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「競争より共創」と言うけれど、それは伸びてる市場で余力のある企業が言う綺麗事なのでは?

 「タイトルは過激に、内容は誠実に」という展開で頑張ってまいります。

 元は深津貴之さんのこれ、後になって古川健介さん(けんすう)が乗っかっていたのを読んだんですよ。

 でもこれ、パイが伸びている市場で、期待感含みで出資金をたくさん集めて、赤字でもあと一年二年は経営していられるというベンチャー界隈でしか通用しない議論だと思うんですよね。

 コンテンツなど知的財産をやっている側からすれば、競争は必然であって、確かに海外版や電子配信を含めれば市場は伸びているけれど、むしろ囲い込みをより強くしないと利益を出せないという状況の中で選別してもらえるようなマーケティングでしのぎを削っております。まあ、利益を出さないと死んじゃう世界にいれば、マネタイズ優先で頑張らざるを得ないなかで、共創とか言っとる余裕はないのです。

 投資家に対して、期待に応えられる利益をどう積むかを真剣に考える経営をしているところは、仮に共創なるものが戦術として成立するとして、そのコラボが利益を生むのか冷静に考えると思うんですよ。相手のところに来ているお客さんが、より魅力的に感じて多くのおカネを市場に落としてくれ、なおかつ自社にも売上貢献してくれるのかどうか。

 また、もっとシビアな市場環境になっているところでのビッグプレイヤーならば、一定の共創は業界秩序のために必要としつつも、本当に共創をしてしまったら独占禁止法に引っかかるし(ぶっちゃけ共創の中身によってはこれは単なる違法です)、コンテンツやプログラム、回路設計などの産業著作物を扱っているならば共創はマーケティング分野に限られます。RISC-Vで半導体を作っているところが共創するとかちょっとアリエンティ。

 あくまで、こういう文脈で「共創はいいね」と言っている点については、「ボクらそういう優しい感情で市場と向き合いお客様との信頼関係を結んでいって市場を大きくしていく立場を表明していますよ」というブランディングの問題じゃないかと思うんですよ。

 ひとつの市場・業界で、本当に高収益で生き残るのは一社か二社か、という状況もあり得る中で、利他的な世界観を醸し出して「みんなで儲けようよ」というのは美しい世界なんでしょう。けれども、実際には「上手く立ち回って利益を出したやつが生き残る」のであって、なかなか経営の世界もむつかしいですね。

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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント