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これこそユートピアじゃないか!

 30歳代くらいまでは、予定でスケジュール帳が埋まることに充実感を感じていたのですが、今は。何にも予定も目標もなく、一日を自由に使えることがうれしい年頃になってきています。中学生のときからあこがれていた「その日、その日が楽しければいい」という人生観を体現できつつあるのです。
 
 以前に読んだ本「母神に包まれる方法」(森田健著、マガジンハウス)に同趣旨の記述がありましたので、その個所を要約して引用します。
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 著者の森田氏が大学時代、友人と北アフリカのチュニジアに旅行したときのこと。何日か車を走らせてオアシスの町にたどり着いた。その町には、めぼしい娯楽など何もなく、テレビもラジオも車も、もちろんインターネットもない環境。
 
 だから、彼らは「外の世界」のことはほとんど知らない。太陽が昇ると外に出て働き、太陽が沈むと家に帰って休む。ほとんど変化のない毎日をひたすら繰り返すだけ…ところが、彼らは不思議と楽しそう。子供のように屈託のない笑顔で、毎日を過ごしている。

 誰一人として、将来の目標など持っていない。難しいことなど何も考えず、その日その日を楽しんで暮らしている。「これこそユートピアじゃないか」と私(森田)は思う。
 
 考えてみれば、私たちは子供の頃、目標など持っていなかった。例えば、楽しかった夏休み。毎日飽きもせずに遊び回る。遊びは、いつもその時々の思いつき。「明日はプールに行って、明後日は野球。来週の水曜日には森に昆虫採集に行こう」なんて予定を立てて、手帳に書くことはなかった。それでも退屈など感じず、毎日が楽しかった。
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 読まれていかがでしょう。
 私たちは、予定をこなすこと、言い換えれば「目標を立て、その達成に努力する日々」を長く過ごしてきたために「その時々の思いつきで生きる」という子供時代では当たり前だった、純粋な生き方を忘れてしまっているのではないでしょうか?

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