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「見放される」安倍政権と、医官とは何かを語る会をやりました(漆黒と灯火)

 先日、和泉洋人補佐官と大坪寛子さんの件についてYoutube動画で解説記事を流したのですが、また新たにネタが出たらしく取材がありました。

 しかし、マスコミの女性記者と食事に行ってセクハラまがいの発言をしただけでクビになった局長がいたり、公文書偽造・改竄の責任をおっかぶせられて形式的な上司だった人物が訴追されそうになったり、みんな相応に吏道として責任の取り方をまっとうするなかでここまで粘る和泉さんと大坪さんについては違和感しか覚えないんですよね。

 で、2020年2月の「漆黒と灯火」の定例勉強会は、まさにこの厚生労働省で医系技官(医官)としてプロパーで勤務され、現在小児精神科医で臨床をされている千村浩先生をお呼びして、厚生労働省の良いところとやりがい、医官とは何かという話をお伺いいたしました。

 本当は、ニセ医学から社会保障まで厚生労働省の「厚生省」部分の議論や行革・省庁再編といった難題がこんにちの行政にどんな影響を及ぼしたのかを話し合うつもりだったのですが、冒頭の女性医官・大坪寛子さんのあれこれと、コロナウイルス禍(COVID-19)の話が大きすぎてそればっかりになってしまいました。いや、感染症の世界は奥が深すぎて。

 千村先生は数年ほど前、私の家内が病気になってしまいまして、日に日に悪化して困っているところへご相談させていただき「それなら、ここを訪問して診療を受けるといいですよ」とのアドバイス通りに訪問をしてみたところ、約2年の闘病の末にほぼ寛解・快癒したという命の恩人であります。もしも千村先生と出会うことが無ければ家内はまだ闘病中だったかもしれず、ましてや長女を授かることもなかったでしょう。

 その節は本当に助かりました。

 医学の世界にも派閥があったり、老害というほどではないものの古い治療法に固執してしまう医師が地域で権力を握っていてなかなか改善されないというようなこともありつつ、現状では医師同士の相互チェックもかなり働くようにはなっているようです。もちろん、世にはエビデンスの乏しい書籍やサイトが乱立し、効果の乏しいサプリメントから高額医療費を掠め取る代替医療まで様々な問題があるのは事実です。

 そのうえで、コロナウイルスの問題については厚生労働省はヘッドも現場もヒトが足りない、リソースが足りない、研究できる状況にないという問題を抱え、しばらく感染症専門家を官邸の対策チームに混ぜずに水際作戦を行うなど悩ましい状態が続いていたとのことです。もともと千村先生はSARS問題が勃発した際のご担当課長でいらしたこともあり、水際のむつかしさもさることながら、国民に必要で充分な過不足ない情報提供がないと容易にパニックになりかねないという問題は繰り返し指摘されていたのが印象的です。

 対談が終わってから、千村先生もご一緒して恒例の懇親会へと移るわけですが、調査屋的な話として、最近ホットな「前回投票した人」に限定した内閣支持率が先行指標化しやすいという事例も踏まえた議論が出ました。結果としてまったく異なるインシデントであるコロナウイルス流行で政府の対策は不充分という国民の厳しい声が理由で支持率が急落したわけですが、安倍晋三さん本人が悪いというよりはチームとして対策を打つときの舞台装置が不運だったという結論にはなるんですよね。

 単純な話、4月に予定されている中国国家主席・習近平さんの国賓来日、夏に行われる東京オリンピック、安倍さんの総裁4選あるなし、そして国政選挙を控えているという状態。タイトロープの上に政権が来ているのは間違いなく、すべての難関を乗り越えてロープを渡り切れる可能性は低くなっているいま、何を諦めるのかというフェーズに入ったんじゃないかとは思うんですよ。

 個人的には、親中派として頑張っている二階俊博さんのグループで、利権を受け継いだと言われるライズジャパンなどなどがいろんなところで顔を出していて検察・公安マターになりつつあるようなところへ、どうにか検察人事で言うことを聞く人を上に置いておこうと政権が躍起になって無理筋を通そうとしているというのが悩ましいのかなと思うわけです。

 「アメリカとの外交は理念的なもの、中国との外交は損得的なもの」という味わい深い分析が流れている昨今ですが、損得を優先した結果、国民の生活が危機に晒されてしまうようでは政治的に本末転倒ですし、民主主義者である私たちからすれば「もうちょっと国民のことを最優先で考えて欲しい」というのはあります。また、一連の中国からの訪問者を禁じない日本政府の方針は、むしろ安倍政権を支えてきた右派から見捨てられかねない点はこうりょしたほうがいいのかなとも感じます。

 そんなこんなで、株価が少し調整入りました。こんなもんで良かったなと思う一方、そのままずるずる行く可能性があるのと、一方でコロナウイルスは現段階では感染拡大も犠牲者も限定的で、それよりインフルエンザや結核、風疹などの伝染病の脅威のほうがまだまだあるわけですから、パニックになり過ぎない程度に警戒を怠らないというバランス感覚を求められているんだろうなあと思います。


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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント