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葉っぱを求めてデンパークへ

デンパークとは…

愛知県のほぼ中央にある安城市は、かつて「日本デンマーク」と呼ばれ、全国の農業経営のモデルとなってきました。稲作、畑作、果樹、畜産などの多角形農業を推し進めた安城市は、世界の農業先進国であるデンマークにたとえられたのです。デンパークはその歴史をもとに、自然と親しみ、花のある暮らしを提案していきます。
●公園名の由来
デンパークは、日本デンマークの「デン」、田園の「デン」、伝統の「デン」と公園の「パーク」を組み合わせて名づけられました。

安城産業文化公園 デンパークHP 本施設について より

「デン」にそこまで色々な意味をかけているとも思わなかったし、そもそも「日本デンマーク」のことを知らなかった。教えてくれてありがとう。

さて、デンパーク。
なるべく早い時間に着きたかったので、往路は新幹線→名鉄→コミュニティバスという手段で10時過ぎに到着した。

正門 門を彩るシンボルマークにも色々意味がある
公式ホームページの「本施設について」で詳しく紹介されているので
気になる方はそちらを参照いただきたい

今回訪れた目的はショクダイオオコンニャクの葉である。
つい先日、京都府立植物園でショクダイオオコンニャクが開花した際にファンクラブ会員向けの観察会へ参加したのだが、そこで職員さんが色々解説してくださったとき「愛知のデンパークにあるショクダイオオコンニャクはもっと塊茎(芋)が大きくて、100kgぐらいあるんですよ。」と言っていたのが気になり、調べたら現在ちょうど葉が展示中ということも知ったので、じゃあ行ってみるか! という勢いで訪ねることにしたのだ。

ちなみに、京都府立植物園のショクダイオオコンニャクの花はこちら↓

2024.08.02撮影 正面から 京都府立植物園にて
2024.08.02撮影 斜め後ろから 京都府立植物園にて

写真では大きさがいまいち分かりにくいが、高さが約2.5mある。
真ん中のクリーム色のところは付属体といって花ではないし、レタスの葉っぱみたいなところも仏炎苞といって花ではない。
花の本体はこの苞に包まれていて見えにくくなっている。これが開花の状態。
そして、花と葉は同時に出ない。葉は葉としてみるのが大事なのだ。

ということで、早速デンパークのショクダイオオコンニャクの葉が展示されている温室へ向かう。

「花の大温室 フローラルプレイス」の入口から
既にショクダイオオコンニャクの葉が奥にみえている
おわかりだろうか……
ショクダイオオコンニャクの葉(左)と
ヤシの何らかの種(右)
奥に見えるのも多分ヤシ
ショクダイオオコンニャクの葉を反対側から
近くの建物と比べてみてほしい

実に見事な大きさで感動した。
これを見て、(えっ……木じゃないの?)と思われる方もいるかもしれないので、一旦下の説明をご覧いただきたい。

ショクダイオオコンニャクの生活史の説明

葉っぱについての説明で、「葉柄(ようへい)は一本なので一枚の葉なのです。」と書かれているが、幹のようにみえている部分が「葉柄」で、枝のように広がって細かい葉っぱみたいに見えているのが「複葉」である。

これが葉柄
わさわさしてるのが複葉

本当に見事なので写真も沢山撮ったし、立派な太さの葉柄もしげしげと観察してしまった。
ちょっとした低木ぐらい大きくて迫力がある。

いやぁ…いいものを見た。
と、これだけで帰っては3時間以上かけて来たのがもったいないので、他のところも勿論楽しむ。
ちょうど温室でお昼ご飯の時間になったので、中にあるカフェで昼食を済ませた。

デンバーガーとフルーツティー
ハート型のイチゴシャーベットみたいなものがのっていた
かわいい
デンバーガーの詳細
チンゲンサイは生で使用 シャキシャキして美味しかった

午後の移動開始前に園内マップを確かめる。

園内Mapのスクリーンショット
公式HPより

温室へ行く手前にあるマーケットも気になっていたので立ち寄った。
嵩張るものや傷みそうなものを買ってしまうと後で困るので、買い物は出発直前にするとして、土産にしたいものを物色して先に目星をつけておいた。

温室とマーケットから出て「サマースノーボーダー」というテーマの通路を通り、東門方面へ。
「テラスガーデン」が気になったので行ってみたのだが、陽射しの降り注ぐ中にハンモックがいくつも設置されていた。(写真は撮っていない)
まぁ…暑そうだった。
涼しい時期には良いかもしれない。

続いて「グラスウォーク」というエリアへ。
パンパスグラスとかススキとか、葉の細いものを多めに植栽されているところで、見た目は涼しげだった。秋はもっと雰囲気が出て良さそうな気がする。

そのまま道なりに「木陰のギボウシ園」付近を通って「世界の梨園」へ。

これは「ユキナシ」という名札がついていたと思う

(梨、あんまり食べてないな……)ということを思いつつ色々な梨を眺め歩いてから正門側へ向きを変え、園内の中央部に位置する「わくわく恐竜王国 ディノランド」を目指した。

「わくわく恐竜王国 ディノランド」(※別途料金 大人500円)
実はこのエリアから<恐竜の咆哮>がずっと漏れ聞こえていた。とても大きく。
雰囲気からして子ども向けだし、園内にはお子さん連れも多い。
雑木林を残したというのが魅力的なのでじっくり楽しんでみたいけれど、やはりお子さんがちらほらいらっしゃるのだろうか……そんなところで自分は邪魔にならないだろうか……。
諸々心配しつつ入ってみると、客は私だけであった。

林の中に頭部や腕が少し動く恐竜が佇み
雰囲気を盛り上げるはずの咆哮がどこか虚ろに響く

なんとシュールな空間。
いや、この時はお子さんがいなかっただけなんだ。
お子さんがいて、子どもたちのはしゃぐ声があればもっとこう……
いい感じの空間になるはずだ。多分。
ほんのり微妙な気持ちになりながら、木々の間を通り抜けてくる風を味わい、恐竜の咆哮とセミの鳴き声を浴びて、しばらく木陰を楽しんだ。

帰りは18切符でのんびり帰ることにしていたので、少し早めの14時前にパークを出ることにした。
お土産はクッピーラムネ。

特産農産物のいちじく、なし、にんじんを使用

詳しい記事もあったのでリンクを貼っておく。

デンパークのすぐそばにこういう建物があるのがなんか良い

普段私が訪れている植物園とは施設の目的が全く違うこともあって(そもそもテーマパークと謳っているし)、植栽されているものは園芸品種が多く、そこに植わっているもの全てに対してではなかったけれど、名札もしっかりあったのは個人的にはとても助かったし、嬉しかった。
『こんなのもあるよ』という雰囲気を感じられて、なるほどな~という刺激もあった。
ありがとうデンパーク。良い夏の思い出になった。


《余談》
ショクダイオオコンニャクは日本国内の様々な植物園や研究施設にある。
私が調べた範囲では以下の施設で成長記録や、過去に開花した情報があった。

・筑波実験植物園
・神代植物園
・小石川植物園
・新潟県立植物園
・デンパーク(←今回訪れたところ)
・東山動植物園
・京都府立植物園(←先日開花したところ)
・京都薬用植物園
・牧野植物園
・フラワーパークかごしま
・宮交ボタニックガーデン

もしお近くの施設で花が咲いたら是非見てみてほしい。