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日経のアメリカ大統領選特集が面白かった

 今回は全6回(?)の3回目。分かりやすいエピソードにアメリカの分断を象徴するテーマが全部乗せになっていて、これは面白い。

2020年の米大統領選まで1年。トランプ大統領の登場でアメリカ社会の分断は進んだ。各地からリポートする。3回目は地域に焦点を当てる。 #日経ビジュアルデータ  

 先にひとつ難癖を書いておくと、若い世代は民主党支持と簡単に解説されているが、実際には若い世代や都市部住民が支持しているものは「民主党的な価値観」であって、特定の民主党候補をみんなで一致団結して応援し、偉大な大統領にしていこう、という意味合いからは程遠い。だからこそトランプさんが大統領になってしまうのであるが、これは民主党の人材不足もさることながら、民主党的な価値観を体現できるような、横断的なペルソナを持つチームが組めないので広がるべき民主党への支持を糾合できないという話なのでしょう。

 オバマさんも大統領になってみたら大したことをしなかった人ではあるけれども、翻って「アメリカ発の黒人大統領」であり、マイノリティが夢を乗せてひとつの偉大な地位に就かせるという点で、消極的な民主党支持者や他の候補者を応援した人もオバマさんに相乗りしやすかったというのはあるとは思います。

 じゃあ、バイデンさんか? サンダースさんか? オカシオ=コルテスさんか? という話になると、トランプさん以上の高齢者であるバイデンさんやサンダースさんってのもなあ、でもヒスパニック移民の女性を大統領に担ぐのものどうなのよ、という話になり、オカシオ=コルテスさんがうっかり大統領になろうものならアメリカの地方と都市の「分断」とされるものはむしろ促進されるだろうと思うんですよね。

 トランプさんにせよ、あれだけ不思議な男が大統領になるのはもちろん、そのキャリアが70歳代でピークを迎えるというのは豪運という一言に尽きる一方、いま苛烈に進んでいる米中対立もふたを開けてみたら先鞭こそトランプさんがつけていたけど実際にはペンス副大統領とアメリカ議会の超党派の対中タカ派の皆さんが結集してトランプさんそっちのけで対中強硬策を練り続けているというお神輿どころではない展開になっています。むしろこの辺はアメリカの民主主義という普遍的価値観を守るために共和党も民主党もなく、全員で拳を固めてぶん殴りに行っている図式なので、アメリカ国民からすれば「俺たちそっちのけでDCは政治をやっている」と思っても仕方ないんじゃないかと感じます。

 そして、あれだけ閣僚人事はボロボロになり、ロシアとの関与その他でメディア的関心事の続くスキャンダルに塗れていても、このままいくと何も大きな問題もなくトランプさんは大統領に再任されることになります。セオドア・テディ・ルーズベルトさんは偉大過ぎた大統領なので大統領任期が問題になりましたが、ドナルド・トランプさんの場合は目立つ割に単に大統領であるというだけで面倒くさいから人気が問題になるという残念な経緯があるのは良く知っておいたほうがいいと思うんですけどね。

 トランプさんが、今風の社会の分断の象徴になってしまうんだろうか、とぼんやり思うんですけれども、じゃあ安倍晋三さんや各国指導者はどうなのかと言われると分断してない社会なんてないよなあと。


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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント