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【響け~La mia voce~】番外編 街頭の下の ”みにくいアヒルの子"

【響け ~La mia voce~】ご覧いただき、ありがとうございます。
多くの皆さまに、興味・関心を持っていただけること、心より嬉しく思います。今後も引き続き、よろしくお願いいたします。

HPページに載せている「白い鳥」のイラストについて、ご質問をいただいたので…今回は「番外編」お送りします。

街頭の下の ”みにくいアヒルの子”


アンデルセン童話の『みにくいアヒルの子』は白鳥だったけど、私は本物のアヒル。

鳥は鳥でも「アヒル」は空を飛べない。翼があるのになぜだろう…
「みんなと同じように空を飛んでみたいなぁ」
ウグイスみたいに、キレイな声で歌えたらいいのに…」
空を見上げると惨めになるから、いつも下を向いて歩いていました。

「飛べない鳥」はいるけれど、他のみんなは得意なことをもっている。
ガチョウは、足が長くて走るのが得意。
ペンギンは、可愛くて水族館の人気者。
ニワトリは、ヒトに好かれていて、クリスマスになると卵も鶏肉も大人気。

それなのに、自分には何にもない。
…卵を食べてもらうにも手間がかかるし、苦しい思いをしてエサを食べないと「フォアグラ」にもなれない。


太陽の下で生きることに疲れたアヒルは、夜の町にやって来ました。
静かな夜は、やさぐれたアヒルの心をやさしく包んでくれました。

街灯の下の“みにくいアヒルの子”は夢をみました。
…空を飛んでみたいな
…おしゃべりが上手になりたい

そして、一番星に誓うのです。
「お金がなくても、母さんがいなくても、勉強ができなくても、耳が聞こえなくても、夢は叶えられる…」「恩送りのできる、カッコいい大人になる…」と。

泣き虫のアヒルの挑戦が始まりました。


自分が嫌いで、受け入れらなくて、何者かにならないといけない、と足掻いていた思春期時代に考えていたことです。
ある時、羽を動かしても飛べないんだったら、高いところに登って羽ばたいてみたら、飛んだ気分になれるかも…と思って、ちょっと高い丘に登って羽ばたいてみたのです。
“飛ぶ”というより、“ゆっくり落ちている”という方が正しいのかもしれませんが、少しだけ空が身近に感じられたのです。
飛べない鳥はダメだと思っていたけど、再び聞こえにくくなって「飛べなくてもいい」と自分を受け入れられるようになった。そんな人生をイラストにしてみました。