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諸君、『朝日小学生新聞』は意外と、とても、すごく良いぞ

 私は毎朝新聞に目を通す習慣があるのを拙宅山本家の子どもたちが見ていて、そうか、そろそろ我が子も立派な朝日戦士として旭日旗の元に集う人物に育てる機会がやってきたかと思い、とはいえ興味持たないかもしれないし、まあ与えるだけ与えてみるかと半信半疑の半分冗談のように『朝日小学生新聞』を取ることにしたんですよ。

 まずはお試しで、と思って。

 そしたらですね。

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 大ヒットなわけですよ。

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 どうも、楽しいらしい。

 まだ0歳児の長女は別として、10歳8歳6歳の三兄弟が、朝起きたら奪い合うようにして新聞を読んでる。意外だ。てっきり興味を持たないかと思ったんです。

 そこから一か月が経ち、二か月になっても、新聞一面から社会面のまんがまで隅々まで読むという立派な朝日戦士に育っていることに気づきます。

 ありがとう、ありがとう朝日新聞。

 もちろん文句なく継続です。何なら、私も朝日新聞も取ろうかってぐらいです。ただ、紙がいっぱいあってもだるいので、とりあえず朝日新聞電子版は申し込みました。子ども向けの新聞は、他にも『毎日小学生新聞』や『読売KODOMO新聞』などもあるようですが、私は試しに取ってみた朝日小学生新聞しか読ませていないので、品質の違いは良く分かりません。比べている記事があったので、そちらをご覧いただければと存じます。

 しかも、ちゃんと読んでいるのかノーベル賞から首里城炎上、海外の特派員さんの解説記事まで、一通りのことを言うようになりました。何なんだお前たち。夏ごろまでスポンジボブとかの話題でゲヘゲヘ笑いながら盛り上がっていたのに。何か気持ち悪い。

 長男は生物や科学に関心があり、次男は仕組みや物理に興味があります。三男はまだそこまで興味が固まっていませんがミサイルとか戦車が好きです。放っておくと、家の中がドラえもんのような漫画類か、サバイバルシリーズのような科学ものばかりになるんですよ。偏っていてよくないと思いつつ、変に携帯ゲーム機にハマられたりネット動画で時間を潰されたりするよりはいいかと思って黙認してきたのですが、ここに「新聞紙」という新たな媒体で刺激が入ると、景色が変わるのかいろんな分野の記事を熱心に読んでいます。言われてみれば、新聞ってあらゆる方面の情報が入っている媒体ですから、読んでいれば嫌でも知らない知識や興味のなかった世界が入ってくるんですかね。

 私の人生思い返して、子どものころ親父の読む新聞を横から読んでてもそういう新鮮さを感じた記憶は特にないのですが、親の側からすれば子どもの変化は気づくものなんでしょうか。私の親父は頑固な江戸っ子によくいるタイプのジャイアンツ親父でしたので、自宅は読売新聞と報知新聞に染められ、主筆・渡邉恒雄大先生を私淑する家庭でありました。私もいまでは立派な保守主義者ですが、思想の別はともかく、知るべきことを知り、相手の意見を尊重し、右も左もおおいに議論して世の中が良くなっていってほしい、そういう人間に育つのであれば、産経に連載しておきながら申し上げるのも何ですが朝日の立派な記者たちの文字を読んで自ら考えていってほしいです。

 山本家の子どもたちは学校の勉強や塾の宿題は相変わらずやらないわけですが、まあこのご時世しっかり時事問題に興味を持っていっぱしのことを言ったり考えたりしてくれれば私としてはそれでいいのです。いまは完璧な知識、正確な理解をしなくてもよいから、不完全でも自分の考えを持ち、意見を言えるようにしてもらえればいいと思います。

 唯一、困ることは毎日朝日小学生新聞に目を通していると、子どもたちがやりたがるような余計な広告が沢山掲載されています。ある用事のない土曜日の朝、介護の予定もないのでゆっくり寝ていたら子どもたちがやってきて「起きろ。そして、ここへ連れていけ」と朝日小学生新聞片手に馬券師みたいな態度でお出かけをねだられたときはほのかな怒りを感じました。

 ただまあ、子どもの興味を惹くように、正しい時事や社会の知識を伝えてくれる朝日小学生新聞は思いのほかありがたい。私も、いま流行のステマとは全く逆の、誰からも頼まれずに身銭切ってるのにこれはいいサービスだったのでみんなにお薦めするという善良なる消費者の鑑のような行動に打って出ました。意外かもしれませんが、もしもお子さんがいらっしゃるようでしたらSNSを与えるだけじゃなくてこういうものも良いんじゃないかと思います。

 ちなみに、拙宅長男次男は学校の友達とSNSをやっていて、そこで雑談するネタとしても新聞は重宝しているようです。そりゃそうだよねと思う一方、やはり友達との会話は家族や食事と並んでゲームやアニメの話題が中心になりがちなのですが、そこで新聞で仕入れた「桜を見る会でアベちゃんが大変らしい」っていう知識を一個放り投げるだけで、小学生の中でも時事問題で会話が広がるというのは素敵です。

 朝日新聞社には良い導きをしていただきました。重ねて御礼を申し上げます。そのまま飽きるまで購読を続けたいと思います。

 ところで、先日東京学芸大学まで出張って、長男が愛する珪藻のイベントやワークショップに行ってきました。『ケイソウ展』はこれが最後だそうですが、こんな小さな生物が、いたるところに大量にいて私たちの環境を支えているのだと思うとちょっとした浮遊感に見舞われます。

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 あまりにも楽しそうに長時間いるので、付き合う私もそれなりにしんどかったわけですけれども、こういう「好きなことを、好きなだけ」という行動のできる時間も人生そう多くなく、この時期だからできることも多いと思うので、可能な限りご一緒してまいりたいと存じます。




神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント