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素の想いを大切に

  「気は長く、心は丸く、腹立てず、己小さく、人大きく、口慎みて、命長かれ」という人生訓、これってどうなんでしょうかね。
 「気」という文字を縦に長く、「心」という字は丸く、「腹」という漢字は、横に寝かせて…、短冊なんかに書いてあるのをご覧になったことがあるでしょう。
 気が長く、穏やかで、怒らない。そして、器が大きくて、エゴがなく、口数が少ない人。そうした心の持ち方が健康なの?模範的な人格者になるために、私たちは生まれてきたのでしょうか。

 この人生訓のように、湧いてきた想いを矯(た)め治したり、一定方向に誘導したりしていると、瑞々しい感性がくもってしまわないか、という気がします。
 だから「そのときどきに湧き上がる素(す)の想い、あるがままの気持ちを慈しむ」。このことが、もっと強調されてもいいと思いますが、世の中の教えは、心をコントロールすることに熱心なようです。
 私たちは、湧き上がってくる様々な感情を味わうために、日々、人生をやっている。これが、いまの私にとって、一番しっくりくる「とらえ方」です。たくさんの種類の感情を味わうことができる人生。それが「豊潤な人生」ではないでしょうか

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