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伝える、と、伝わる


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人につよい何かを伝えようとするとき、少し身構えてしまう。
このボールを受け取ってくれるだろうか。と相手の表情を覗き込む

膝下ぐらいのハードルを飛び越えるような、はたまたぐっと喉がつっかえるような、そんな感覚だと思う。

たまに逃げたくて、本当の考えをのみ込んで口先で出てきたユーモアで切り返す。
安堵すると同時にどうもやるせない気持ち。
言わなかったのはわたしなのに、心の奥底では「言えなかった」と相手のせいにしてしまう。

そんな自分を変えたいと思ってるよ、
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「伝えたい」と前向きになるのは誰かの顔が思い浮かぶときだと思う。
バイト先の帽子を被るのが好きなあの子。高校時代に一緒に泣いてくれたあの人。
昨日夜遅くまで駄弁ったやつのこと。

顔を思い浮かべながら、自分の感情ものせてしゃべる。
誰かを思い浮かべることと、目の前の人にそれを伝えたいという感情は強く紐づいている。

「あの場所」を思い浮かべることもある。
時間、温度感、誰と何を話していたか、場所と結びついて綺麗に思い出される。

頭の中にある人と場所、そこからたどってぐるぐるしながら、私は伝えようとするのだと思う。

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伝えようとしても、相手に「伝わらない」ときがある。
全然違う方向を向いた相手の言葉が返ってきたとき、この上なく悲しくて悔しい。
「また伝わらないんじゃないか」なんて、さっきまで膝下ぐらいだったハードルが、高くなっちゃったり、したりして。

でも相手は悪くない。
わたしが自分の中だけにある言葉で伝えようとしているから、「伝わらない」ことがあるのだと思う。
「伝わる」ように自分の外にある言葉にもっと注意を向かなければいけない気がしている。
自分が心地良いと思う言葉だけじゃなくて、違和感のある言葉たちも、のみこもうと喉につかえて、たまに吐き出しながら見えてくる景色もあるのかなとか思ったり。

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悲しかったこと、今日あった良いこと。音楽、時間、人肌、ことば。クスッとしちゃったこととか
人と共有できることの喜びを知っているからこそ、
伝えるだけじゃなくて、伝わるように。

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