これを信じてテロを決行するくらい魅了?されるくらいの状態に加害者は置かれていたのかな、と考えた。兄弟テロリストの例を読んで、生いたちとかが気になった。自爆テロ・警官による自殺で遺書とか残してて、用意周到だなと思ったり…。
3章、「警官による自殺」の定義(P90)に「…事件。」とあったのが、複雑だった。自殺なのに事件? P99-101.生命保険が遺族に支払われない(自殺免責)のを考えてるなら生きてておくべきなのでは、と考えたけど、たぶん自分は当事者への利器ができてないのだろうと。
第4章、親子心中にて、子供の本当の気持ちが気になる。子供の遺書の部分で筆者が「これが長男の真意だったのかという疑問も残る。」と言っていて、確かにそうだと思った。
P140-「利他的な」子殺し、について。母親が子供との一体感を感じているけど、やっぱり子供の気持ちは?となってしまう。 「配偶者への復讐」の原型でギリシャ神話が出てきたのはおどろいた。介護心中は読んでて辛かった。サービスや他の人に頼れない状況下なら、やっぱり死ぬしかなかった?ここで気になったのは「介護していない子供」、話だけでも聞けなかったか、交代とかはむずかしかったか。抑うつ状態は自分もならないように気をつけたい…。
フロイトは名前も聞いたことあるし精神分析ってワードも聞いたことあるけど、未だに関連書籍を読んでない。読まなきゃとは思う。ツァラトゥストラの、蒼ざめた犯罪者が気になった。
P199-200「…拡大自殺がますます増えるのではないかと危惧せずにはいられない。」この本の発行後(H29) 、本当にそうなってしまったと思う。
P180「介護者自身も死んでしまったら心中になり、介護者だけ生き残ったら殺人になる。」という言葉、心に残った。

まとめ

自分が今までそう思ってなかったものも「拡大自殺」といえると知った。
加害者は本当にそうするしかなかったのか、と思う自分がやっぱり居ます。

おわり

というわけで、一年前に書いた読書記録でした。最後の「介護者が…」の文は今でも覚えています。

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