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はあちゅうさんと血液クレンジング絡みの謎

 文春オンラインに記事を寄せたんですが、その後、近大Picksさんが伊藤春香(はあちゅう)さんを呼んできて血液クレンジング話で論説記事を掲載しているのを拝見しました。良い記事に仕上がっていて素晴らしいと思います。

 近大Picksの記事はこちらなんですが、出だしからはあちゅうさんが微妙に嘘くさいことを述べていて、私は悪くないオーラを濃厚に漂わせながら近畿大学の医学・法学の両専門家からの雨あられのような可愛がりに対応しておられました。

 記事の冒頭から専門家である谷山佳弘准教授に真っ二つにされ、黒煙を上げて轟沈するはあちゅうさんを見て面白がる向きは多いと思うのですが、まず気になるのはここです。

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 言わずもがなですが、本件はおそらくは感想をブログ『はあちゅう主義。』に書いたのではなく、はあちゅうさんが当時所属していたトレンダーズ社の美容クーポンサイト『キレナビ』に出稿しているクリニックからのアフィリエイト(広告)収入を得るために頑張って「血液クレンジング」を拡散していたはずなんですよ。

 事業のカラクリについては肉級さんがご解説されています。ですが、私がそれ以上に問題だと思うのは、この『キレナビ』オフィシャルの媒体ではなく、『キレナビ』の編集長をしていたはあちゅうさんが、個人ブログを装って血液クレンジングを実施した体験談を書くことで『キレナビ』に広告出稿しているクリニックへのステルスマーケティング(ステマ)を行っていたのではないか、と懸念される点です。

 さらに、それについてはBuzzFeedではあちゅうさんをインタビューした神庭亮介さんも「ステマですよね?」と本人に問い質し、歯切れの悪い回答を得ています。おそらく、はあちゅうさんはここでステマを認めてしまったことで後から炎上の火種になったため、BuzzFeedや神庭さんを逆恨みするようになったんじゃなかろうか、と思うのです。

 そういう「血液クレンジングって駄目よな」という大前提がコンセンサスになったので、はあちゅうさんも一時は謝罪し、記事をブログごと削除するという大技を披露したのだと思います。これで、いったんは話が終息したかに思われました。

 ところが、寝た子を起こすように、今度ははあちゅうさんが自分から血液クレンジングについては他の医師でも肯定的に語る人がいる、と言い始めました。思い出すのは、いったんは童貞揶揄で#metooごと炎上して謝罪したのに、よく考えたら謝る必要はなかったとしてこれをはあちゅうさんが撤回した事例です。

 この辺を見ると、明らかにはあちゅうさんの自意識を満足させる形で「血液クレンジングは『予防』的な観点で部分的効果がある」と吹聴した医師・医療関係者がいるはずなんですよね。

 この点は、すでにNHKの水野雄太さんが記事にしていますが、いまの日本の医療において、血液クレンジングなどの効果のあやしい治療は自由診療による代替医療である、で片づけられることになります。これは全く正しい。それに、別段これ自体は違法じゃありません。

 ただし、違法でないから何をしても良いのかという問題はありますので、医学的、法的に血液クレンジングが問題とならない、罪に問えないのであるとしたとしても、不適切なことやってんなあバーカと批判を加えておく必要はあるんだろうなあと思うわけであります。

 つまりは、法律のすき間をうまく突いて、効果の乏しい医療なのに高額の治療費を乗せて診療することが、果たして医師がやるべきことなのかという話だと思うんですよね。本来は、そういうよろしくない稼ぎ方をする医師がいることのほうが問題にされるべきなんですよ。

 しかしながら、実際にははあちゅうさんが面白いので、どうしても「血液クレンジングをお薦めしたはあちゅうさん」が物議の対象になってしまうのは仕方のないことなんでしょうか。他人に効果のない治療をお薦めしてサイト収入を上げ、そのカネで会社上場までもっていって保有株式が何千万かになりました、というネタこそ、この汚い世の中を読み解くカギになるんじゃないかと思う次第であります。

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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント