肝芽腫と診断されるまで〜②信じない〜
地域で一番大きな総合病院を受診した。
“平日午前の予約なし“はだいぶ待たされたが、採血と腹部CTを撮影してもらった。検査後の待ち時間は娘がいつものようにキャッキャしていた。落ち着かせるのに労力を使い、不安な気持ちを幾分か忘れさせてくれた。
診察室に案内されると、先ほどまでの若い医師に代わってベテラン医師っぽい先生が説明を始めた。
「肝臓が大きくなっています。腫瘍が疑われるが良性か悪性かはわからない。来週大学病院で検査入院をしてください。転んでお腹をぶつけないように充分注意してください。」とのことっだった。
(腫瘍??悪性??まさかね…。)
きっと良性だろうと心が思い込もうとしている。
診察室から出ると、主人は取り乱して泣いた。
(いやいや、そんなはずない!)
先生の説明を全力で良い方に解釈するように頭が働いている。
それすら嫌になり全意識を元気な娘へ集中した。
点滴刺されて大泣きして腫れた目もいつものように笑っている。
その晩主人は肝臓がんについて調べまくって教えてくれた。
肝臓の悪性腫瘍は“肝芽腫“と言って、小児がんの中では生存率の高い腫瘍とのことだった。
夜中にこんな話聞きたくないと思う一方、治る病気なのだと安心したのを覚えている。
翌日の夜、娘がまた腹痛を訴えた。
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