No.12「公立で取り入れたイエナプラン教育 2/2」

こんにちは、あーさーです。

前回は、人と人とを繋ぐ対話ということで、朝の会を設定せずに、隣の空き教室に集まってサークル対話が始まるという話を綴りました。
今回は、その続きです。
No.11「公立で取り入れたイエナプラン教育 1/2」|あーさー先生 (note.com)


②学習の自由化
 これは、ヒロック初等部の蓑手章吾さんの「自由進度学習」とイエナプラン教育のカリキュラムを参考にしました。
 まず、授業の進め方として、一斉授業を大幅削減しました。キーポイントとなるところや全体的に確認が必要なところなど、状況に応じて一斉授業も取り入れました。しかし、基本的な授業の進め方は、私が事前に用意した単元のタスク表をもとにして、各々が考えたペースで学習を進めていくというスタイルにしました。自分で次のタスク表で次のミッションを確認しながら進めます。ワークテストを受けるタイミングも選択可能です。
 そして、私は、日課表についても疑問を抱いていました。教科の得意不得意、好き嫌いがバラバラな子達が、毎回同じタイミングで、しかも大人が決めた大人の事情の順番で学習しないといけない時点で子どもの意欲は下がる!と思っていました。
 そこで、「国語・算数・理科・社会科」の4教科(他の学習は、専科や特別教室の割り当てなどの関係で断念。)を選択可能にしました。と言っても、「時数」の縛りがあるので、このようにしました。

(例)
月曜日
1時間目 国語  → 自由進度学習
2時間目 算数  → 自由進度学習
3時間目 体育  → 体育
4時間目 理科  → 自由進度学習
5時間目 家庭科 → 家庭科
6時間目 学活  → 学活

 このように、4教科に当てはまる時間を「自由進度学習」という表記にしました。そして、上記のパターンだと、この日の自由進度学習では、「国語」と「算数」と「理科」を1時間ずつ好きなタイミングで学習しましょうというように、時数管理のための教科の縛りは作りました。とてももどかしかったですが……苦笑
※管理職には、このやり方を話した上で実践しました。一人で勝手に突っ走っているわけではありません。

③環境の自由化
 一般的な公立の学校の教室では、黒板に向けて机と椅子が整列しています。子ども達が座る位置は指定されており、定期的に席替えを行います。そして、授業中は、指定されている席に座り、黒板の前に立っている教員に身体を向けながら学習します。これが基本であり、たまに隣同士や班で協力して課題に取り組んだり、ノートを持って歩き回り考えを共有したりします。
 このスタイルを打破しない限り、「与える学び」からは脱却できないと考えました。そして、イエナプラン教育の環境を参考にしました。
 まず、自分の机や椅子があるということは従来通りです。しかし、場所の指定をなくしました。教室内なら、どこで学習してもかまわないということです。なんなら、机や椅子を使う使わないも選択可能です。例えば、日の当たる場所で一人で集中したい子がいれば、ベランダ側の隅に机を移動させます。一人では不安だから、友達と協力したいという子であれば、信頼できる友達と向き合わせや隣り合わせにします。中には、歩き回って、本や掲示物を参考にしたり、友達や先生にアドバイスをもらったりしながら、後ろのロッカーの上にノートを置いて立ちながら学習する子もいます。
(こうした経験を積んだ子どもたちは、そもそもロッカーに荷物を置けるから、自分専用の机や椅子はいらないよね。誰がどれを使ってもいいってして、教室の端とかに置いて、使いたい時に使いたい人が自由に動かして使えばいいんじゃない?という話題も出していました。)
 前面や背面の黒板を開放していたので、黒板にチョークで考え方を書きながらアドバイスを出し合っている様子も見られました。
 そして、前回の投稿でも述べましたが、隣の部屋が自由使える空き教室だったため、朝や帰り、学級会など以外の授業中はリラックスルームとして使っていました。集中力が切れてしまった子や疲れた子、気分が乗らない子は、その部屋に行ってリラックスをすることも許していました。「リラックスルームに行ってばかりでサボる子が出てくるんじゃない?」という声が聞こえてきましたが、もちろん出てきます(苦笑)私は、サボることは決して悪いことではないと考えています。大人でも、嫌な仕事を後回しにしたり、コーヒーに逃げたりしますよね(笑)大丈夫です。ある程度サボったら、しっかり向き直ります。周りの子達が声をかけて助け合います。今までの一斉授業では見せない化学変化が生まれます。大丈夫ですから、待ってあげてください。

 子どもたちにとって、「選択肢の幅」と「やる気」は比例していて、幅が広がればやる気も増加し、幅が狭まるとやる気も減少するということがわかりました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「こんな勝手なことやっていると、次の担任に迷惑だ。」
「困るのは、次の年の担任と、子ども達だ。」という声が聞こえてきそうなので、次回は、それについて登校したいと思います(笑)

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