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日本人はイラン情報がないと嘆き、イギリス人は中国・武漢情報がないと怒る

 「問題が起きた当事国に刺さってない」問題は、最近ようやくクローズアップされてきて、どういう形であれ、現地にきちんと人がいって、それを政府がフォローして、しっかりと情報収集をしながら自国民を守るという仕組みがないと大変なことになってしまいます。

 我が国の場合は、もともと北朝鮮での拉致問題があり、長らく政治問題になっていたのは、当時の社会党が北朝鮮と通じて問題を隠蔽していたり、某ミスターXがうっかり身代金を払うので一時帰国させる交渉をしてしまうなどの現場無視や被害者軽視を続けてきたことへの反省があります。だからこそ、イスラム国など過激派に対して武装勢力に自国民が拉致をされても身代金交渉は行わないんですけど、その代わり、現地に行く自国民は概ねにおいて変わり者だったり反権力志向だったりして政府も抱き込んで情報収集のお願いをするということもしません。

 当然、イスラム圏の情報を日本政府はあまり持っておらず、誰かが何か事件を起こしてもその勢力との交渉ルートも拓けないので、そもそも身代金交渉以前の問題として「その人が本当に拉致されているか」「そのテロを起こしたのは誰なのか」は現地の周辺政府やアメリカ、イスラエルなどの情報機関からの除法提供でどうにかするしかないというのが実態なのでしょう。

 で、今回の中国・武漢発のコロナウイルス肺炎の問題は日本での第一報が早く、また、自民党政権も現地にいる日本人の救出のためのチャーター機を繰り出す決断もできていたのはひとえに現地の日本人コミュニティがしっかりしていたお陰です。特定の企業が現地に根付いて相応の情報が取れていたので、何かが起きているという話がある程度の粒度で察知できたというのは相応に大きいのかなと思います。

 これは、日本のインテリジェンスとか、日中間の信頼関係などという話ではなく、現地にしっかり人が住んでいるからです。別に反中国とか親アメリカなどという浸透云々の文脈ではなく、中国人と一体となって信頼関係をもって暮らしているから、利害がきちんと一致しているからこそ、日本と中国双方にとって利益のある活動ができるということであろうと思います。

 で、武漢の話ではなぜか今回イギリスやドイツが出遅れて、あまり情報が取れていませんでした。理由は良く分かりませんが。刺さっていなければ、海外の優れた対外情報機関も初動が遅れることがあり得る、また、EUからの離脱や別の難民問題などで課題が出ている中で、地理的に少し離れた中国のほうにまで政治的な目配せができていなかったのかな、と思ったりもします。

 仮にレベル4施設から実験用ウイルスが漏れたのだという話が事実だとして、これをどのようなプロセスで中国が対外的に認める方法を取るのか興味はあるわけなんですが、これとのバーターで、ウイルスはコントロールできているとする中国政府(共産党)がどのように日本のチャーター機を受け入れるのかはまだ良く分かりません。

 土壇場でチャーター機の受け入れを認めない決定をするかもしれないし、日本側もその後の検疫・帰国者の健康管理や二次・三次感染防止のプロセスをどう構築するかはまだはっきりしていないし、ドタバタの中で走りながら考えるしかないのかしらという雰囲気もあります。チャーター機に乗っている添乗員に日本のスパイが混ざっているのではないかとか疑われても、それ以前の問題だろうという風に押し返せるかどうかで、本当の意味で中国の意図が見えてくるのかな、と。

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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント